取下げ・却下 × 手続と制度23肢
要点
- 取下げは登記が完了するまでできる
- 完了後は理由のいかんを問わずできず、線が引かれるのは登記の完了であって登記完了証の交付ではない(規則39条2項)
- 事前通知がされていても、不正な申請の疑いがあっても、完了前なら取り下げられる(不正の疑いは取下げの制限事由ではない)
- 一の申請情報で二以上の申請をしたときは、その一部だけを取り下げられる
- 取下げ・補正の方法は申請の方法に合わせる
- 電子申請の取下げは電子情報処理組織を使用して取下げの情報を提供する方法による(規則39条1項1号)ので書面の提出ではできず、電子申請の補正も電子情報処理組織による(規則60条2項)
- 却下
補正することができる不備は、登記官が定めた相当の期間内に補正すれば却下されない(法25条柱書ただし書)- 登記官の調査(法29条)の結果と合致しないときは却下で、筆界が確認できなければ地積も確かめられない(法25条11号)
- 却下の決定書は、電子申請でも書面で作成して交付する(申請の区分で方法を分ける登記完了証とは違う)
- 代理人によって申請されたときは代理人に交付すれば足りる(規則38条1項ただし書)
- 一の申請情報で二以上の登記の目的を申請し、一部にだけ却下事由があるときは、その分だけが却下され、全部が却下されるのではない(準則28条4項1号)
- 還付
取下げのときは申請書及びその添付書面(規則39条3項。代理権限証書を除く扱いはない)、却下のときは添付書面だけで申請書は還付されない(規則38条3項)- 偽造その他不正な登記の申請に用いられた疑いがある書面は還付しない
- 地図等の訂正の申出にも準用される(規則16条14項)ので、却下のときに申出書は戻らない
肢と結論
- H17-18-ア◯書面申請が却下されたときは、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面を除き、添付書面は還付される。→ 書面申請が却下されたときは添付書面が還付されるが、不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面は還付されない。
- H17-18-イ✕登記の申請がされた場合において、登記官が、当該登記の申請が不正な登記の申請であるとの疑いがあると認めたときは、申請人は、当該登記の申請を取り下げることができない。→ 申請の取下げができなくなるのは登記完了後であり、不正な申請の疑いがあることは取下げの制限事由とされていない。
- H17-18-ウ✕登記識別情報の提供を要する登記の申請がされた場合において、登記官が事前通知をしたときは、申請人は、登記名義人が当該事前通知に対して回答をするまでの間は、当該申請を取り下げることができない。→ 事前通知がされていても、登記が完了するまでは申請を取り下げることができる。
- H17-18-エ◯土地の分筆の登記及び当該分筆後の一の土地と他の土地との合筆の登記の申請を一の申請情報によってしたときでも、申請人は、合筆の登記の申請のみを取り下げることができる。→ 一の申請情報によって2以上の申請がされた場合には、その一部だけを取り下げることができる。
- H17-18-オ◯申請の取下げは、登記完了後は、することができない。→ 申請の取下げは、登記完了後はすることができない。
- H21-13-オ✕書面を提出する方法による地図訂正の申出について取り下げ又は却下があったときは、申出書及びその添付書面は、申請人に還付される。→ 却下のときに還付されるのは添付書面だけで、申出書は還付されない。
- H22-8-ア◯登記が完了した後は、理由のいかんを問わず、その申請を取り下げることができない。→ 申請の取下げは、登記完了後はすることができない。
- H22-8-ウ✕電子申請の方法によって行った登記の申請は、その申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によって、取り下げることができる。→ 電子申請の取下げは、電子情報処理組織を使用して取下げの情報を提供する方法による。
- H22-8-エ✕代理人が書面申請の方法によって行った登記の申請を取り下げた場合には、申請書及び代理権限証書を除いた添付書面が還付される。→ 還付されるのは申請書及びその添付書面であり、代理権限証書を除く扱いはされていない。
- H22-8-オ◯一の申請情報により二以上の登記の申請を行った場合であっても、そのうちの一部の申請を取り下げることができる。→ 一の申請情報による2以上の申請について、その一部だけを取り下げることができる。
- H29-10-ア◯電子申請の方法による登記の申請の取下げは、電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法によってしなければならない。→ 電子申請の取下げは、電子情報処理組織を使って取下げの情報を提供する。
- H29-10-イ✕登記官が登記を完了した後であっても、登記完了証が交付されるまでの間は、登記の申請の取下げをすることができる。→ 登記が完了した後は、取り下げられない。
- H29-10-エ✕書面申請の方法による登記の申請が却下されたときは、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面を除き、申請書及びその添付書面はいずれも還付される。→ 却下のときに還付されるのは添付書面。申請書は還付されない。
- H29-10-オ✕委任による代理人によってされた登記の申請が却下されるときであっても、却下決定書は、当該登記の申請人に交付され、当該代理人に交付されることはない。→ 代理人によって申請されたときは、代理人に交付すれば足りる。
- H30-4-オ◯電子申請をした土地の地目に関する変更の登記の申請情報に補正することができる不備がある場合において、登記官が定めた相当の期間内に当該登記の申請人がその不備を補正するときは、当該登記の申請人は、電子情報処理組織を使用する方法により当該申請情報の補正をしなければならない。→ 補正の方法は、申請の方法に合わせる。
- R1-17-エ✕地図に準ずる図面に表示された土地の形状に誤りがあるとして書面を提出する方法により地図等の訂正の申出をした場合において、その申出を取り下げたとき又は申出が却下されたときは、当該申出に係る申出書及びその添付書面は申出人に還付される。→ 却下のときに還付されるのは添付書面。申出書は還付されない。
- R3-4-オ✕当該申請の取下げは、その申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によってすることができます。(調査士:電子申請の方法により土地の合筆の登記の申請をした場合において、その後、当該申請を取り下げるときは、当該申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によってすることができますか。)→ 電子申請の取下げは、電子情報処理組織を使用してする。
- R3-6-ア✕一の申請情報によって二以上の登記の目的に係る登記の申請がされた場合において、当該登記の申請のうち一の登記の目的に係る申請についてのみ却下すべき事由があるときは、当該登記の申請の全部が却下される。→ 却下されるのは、事由のある登記の目的の分だけ。全部ではない。
- R3-6-イ◯地積に関する更正の登記の申請について、登記官による調査の結果、当該申請に係る土地の筆界を確認することができない場合には、当該登記の申請は却下される。→ 調査の結果と合致しないときは却下。筆界が確認できなければ地積も確かめられない。
- R3-6-エ◯登記の申請に不備があっても、その内容が補正することができるものであり、登記官が定めた相当の期間内に申請人がこれを補正したときは、当該登記の申請は却下されない。→ 相当の期間内に補正すれば却下されない。
- R3-6-オ✕電子申請の方法によってされた登記の申請を却下するときは、その決定書は電磁的記録をもって作成される。→ 却下の決定書は書面で作成して交付する。電子申請でも同じ。
- R8-5-イ✕委任による代理人によってされた登記の申請が却下される場合におけるその決定書は、当該登記の申請人に交付され、当該代理人に交付されることはない。→ 代理人によって申請されたときは、代理人に交付すれば足りる。
- R8-5-ウ◯地積に関する更正の登記の申請について、登記官による調査の結果として、当該申請に係る土地の筆界を確認することができない場合には、当該登記の申請は、却下される。→ 調査の結果と合致しないときは却下。筆界が確認できなければ地積も確かめられない。
取下げ・却下の他の問われ方: 何を添付するか(4)