筆界特定(申請から筆界特定書まで)
筆界特定は、一筆の土地とこれに隣接する他の土地について、筆界の現地における位置を筆界特定登記官が特定する手続(法123条2号)。
- 筆界は、表題登記がある一筆の土地と隣接する土地との間で、登記された時に境を構成するものとされた二以上の点とこれらを結ぶ直線(1号)で、所有権の境界とは別物
- 手続は、所有権登記名義人等の申請、公告と関係人への通知、筆界調査委員の測量・実地調査、意見聴取等の期日、筆界特定書の作成と通知、という流れで進む
- 特定された筆界は登記官を拘束せず、筆界確定訴訟の判決と抵触する範囲で効力を失う(法148条)
- 出題は、誰が申請できるか、どんなときに却下されるか、手続の各段階で誰が何をするか、の三つに集中する
この項目で問われること
申請人の範囲、却下事由(既に筆界特定がある、判決が確定している、筆界がない)、申請情報の中身、手続の流れ(公告と通知、関係人、意見・資料、筆界調査委員、測量の立会い、期日と閲覧、立入調査、費用、取下げの時期、記録の保管と写しの交付)、効果(判決と抵触する範囲で失効、所有権界は決めない、審査請求の対象にならない)。
誰が申請できるか
対象土地の所有権登記名義人等(所有権の登記名義人、表題部所有者、表題登記がない土地なら所有者、これらの相続人その他の一般承継人。法131条1項)。
- 一筆の土地の一部の所有権を取得した者も申請でき(先例)、地方公共団体も所有権登記名義人等のいずれかの同意を得て、地図に表示されない筆界について申請できる(2項)
- 抵当権者や仮登記の名義人は申請できず、意見・資料を出せる関係人にも入らない
却下事由の読み方(法132条1項)
出題は6号と7号に集中する。
- 6号は「筆界確定訴訟の判決が確定しているとき」(訴えを不適法として却下した判決は除く)で、訴えが提起されただけ・係属中では却下されない
- 所有権確認の判決は筆界を決めないので却下事由にならない
- 7号は「既に筆界特定がされているとき」だが、更に筆界特定をする特段の必要があれば却下されない
- ほかに、対象土地の所在地が管轄外(1号。関係土地ではなく対象土地で見る)、権限のない者の申請(2号。抵当権者・仮登記名義人)、所有権の境界の特定など筆界特定以外を目的とする申請(5号)、手数料の不納付(8号)
- 別の理由として、いずれも表題登記がない土地同士の間には筆界がなく(法123条1号)、その申請も却下される
- 補正できる不備は、筆界特定登記官が定めた期間内に補正すれば却下されない
- 却下は登記官の処分とみなされ、審査請求できる
手続の流れ
| 段階 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 申請 | 対象土地の所在地を管轄する法務局・地方法務局へ。手数料を納付。対象土地の一を共通にする複数の申請は一の申請情報でできる | 法131条、規則208条 |
| 公告・通知 | 筆界特定登記官が遅滞なく公告し、関係人(申請人以外の対象土地の所有権登記名義人等、関係土地の所有権登記名義人等)に通知する。通知するのは登記官で申請人ではない。抵当権者は関係人に入らない | 法133条 |
| 意見・資料 | 申請人と関係人は筆界特定登記官に意見・資料を出せる(相手は登記官)。出なくても筆界特定はできる。資料は写しを出し、原本は求められたときに見せる | 法139条 |
| 調査 | 筆界調査委員(専門的知識・経験を有する者から法務局・地方法務局の長が任命し、事件ごとに指定する。法127条・134条)が測量・実地調査。申請人・関係人に立ち会う機会を与えれば、立会いがなくてもできる | 法134条・136条 |
| 特定と通知 | 筆界特定書の写しの交付で申請人に通知し、公告し、関係人に通知する。この通知を発送した後は申請を取り下げられない | 法144条 |
| 記録 | 筆界特定手続記録は対象土地の所在地を管轄する登記所で保管。何人も手数料を納付して筆界特定書等の写しの交付を請求できる | 法145条・149条 |
期日・閲覧・立入調査・費用
意見聴取等の期日は対象土地の所在地で開ける。
- 参考人を呼べ、申請人・関係人が参考人に質問するには筆界特定登記官の許可が要る
- 調書と提出資料の閲覧は公告の時から筆界特定の通知までの間で、閲覧できるのは申請人と関係人(抵当権者は不可)
筆界調査委員の立入調査は占有者に通知してからで、日出前・日没後は占有者の承諾があれば立ち入れる。
- 手続費用は申請人の負担で、予納を命じられるのも申請人
- 申請人が死亡したら相続人がその地位を承継し、改めて期日を開く定めはない
筆界特定どう認定するか
- 筆界特定は所有権の境界(所有権界)を特定するものではない
- 筆界確定訴訟の判決が確定したときは、筆界特定はその判決と抵触する範囲で効力を失う(法148条。全部が失効するのではない)
- 判決の示す筆界は公的なもので登記官にも効力が及ぶ
- 筆界は二以上の点とこれらを結ぶ直線
- 一点でしか接していない土地との間には筆界がない
- 接していない二筆(甲と丙)を対象土地にすることもできない
この項目の肢(5)
- H20-7-エ◯裁判官が、過去に形成された筆界を探し出したもの、又は探求してもなお不明の場合に裁判官により再形成されるものです。この判決によって示される筆界は公的な存在ですので、この判決は登記官等の第三者にも効力が及びます。→ 判決の示す筆界は公的なもので、登記官にも効力が及ぶ。
