筆界特定 × 手続と制度38肢
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要点
- 筆界特定とは、一筆の土地とこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置を特定すること(位置を特定できないときはその範囲を特定する。法123条2号)
- 所有権の境界を特定するものではなく、筆界調査委員も事実の調査に当たってこの点に留意する(法135条2項)
- 意見聴取等の期日
対象土地において開くことができる- 筆界特定登記官は、適当と認める者に参考人として事実を陳述させることができる
- 筆界調査委員や申請人・関係人が期日で質問するには筆界特定登記官の許可が要る
- 同席させて開くことを禁じる規定はない
- 閲覧
- 申請人と関係人は
- 公告があった時から筆界特定の通知がされるまでの間
- 調書と提出された資料の閲覧を請求できる(法141条1項)
- 抵当権者は申請人でも関係人でもないので閲覧できない
- 立入調査(法137条): 立ち入らせるときはあらかじめ日時・場所を土地の占有者に通知する(表題部所有者・所有権登記名義人ではない)
- 宅地や垣・さくで囲まれた他人の占有する土地には、日出前・日没後は占有者の承諾がなければ立ち入れない(4項。承諾があれば日出前でもよい)
- 費用
手続費用(測量費用など)は申請人の負担(法146条1項)- 予納を命じられるのも申請人で、申請人でない所有権の登記名義人ではない
- 申請人が二人で、一人が対象土地の一方、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等なら、等しい割合で負担する(法146条2項)
- 承継
申請人が死亡したときは相続人が地位を承継したものとして手続を進める- 承継人について改めて意見聴取等の期日を開かなければならないとする定めはない
- 意見聴取等の期日の陳述は、ビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録して調書の記録に代えられる(規則226条2項)
- 管轄は対象土地の所在地で見る
- 関係土地の所在地ではない
- 手続記録も対象土地の所在地を管轄する登記所(出張所であればその出張所)で保管する
- 却下
補正できる不備について筆界特定登記官が相当な期間を定めたときは、その期間内は不備を理由に却下できない(申請人の側から見れば、その間に補正して申請を生かせる) - 資料
申請人・関係人が書面で資料を出すときは写しを3部出し、原本は筆界特定登記官が必要と認めて求めたときに提示する - 関係人は申請人以外の対象土地・関係土地の所有権登記名義人等(法133条1項)
- 申請人でない共有者も関係人で、意見も資料も出せ、電磁的方法でも提出できる
- 抵当権者は入らない
- 提出先は筆界特定登記官で、意見や資料が出なくても筆界特定はできる
- 通知
- 申請があった旨の公告・関係人への通知も
- 筆界特定をした旨の申請人への通知・公告・関係人への通知も
- いずれも筆界特定登記官がする(申請人が自ら知らせるのではない)
- 特定の通知を発送した後は取り下げられない
- 筆界調査委員は専門的知識・経験を有する者から法務局・地方法務局の長が任命し(法127条。土地家屋調査士も含まれる)、事件ごとに指定する(134条)
- 事実の調査では、申請人・関係人のほか、その他の者からも知っている事実を聴取し資料の提出を求めることができる(法135条1項)
- 測量・実地調査は、あらかじめ通知して立ち会う機会を与えれば立会いがなくてもでき、調査を終えた意見は筆界特定登記官に提出する(法142条。申請人にはしない)
- 写しの交付
何人も、手数料を納付して筆界特定書等の写しの交付を請求できる(利害関係は要らない) - 効力
筆界確定訴訟の判決が確定したときは、筆界特定はその判決と抵触する範囲で効力を失う(法148条。全部が失効するのではない) - 筆界特定の結果に基づく地積の更正の登記や地図の訂正等の職権の措置は、筆界特定登記官に限られず、登記官もとることができる
- 筆界特定をしたときに筆界特定登記官がするのは、申請人と関係人に永続性のある境界標を設置する意義と重要性を説明すること
- 自ら境界標を設置する義務はない(平17.12.6民二2760号)
- 筆界特定の申請を取り下げたときに還付されるのは筆界特定添付書面で、申請書は還付されない(規則245条3項)
肢と結論
- H19-9-ア◯土地の所有権登記名義人等の申請に基づき、筆界特定登記官が当該土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置等を特定する制度です。(筆界特定制度に関する。 筆界特定制度とは、どのような制度ですか。)→ 筆界特定とは、対象土地とこれに隣接する土地について、筆界の現地における位置を特定することである。
- H20-12-ア◯筆界特定の申請情報に補正することができる不備があり、登記官が補正を認める相当な期間を定めたときは、その期間内に、当該補正すべき事項に係る不備を補正することができる。→ 筆界特定登記官が補正期間を定めたときは、その期間内は不備を理由に却下できない。
- H21-15-ア✕対象土地以外の土地であって、特定を求める筆界上の点を含む他の筆界で対象土地と接する土地の所在が、申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しない筆界特定の申請(次の筆界特定の申請は却下されるか)→ 管轄を見るのは対象土地の所在地であって、関係土地の所在地ではない。