- H28-18-オ✕筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、その全ての効力を失う。→ 失うのは、判決と抵触する範囲だけ。
- H29-19-ア✕筆界調査委員は、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定をも目的とするものであることに留意しなければならない。→ 筆界特定は、所有権の境界を特定するものではない。
- H22-10-ア◯甲土地の所有者は、甲土地と一点のみで接している乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることはできない。→ 筆界は二以上の点とこれらを結ぶ直線であり、一点でしか接していない土地との間には筆界がない。
- H24-10-イ◯甲土地の所有権の登記名義人であるAから甲土地の公有水面側の一部を譲り受けたBは、甲土地及び丙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることはできない。→ 筆界は隣接する土地の間の線。甲土地と丙土地は接していないので、両者を対象土地にはできない。
筆界特定できるか、できないか
- 一筆の一部の取得原因は時効取得でもよく、取得部分が隣地と接している必要もない
- 所有権確認の判決は筆界を決めないので、それがあっても筆界特定を申請できる
- 既に筆界特定がされている筆界
- 原則却下(7号)だが
- 更に筆界特定をする特段の必要があれば却下されず
- 申請できる
- 筆界確定訴訟
判決が確定しているときだけ却下(6号)- 訴えが提起された・係属中というだけでは却下されず、申請できる
- 所有権確認の判決は筆界を決めないので却下事由にならない
- 筆界がない
筆界は表題登記がある一筆の土地と隣接地の間の線- いずれも表題登記がない土地(無地番地)同士の境は筆界ではなく、その申請は却下される
この項目の肢(15)
- H22-10-イ✕甲土地と隣接している乙土地のうち、甲土地と隣接していない部分を時効取得した者は、甲土地を対象土地として筆界特定の申請をすることはできない。→ 時効取得でもよく、取得部分が甲土地と隣接している必要もない。
- H24-10-オ◯甲土地を所有するAが、隣接する乙土地を所有するFに対し、Aが所有する範囲について所有権の確認の訴えを提起し、その判決が確定した場合であっても、Aは、甲土地及び乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 却下事由になるのは筆界確定訴訟の判決の確定。所有権確認の判決は筆界を決めないので、申請できる。
- H19-9-エ✕新たな所有権の登記名義人は、筆界特定の申請をすることができます。→ 既に筆界特定がされている筆界についての申請は、特段の必要がない限り却下される。
- H21-15-イ✕筆界の確定を求める裁判において係争中の筆界についてする筆界特定の申請→ 却下されるのは判決が確定しているときであり、係争中は却下事由にならない。
- H21-15-ウ◯表題登記のない道路と、これに接する同じく表題登記のない水路との境についてする筆界特定の申請→ いずれも表題登記がない土地の間には筆界が存在しないので、申請は却下される。
- H22-10-エ◯甲土地と乙土地の筆界について既に甲土地の所有者を申請人とする筆界特定登記官による筆界特定がされていた場合であっても、その資料となった文書が偽造されたものであることが判明したときは、乙土地の所有者は、改めて甲土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 既に筆界特定がされていても、更に筆界特定をする特段の必要があれば却下されない。
- H22-10-オ✕甲土地と乙土地の筆界について、甲土地の所有者が民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えを提起し、当該訴えが裁判所に係属しているときは、乙土地の所有者は、筆界特定の申請をすることはできない。→ 却下事由になるのは筆界確定の判決が確定しているときであり、訴訟が係属しているだけでは足りない。
- H24-10-ア✕甲土地と乙土地との筆界について既に筆界特定登記官による筆界特定がされている場合においては、当該筆界特定の資料となった文書が偽造されたものであったときでも、甲土地の所有権の登記名義人であるAは、甲土地及び乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることはできない。→ 既に筆界特定があっても、更に特定をする特段の必要があれば申請できる。
- H24-10-エ✕無地番の丁水路を所有するD市は、丁水路及び隣接するE市が所有する無地番の戊道路を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 筆界は表題登記がある土地との間の線。無地番の土地同士の境は筆界ではない。
- H26-19-イ◯対象土地の筆界について、民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された場合であっても、当該訴えに係る判決が確定する前であれば、当該筆界についてされた筆界特定の申請は却下されない。→ 却下事由は判決が確定しているときであって、訴えが提起されただけでは却下されない。
- H27-19-オ✕筆界確定訴訟は、登記所の手続とは別個のものですので、Aが甲土地と乙土地との間の筆界について筆界確定訴訟の確定判決を得た場合であっても、Bは、甲土地と乙土地との間の筆界について、別途、筆界特定の申請をすることができます。→ 筆界確定訴訟の判決が確定しているときは、筆界特定の申請は却下される。
- R4-19-イ✕既に筆界特定がされている土地の筆界について更に筆界特定の申請がされた場合には、既にされた筆界特定の内容に明白かつ重大な誤りがあったとしても、筆界特定登記官は、当該申請を却下しなければならない。→ 既に筆界特定がされていても、特段の必要があれば却下しない。
- R6-19-オ✕筆界特定の申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟が係属している場合には、当該筆界について筆界特定の申請をすることができない。→ 却下事由は判決が確定しているとき。訴訟が係属中なら申請できる。
- R7-16-イ✕甲土地を所有するAが、隣接する乙土地を所有するBに対し、Aが所有する範囲について所有権の確認の訴えを提起し、その判決が確定した場合には、Aは、甲土地及び乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができない。→ 却下事由は筆界の確定を求める訴えの判決。所有権の確認の判決ではない。
- R7-16-オ◯甲土地と乙土地の筆界について既に甲土地の所有者を申請人とする筆界特定登記官による筆界特定がされていた場合であっても、当該筆界特定登記官が当該申請人の叔父であったという事情が判明したときは、乙土地の所有者は、改めて甲土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 既に筆界特定がされていても、特段の必要があれば却下されない。
筆界特定誰が申請できるか
- 申請人が死亡したときは相続人が地位を承継し、地位承継の申出があれば手続を進めてよく、申請は却下されない
- 一筆の土地の一部の所有権を取得した者も申請でき、取得部分が対象の筆界に接している必要はない
- 申請できるのは「所有権登記名義人等」(表題部所有者、所有権の登記名義人、表題登記がない土地の所有者、その一般承継人。法123条5号)
- 一筆の土地の一部の所有権を取得した者も申請できる(先例。取得部分が対象の筆界に接しているかは問わない)
- 仮登記名義人、抵当権者、登記名義がまだ前主にある買主は不可
- 代位の仕組みもない
- 申請人が死亡すれば相続人が地位を承継して手続は続く
- 「却下されるものはどれか」型の問い: 抵当権者の申請、所有権の仮登記名義人の申請は権限のない者の申請として却下(法132条1項2号)
- 一筆の一部を取得した者(対象の筆界に接していなくてよい)、表題部所有者の相続人の申請は却下されない
この項目の肢(13)
- H21-15-オ✕一筆の土地の一部の所有権を取得した者が、取得した部分以外の土地部分の筆界についてする筆界特定の申請→ 取得した部分が対象の筆界に接している必要はない。申請できる。
- H26-19-オ◯筆界特定の申請をした後、その手続中に申請人が死亡したときは、申請人の相続人が申請人の地位を承継したものとして、筆界特定の手続を進めることができる。→ 申請人が死亡したときは、相続人が地位を承継したものとして手続を進める。
- R3-19-イ✕甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた後、筆界特定がされる前に甲土地が売却され、当該売買を登記原因とする所有権の移転の登記により新たに甲土地の所有権の登記名義人になった者がいる場合には、当該者から当該筆界特定の申請人の地位を承継する申出があったとしても、当該筆界特定の申請は却下される。→ 地位承継の申出があれば、手続を進めてよい。却下されない。
- H19-9-イ✕いずれも申請することができます。→ 表題部所有者の相続人は申請できるが、所有権の仮登記名義人は申請できない。
- H19-9-ウ✕所有権登記名義人から土地の全部を譲り受けた者も、代位原因を証する情報を提供して代位申請をすることができます。→ 申請できるのは所有権登記名義人等と一筆の土地の一部の所有権を取得した者。代位の仕組みはない。
- H21-15-エ◯対象土地の抵当権者がする筆界特定の申請→ 抵当権者は所有権登記名義人等に当たらないので、その申請は却下される。
- H22-10-ウ✕甲土地の所有権移転の仮登記の登記名義人は、隣接する乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 筆界特定を申請できるのは所有権登記名義人等であり、仮登記の登記名義人は含まれない。
- H24-10-ウ✕甲土地について登記された抵当権の登記名義人であるCは、甲土地及び乙土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができる。→ 申請できるのは所有権登記名義人等。抵当権者は含まれない。