- H25-18-ア◯筆界特定登記官は、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければなりません。(筆界特定に関する。筆界特定登記官によって筆界特定がされ、筆界特定書が書面をもって作成された場合に、筆界特定登記官が筆界特定をした後に行う手続に関する。)→ 筆界特定をしたときは、申請人への通知、公告、関係人への通知をしなければならない。
- H25-18-イ✕筆界特定書を含む筆界特定手続記録は、B出張所ではなく、A法務局において保管されます。(筆界特定に関する。 筆界特定の対象土地の所在地を管轄する登記所がA法務局のB出張所である場合において、筆界特定がされた後は、筆界特定書を含む筆界特定手続記録は、どこに保管されますか。)→ 筆界特定手続記録は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管される。
- H25-18-エ◯はい。何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定書の写しの交付を請求することができます。(筆界特定に関する。 筆界特定書が作成された場合においては、誰でも当該筆界特定書の写しの交付を請求することはできますか。)→ 何人も、手数料を納付して筆界特定書等の写しの交付を請求することができる。
- H26-19-ア◯筆界特定とは、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置を特定することをいい、その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定することをいう。→ 筆界特定の定義は法123条2号がそのまま定めている。
- H27-19-イ◯筆界調査委員は、職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命するものとされており、土地家屋調査士が任命されることもあります。(次の対話は、A所有の甲土地とB所有の乙土地との間の境界についての紛争が生じた事例に関する教授と学生との対話である 教授:次に、Aが筆界特定の申請をする場合について考えてみましょう。)→ 筆界調査委員は、専門的知識及び経験を有する者のうちから法務局又は地方法務局の長が任命する。
- H27-19-エ✕筆界特定の結果に基づき、職権で地積の更正の登記、地図の訂正等の措置をとることができるのは、筆界特定登記官に限られますので、筆界特定登記官でない登記官はそれらの措置をとることができません。(次の対話は、A所有の甲土地とB所有の乙土地との間の境界についての紛争が生じた事例に関する教授と学生との対話である 教授:では、甲土地と乙土地との間の筆界が特定された場合には、登記官は、その結果に基づき、職権で地積の更正の登記、地図の訂正等の措置をとることができますか。)→ 職権の措置は、筆界特定登記官に限られない。
- H28-18-ウ✕筆界特定の申請があった場合において、当該筆界特定の申請人及び関係人が筆界特定登記官に対し対象土地の筆界についての資料を書面で提出するときは、当該書面の原本を提出しなければならない。→ 資料は写しを3部。原本は求められたときに見せる。
- H28-18-エ◯筆界特定登記官が筆界特定書を作成し、筆界特定の申請人に対して筆界特定の通知を発送した後は、当該申請人は、筆界特定の申請を取り下げることができない。→ 筆界特定の通知を発送した後は、申請を取り下げられない。
- H28-18-オ✕筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、その全ての効力を失う。→ 失うのは、判決と抵触する範囲だけ。
- H29-19-ア✕筆界調査委員は、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定をも目的とするものであることに留意しなければならない。→ 筆界特定は、所有権の境界を特定するものではない。
- H29-19-イ◯筆界調査委員は、あらかじめ、筆界特定の申請人及び関係人に対し、対象土地の測量又は実地調査を行う旨並びにその日時及び場所を通知して、これに立ち会う機会を与えた場合には、当該申請人及び関係人が立会いをしないときであっても、当該筆界調査委員は、当該対象土地の測量又は実地調査をすることができる。→ 立ち会う機会を与えれば、立会いがなくても測量・実地調査ができる。
- H29-19-ウ✕筆界調査委員は、意見聴取等の期日に立ち会う場合には、筆界特定登記官の許可を得なくとも、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。→ 期日での質問には、筆界特定登記官の許可が要る。
- H29-19-エ◯筆界調査委員は、筆界特定のために、柵で囲まれた他人の占有する土地の実地調査をする場合において、当該土地の占有者の承諾があるときは、日出前であっても、当該土地に立ち入ることができる。→ 占有者の承諾があれば、日出前でも立ち入れる。
- H29-19-オ✕筆界特定の関係人は、筆界が特定されるまでの間は、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料を閲覧することはできない。→ 公告の時から通知がされるまでの間、調書と資料を閲覧できる。
- H30-19-ア✕筆界特定登記官は、申請人の地位の承継があった場合には、既に当該承継に係る申請人に係る意見聴取等の期日を開いたときであっても、改めて意見聴取等の期日を開かなければならない。→ 承継人について、改めて期日を開かなければならないとする定めはない。