- H26-19-ウ✕甲土地の所有権の登記名義人の相続人は、相続により甲土地の所有権を取得したとしても、甲土地について相続を原因とする所有権の移転の登記がされなければ、甲土地を対象土地とする筆界特定の申請をすることができない。→ 所有権登記名義人等には相続人その他の一般承継人が含まれ、相続の登記は要件ではない。
- H26-19-エ✕甲土地の一部の所有権を取得したAは、甲土地の所有権の登記名義人であるBに代位しなければ、甲土地を対象土地とする筆界特定の申請をすることができない。→ 一筆の土地の一部の所有権を取得した者は、自ら筆界特定の申請をすることができる。
- R3-19-ア✕甲土地の所有権の登記名義人から売買により甲土地の所有権の全部を取得した者は、当該売買を登記原因とする所有権の移転の登記がされていない場合であっても、当該所有権を取得したことを証する情報を提供することにより、甲土地とこれに隣接する乙土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。→ 申請できるのは所有権登記名義人等。登記名義がまだ前主にあるなら当たらない。
- R3-19-オ◯表題登記がある甲土地の表題部所有者は、甲土地とこれに隣接する乙土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。→ 所有権の登記がない土地では、表題部所有者が所有権登記名義人等に当たる。
- R6-19-ウ✕表題登記がある甲土地に隣接する表題登記のある乙土地の一部の所有権を時効取得した者は、当該乙土地の一部が甲土地と隣接していない場合には、甲土地を対象土地として筆界特定の申請をすることができない。→ 一筆の土地の一部の所有権を取得した者も申請できる。接しているかどうかは問わない。
筆界特定まとめて申請できるか
- 対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報でできる(規則208条)
筆界特定何を添付するか
- 関係人の相続人は、相続の登記をしていなくても相続を証する情報を提供して期日に出席できる
- 表題登記がない土地の所有者は所有権を有することを証する情報を出す
- 提出した資料は原則として原本の還付を受けられる
- 関係人の相続人は相続の登記をしていなくても相続を証する情報で足りる
この項目の肢(4)
- R3-19-ウ◯甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた後、意見聴取等の期日前に、関係土地の所有権の登記名義人が死亡した場合には、当該所有権の登記名義人の相続人は、関係土地について相続を原因とする所有権の移転の登記をすることなく、相続を証する情報を提供して当該意見聴取等の期日に出席することができる。→ 相続の登記をしていなくても、相続を証する情報で足りる。
- H21-12-オ✕筆界特定の申請をするに当たって添付する書面は、原本の還付を請求することができない。→ 筆界特定の申請の添付書面は、原則として原本の還付を受けることができる。
- R6-19-イ◯表題登記がない甲土地の所有者が、甲土地とこれに隣接する表題登記がある乙土地との間の筆界について筆界特定の申請をする場合には、甲土地の所有者は、甲土地の所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。→ 表題登記がない土地の所有者は、所有権を有することを証する情報を出す。
- R7-16-エ◯筆界特定の申請人は、書面申請の方法により筆界特定の申請をする際に対象土地の所有権を有することを証する書面として売買契約書の原本を添付したときは、当該売買契約書の原本の還付を請求することができる。→ 提出した資料の還付を請求できる。
筆界特定申請情報と記録のしかた
- 筆界特定がされた旨の記録は、分筆のとき権利に関する登記と同じく乙土地に転写される
- 明らかにするのは、申請の趣旨、申請人、対象土地、筆界特定を必要とする理由(申請に至る経緯その他の具体的な事情。規則207条1項)
- 筆界確定訴訟が係属しているときは、その旨と事件を特定するに足りる事項も申請情報の内容とする(規則207条3項7号)
この項目の肢(4)
- R5-9-オ◯甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、甲土地に筆界特定がされた旨の記録があるときは、当該記録は、乙土地の登記記録に転写される。→ 筆界特定がされた旨の記録も、権利に関する登記と同じく乙土地に転写される。
- H20-12-ウ◯筆界特定の申請情報の内容である対象土地について筆界特定を必要とする理由は、例えば、工作物等の設置の際、隣接地所有者と筆界の位置につき意見の対立が生じた等の具体的な事情を明らかにしなければならない。→ 筆界特定を必要とする理由として明らかにすべきものは、申請に至る経緯その他の具体的な事情である。
- H20-12-オ◯筆界特定の申請に係る筆界についていわゆる筆界確定訴訟が係属している場合には、当該事件を特定するに足りる事項を筆界特定の申請情報の内容として申請しなければならない。→ 筆界確定訴訟が係属しているときは、その旨と事件を特定するに足りる事項を申請情報の内容とする。
- R4-19-エ◯筆界特定の申請は、申請の趣旨を明らかにしてしなければならない。→ 申請の趣旨は、申請で明らかにすべき事項の一つ。
筆界特定手続と制度
- 意見聴取等の期日
対象土地において開くことができる- 申請人・関係人のほか、その他の者からも事実を聴取でき、適当と認める者に参考人として事実を陳述させることができる
- 申請人・関係人が期日で質問するには筆界特定登記官の許可が要る
- 同席させて開くことを禁じる規定はない
- 閲覧
- 申請人と関係人は
- 公告があった時から筆界特定の通知がされるまでの間
- 調書と提出された資料の閲覧を請求できる
- 抵当権者は申請人でも関係人でもないので閲覧できない
- 申請人でない共有者は関係人で、意見も資料も出せ、電磁的方法でも提出できる
- 立入調査(法137条): 立ち入らせるときはあらかじめ日時・場所を土地の占有者に通知する(表題部所有者・所有権登記名義人ではない)
- 宅地や垣・さくで囲まれた他人の占有する土地には、日出前・日没後は占有者の承諾がなければ立ち入れない(4項)
- 費用
手続費用(測量費用など)は申請人の負担- 予納を命じられるのも申請人
- 承継
申請人が死亡したときは相続人が地位を承継したものとして手続を進める- 承継人について改めて期日を開かなければならないとする定めはない
- 意見聴取等の期日の陳述はビデオテープ等の記録用の媒体に記録して調書の記録に代えられる
- 管轄は対象土地の所在地で見る
- 関係土地の所在地ではない
- 手続記録も対象土地の所在地を管轄する登記所で保管する
- 却下
補正できる不備は、筆界特定登記官が定めた期間内は却下できない- 却下は登記官の処分とみなされ、審査請求できる
- 申請情報の作り方
現地の状況や主張する線は図面を利用する等の方法で明示する(図面によることが義務づけられているわけではない)- 他人(申請人以外の対象土地の所有権登記名義人等)が主張する線を書くのは対象土地の分で、関係土地の分ではない
- 資料は写しを3部出し、原本は求められたときに提示する
- 関係人は申請人以外の対象土地・関係土地の所有権登記名義人等
- 申請人でない共有者も関係人で、意見も資料も出せる
- 抵当権者は入らない
- 意見・資料の提出先は筆界特定登記官で、申請人ではない
- 出なくても筆界特定はできる
- 通知
- 申請があった旨の公告・関係人への通知
- 筆界特定をした旨の申請人への通知・公告・関係人への通知は
- いずれも筆界特定登記官がする
- 特定の通知を発送した後は取り下げられない
- 筆界調査委員は専門的知識・経験を有する者から法務局・地方法務局の長が任命し(法127条)、事件ごとに指定する(134条)
- 測量・実地調査は、立ち会う機会を与えれば立会いがなくてもできる
- 写しの交付
何人も手数料を納付して筆界特定書等の写しの交付を請求できる
この項目の肢(33)
- H29-19-ウ✕筆界調査委員は、意見聴取等の期日に立ち会う場合には、筆界特定登記官の許可を得なくとも、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。→ 期日での質問には、筆界特定登記官の許可が要る。
- H29-19-エ◯筆界調査委員は、筆界特定のために、柵で囲まれた他人の占有する土地の実地調査をする場合において、当該土地の占有者の承諾があるときは、日出前であっても、当該土地に立ち入ることができる。→ 占有者の承諾があれば、日出前でも立ち入れる。
- H29-19-オ✕筆界特定の関係人は、筆界が特定されるまでの間は、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料を閲覧することはできない。→ 公告の時から通知がされるまでの間、調書と資料を閲覧できる。
- H30-19-ア✕筆界特定登記官は、申請人の地位の承継があった場合には、既に当該承継に係る申請人に係る意見聴取等の期日を開いたときであっても、改めて意見聴取等の期日を開かなければならない。→ 承継人について、改めて期日を開かなければならないとする定めはない。
- H30-19-イ◯意見聴取等の期日は、対象土地において開くことができる。→ 期日は、対象土地において開くことができる。
- H30-19-ウ✕申請人及び関係人に係る意見聴取等の期日は、同一の日時に申請人及び関係人を同席させて開くことはできない。→ 同席させて開くことを禁じる規定はない。
- H30-19-オ◯筆界特定登記官は、意見聴取等の期日において、対象土地の所有権の登記名義人であった者や対象土地周辺の宅地開発を行った者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。→ 適当と認める者に、参考人として事実を陳述させることができる。
- R2-18-ア◯筆界特定の申請人が、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出する場合、その提出を書面により行う必要はない。→ 意見や資料の提出は、電磁的方法でもできる。
- R3-19-エ✕甲土地とこれに隣接する乙土地とを対象土地とする筆界特定の申請がされた場合には、甲土地について設定されている抵当権の登記名義人は、筆界特定の申請人から提出された資料を閲覧することができる。→ 閲覧できるのは申請人と関係人。抵当権者はどちらでもない。
- R4-19-ウ✕対象土地の所有権の登記名義人は、筆界特定の申請人でない場合であっても、筆界特定の手続における測量に要する費用の概算額の一部を予納しなければならない。→ 手続費用を負担するのは申請人。予納を命じられるのも申請人。