- H30-19-イ◯意見聴取等の期日は、対象土地において開くことができる。→ 期日は、対象土地において開くことができる。
- H30-19-ウ✕申請人及び関係人に係る意見聴取等の期日は、同一の日時に申請人及び関係人を同席させて開くことはできない。→ 同席させて開くことを禁じる規定はない。
- H30-19-エ◯意見聴取等の期日における申請人、関係人又は参考人の陳述については、ビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録し、これをもって調書の記録に代えることができる。→ 陳述は記録用の媒体に記録し、調書の記録に代えることができる。
- H30-19-オ◯筆界特定登記官は、意見聴取等の期日において、対象土地の所有権の登記名義人であった者や対象土地周辺の宅地開発を行った者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。→ 適当と認める者に、参考人として事実を陳述させることができる。
- R2-18-ア◯筆界特定の申請人が、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出する場合、その提出を書面により行う必要はない。→ 意見や資料の提出は、電磁的方法でもできる。
- R2-18-イ◯対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合、申請人でない対象土地の他の共有者は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 申請人でない他の共有者は関係人。意見も資料も出せる。
- R2-18-ウ✕対象土地の抵当権の登記名義人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 関係人は所有権登記名義人等に限られる。抵当権者は入らない。
- R2-18-エ◯筆界特定登記官は、筆界特定の申請人が対象土地の筆界について意見又は資料を提出しない場合であっても、筆界特定をすることができる。→ 意見や資料が出なくても、筆界特定はできる。
- R3-19-エ✕甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた場合には、甲土地について設定されている抵当権の登記名義人は、筆界特定の申請人から提出された資料を閲覧することができる。→ 閲覧できるのは申請人と関係人。抵当権者はどちらでもない。
- R4-19-ア✕筆界特定の申請人は、筆界特定の申請後、遅滞なく、筆界特定の申請をした旨を関係人に自ら通知しなければならない。→ 関係人への通知は筆界特定登記官がする。申請人ではない。
- R4-19-ウ✕対象土地の所有権の登記名義人は、筆界特定の申請人でない場合であっても、筆界特定の手続における測量に要する費用の概算額の一部を予納しなければならない。→ 手続費用を負担するのは申請人。予納を命じられるのも申請人。
- R5-18-ア✕筆界調査委員が実地調査を行うために他人の土地に立ち入る場合において、当該土地の占有者がいないときは、あらかじめ土地の表題部所有者又は所有権登記名義人に通知をしなければならない。→ 通知の相手は占有者。表題部所有者や所有権登記名義人ではない。
- R5-18-イ✕筆界調査委員は、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了した場合には、申請人に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。→ 意見を出す相手は筆界特定登記官。申請人ではない。
- R5-18-エ◯筆界調査委員が筆界特定のために必要な事実の調査をする場合には、筆界調査委員は、申請人及び関係人以外のその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることができる。→ 申請人・関係人だけでなく、その他の者からも聴取できる。
- R5-18-オ◯筆界特定の手続における測量に要する費用は、申請人が負担する。→ 手続費用は申請人の負担。
- R7-16-ア◯対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合には、申請人でない対象土地の他の共有者は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 申請人でない他の共有者は関係人。意見も資料も出せる。
- R7-16-ウ✕筆界特定の関係人は、筆界が特定されるまでの間は、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料の閲覧を請求することができない。→ 公告があった時から通知がされるまでの間、閲覧を請求できる。
- R8-18-ア◯甲土地及び乙土地を対象土地とする筆界特定の申請をする場合において、その申請人が甲土地の所有権の登記名義人であるA及び乙土地の所有権の登記名義人であるBであるときは、A及びBは、等しい割合で手続費用を負担する。→ 一方の土地と他方の土地の名義人が一人ずつ申請したときは、手続費用は等分。
- R8-18-ウ✕筆界特定がされたときは、筆界特定登記官は、永続性のある境界標を設置しなければならない。→ 筆界特定登記官は、境界標を設置する意義を説明する。自ら設置する義務はない。
- R8-18-オ✕筆界特定書面申請の申請人が筆界特定の申請を取り下げたときは、その申請書及び添付書面は、申請人に還付される。→ 筆界特定の申請の取下げで還付されるのは添付書面。申請書は入らない。