- R5-18-ア✕筆界調査委員が実地調査を行うために他人の土地に立ち入る場合において、当該土地の占有者がいないときは、あらかじめ土地の表題部所有者又は所有権登記名義人に通知をしなければならない。→ 通知の相手は占有者。表題部所有者や所有権登記名義人ではない。
- R5-18-エ◯筆界調査委員が筆界特定のために必要な事実の調査をする場合には、筆界調査委員は、申請人及び関係人以外のその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることができる。→ 申請人・関係人だけでなく、その他の者からも聴取できる。
- R5-18-オ◯筆界特定の手続における測量に要する費用は、申請人が負担する。→ 手続費用は申請人の負担。
- R7-16-ア◯対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合には、申請人でない対象土地の他の共有者は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 申請人でない他の共有者は関係人。意見も資料も出せる。
- R7-16-ウ✕筆界特定の関係人は、筆界が特定されるまでの間は、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料の閲覧を請求することができない。→ 公告があった時から通知がされるまでの間、閲覧を請求できる。
- H30-19-エ◯意見聴取等の期日における申請人、関係人又は参考人の陳述については、ビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録し、これをもって調書の記録に代えることができる。→ 陳述は記録用の媒体に記録し、調書の記録に代えることができる。
- H20-12-ア◯筆界特定の申請情報に補正することができる不備があり、登記官が補正を認める相当な期間を定めたときは、その期間内に、当該補正すべき事項に係る不備を補正することができる。→ 筆界特定登記官が補正期間を定めたときは、その期間内は不備を理由に却下できない。
- H20-12-イ✕筆界特定の申請情報の内容である工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況については、図面によりその内容を明らかにして申請しなければならない。→ 図面を利用する等の方法でよく、図面によることが義務づけられているわけではない。
- H20-12-エ✕筆界特定の申請が却下された場合、その申請人は、筆界特定登記官の当該却下処分に対し、審査請求をすることができない。→ 筆界特定の申請の却下は登記官の処分とみなされるので、審査請求をすることができる。
- H21-15-ア✕対象土地以外の土地であって、特定を求める筆界上の点を含む他の筆界で対象土地と接する土地の所在が、申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しない筆界特定の申請→ 管轄を見るのは対象土地の所在地であって、関係土地の所在地ではない。
- H25-18-ア◯筆界特定登記官は、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければなりません。→ 筆界特定をしたときは、申請人への通知、公告、関係人への通知をしなければならない。
- H25-18-イ✕筆界特定書を含む筆界特定手続記録は、B出張所ではなく、A法務局において保管されます。→ 筆界特定手続記録は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管される。
- H25-18-エ◯はい。何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定書の写しの交付を請求することができます。→ 何人も、手数料を納付して筆界特定書等の写しの交付を請求することができる。
- H27-19-イ◯筆界調査委員は、職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命するものとされており、土地家屋調査士が任命されることもあります。→ 筆界調査委員は、専門的知識及び経験を有する者のうちから法務局又は地方法務局の長が任命する。
- H28-18-イ✕筆界特定の申請をする場合において、関係土地の所有者が筆界として特定の線を主張しているときは、その線を筆界特定申請情報の内容としなければならない。→ 他人の主張する線を書くのは、対象土地の所有権登記名義人等のとき。関係土地ではない。
- H28-18-ウ✕筆界特定の申請があった場合において、当該筆界特定の申請人及び関係人が筆界特定登記官に対し対象土地の筆界についての資料を書面で提出するときは、当該書面の原本を提出しなければならない。→ 資料は写しを3部。原本は求められたときに見せる。
- H28-18-エ◯筆界特定登記官が筆界特定書を作成し、筆界特定の申請人に対して筆界特定の通知を発送した後は、当該申請人は、筆界特定の申請を取り下げることができない。→ 筆界特定の通知を発送した後は、申請を取り下げられない。
- H29-19-イ◯筆界調査委員は、あらかじめ、筆界特定の申請人及び関係人に対し、対象土地の測量又は実地調査を行う旨並びにその日時及び場所を通知して、これに立ち会う機会を与えた場合には、当該申請人及び関係人が立会いをしないときであっても、当該筆界調査委員は、当該対象土地の測量又は実地調査をすることができる。→ 立ち会う機会を与えれば、立会いがなくても測量・実地調査ができる。
- R2-18-ウ✕対象土地の抵当権の登記名義人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 関係人は所有権登記名義人等に限られる。抵当権者は入らない。
- R2-18-エ◯筆界特定登記官は、筆界特定の申請人が対象土地の筆界について意見又は資料を提出しない場合であっても、筆界特定をすることができる。→ 意見や資料が出なくても、筆界特定はできる。
- R4-19-ア✕筆界特定の申請人は、筆界特定の申請後、遅滞なく、筆界特定の申請をした旨を関係人に自ら通知しなければならない。→ 関係人への通知は筆界特定登記官がする。申請人ではない。
- R5-18-イ✕筆界調査委員は、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了した場合には、申請人に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。→ 意見を出す相手は筆界特定登記官。申請人ではない。
- R2-18-イ◯対象土地の共有者の一人が筆界特定の申請人である場合、申請人でない対象土地の他の共有者は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について意見又は資料を提出することができる。→ 申請人でない他の共有者は関係人。意見も資料も出せる。
根拠
不動産登記法第123条定義
この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1号筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
2号筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
3号対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
4号関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
5号所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。
不動産登記法第131条筆界特定の申請
1項土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。
2項地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。
3項1号申請の趣旨
3項2号筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所
3項3号対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項)
3項4号対象土地について筆界特定を必要とする理由
3項5号前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
4項筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
5項第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。
不動産登記法第132条申請の却下
筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
1項1号対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。
1項2号申請の権限を有しない者の申請によるとき。
1項3号申請が前条第三項の規定に違反するとき。
1項4号筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。
1項5号申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
1項6号対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。
1項7号対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。
1項8号手数料を納付しないとき。
1項9号第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。
2項前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。
不動産登記法第133条筆界特定の申請の通知
筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。
1項1号対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの
1項2号関係土地の所有権登記名義人等
2項1号関係人の氏名又は名称
2項2号通知をすべき事項
2項3号前号の事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨
不動産登記法第136条測量及び実地調査
1項筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。
2項第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
不動産登記法第139条意見又は資料の提出
1項筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
2項前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。
不動産登記法第144条筆界特定の通知等
1項筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。
2項第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
不動産登記法第145条筆界特定手続記録の保管
1項前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。
不動産登記法第149条筆界特定書等の写しの交付等
1項何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。
2項何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。
3項第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。
不動産登記規則第207条筆界特定申請情報
1項法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。
2項1号筆界特定の申請人(以下この章において単に「申請人」という。)が法人であるときは、その代表者の氏名
2項2号代理人によって筆界特定の申請をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
2項3号申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所
2項4号申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、その旨
2項5号申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その旨
2項6号対象土地が表題登記がない土地であるときは、当該土地を特定するに足りる事項
2項7号工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況
3項1号申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先
3項2号関係土地に係る不動産所在事項又は不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項)
3項3号関係人の氏名又は名称及び住所その他の連絡先
3項4号工作物、囲障又は境界標の有無その他の関係土地の状況
3項5号申請人が対象土地の筆界として特定の線を主張するときは、その線及びその根拠
3項6号対象土地の所有権登記名義人等であって申請人以外のものが対象土地の筆界として特定の線を主張しているときは、その線
3項7号申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項
3項8号筆界特定添付情報の表示
3項9号法第百三十九条第一項の規定により提出する意見又は資料があるときは、その表示
3項10号筆界特定の申請の年月日
3項11号法務局又は地方法務局の表示
4項第二項第六号及び第七号並びに前項第二号(表題登記がない土地を特定するに足りる事項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までに掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするに当たっては、図面を利用する等の方法により、現地の状況及び筆界として主張されている線の位置を具体的に明示するものとする。
不動産登記規則第208条一の申請情報による複数の申請
1項対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。
不動産登記法第137条立入調査
1項法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。
2項法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。
3項第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
4項日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。
5項土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
6項第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
7項国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。