登記識別情報 × 何を添付するか20肢
要点
- 表示に関する登記で登記識別情報が要るのは、所有権の登記がある土地の合筆、建物の合併、合体(法22条・令8条)
- 分筆・分割・区分には要らない
- 官公署が嘱託するときは提供しない(法16条2項)
- 合筆・合併・合体では、合筆・合併に係る不動産のうちいずれか一つの登記識別情報で足りる(令8条2項。合体は登記名義人が同一のとき)
- 省略できる単位は「土地(建物)」であって「登記名義人」ではなく、選んだ一筆については申請人となる者全員分が要る
- 分筆では新たに登記名義人となる者がいないので登記識別情報は通知されない
- 分筆後の乙土地を丙土地に合筆するときに提供するのは、甲土地について通知されたものである
- 提供できない正当な理由には失念も含まれる(準則42条1項3号)
- 申請情報の内容とするのは提供できない理由であって、その理由を証する情報の提供までは求められていない
- 登記識別情報を記載した書面は登記完了後に速やかに廃棄されるので、原本還付を請求できない(規則69条1項)
- 提供の方法は規則66条1項が定め、スキャンした電磁的記録では提供できず、書面で出せる令附則5条1項の特例からも除かれている
- 登記識別情報が有効であること等の証明を資格者代理人が請求するときは、代理権限を証する情報の提供を要しない(規則68条15項)
- 代わりに登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を提供する(同条14項)
肢と結論
- H17-9-ア◯所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。(登記識別情報の提供を要する登記の申請に関する文章中の太線部分である。)→ 所有権の登記がある土地の合筆の登記は法22条の「政令で定める登記」に当たり、登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。
- H17-9-イ✕所有権の登記がある土地の分筆の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。(登記識別情報の提供を要する登記の申請に関する文章中の太線部分である。)→ 識別情報が要るのは合筆。分筆には要らない。
- H18-15-イ✕所有権の登記名義人が持分を各2分の1とするA及びBである土地の合筆の登記の申請については、A又はBのいずれか1人の登記識別情報を提供すれば足り、他方の登記識別情報を提供することを要しない。((改題)令5.3.28民二533号(分筆・合筆は持分の価格の過半数で申請できる)を踏まえ、持分を明示したもの。)→ 省略できる単位は「土地」。選んだ一筆については、申請人となる者の分がいる。
- H18-15-ウ◯所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請については、当該合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足り、他の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供することを要しない。→ 所有権の登記がある土地の合筆の登記では、合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。
- H20-15-ウ✕所有権の登記がある建物の合体による登記等の申請には、合体前の所有権の登記名義人の異同にかかわらず、合体前のすべての建物についての所有権の登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。→ 名義人が同一なら、識別情報はいずれか1個で足りる。
- H21-12-ウ◯登記識別情報通知書をもって登記識別情報を提供する場合は、当該通知書の原本の還付を請求することができない。→ 登記識別情報を記載した書面は登記完了後に廃棄されるので、原本の還付を請求できない。
- H22-14-ア◯いずれも所有権の登記がある建物について合併の登記の申請をするときは、合併に係る建物のうちいづれか1個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。→ 所有権の登記がある建物の合併では、いずれか一個の建物の登記識別情報を提供すれば足りる。
- H22-19-イ✕所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請をする場合において、登記識別情報を失念したときは、登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由があるということはできない。→ 登記識別情報を失念した場合は、正当な理由がある場合として挙げられている。
- H22-19-ウ◯登記識別情報のある甲土地から乙土地を分筆した後、乙土地を丙土地に合筆する登記の申請をする際に提供すべき登記識別情報は、甲土地のものでよい。→ 分筆では新たな登記識別情報が通知されないので、分筆後の乙土地の登記識別情報は甲土地のものである。
- H25-14-ウ◯登記名義人が同一である所有権の登記がある2個の建物の合体による登記の申請においては、当該合体に係る建物のうちいずれか1個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。→ 登記名義人が同一である建物の合体では、いずれか一個の建物の登記識別情報を提供すれば足りる。
- H27-9-ウ✕土地の所有権の登記名義人が合筆の登記を申請する場合において、登記識別情報を提供することができない理由を申請情報の内容とするときは、その理由を証する情報を提供しなければならない。→ 申請情報の内容とするのは提供できない理由であって、その理由を証する情報の提供までは求められていない。
- H29-9-エ✕所有権の登記がある建物について建物の合体による登記等を申請する際に提供した登記識別情報を記載した書面は、原本の還付を請求することができる。→ 登記識別情報を記載した書面は、登記完了時に廃棄される。
- H30-4-エ✕電子申請により所有権の登記のある土地の合筆の登記の申請をする場合には、電子申請における添付情報の提供方法の特例(不動産登記令附則第5条に規定する添付情報の提供方法に関する特例)により、登記識別情報が記載された書面を添付情報として登記所に提出することができる。→ 特例方式で書面にできるのは添付情報。登記識別情報はその対象外。
- H30-8-イ✕いずれも所有権の登記がある甲土地と乙土地とを合筆する合筆の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて、当該合筆に係る甲土地及び乙土地それぞれの所有権の登記名義人の登記識別情報をいずれも提供しなければならない。→ 合筆では、合筆に係る土地のうちいずれか一筆の登記識別情報を提供すれば足りる。
- R1-15-エ✕所有権の登記のある建物の合併の登記について、土地家屋調査士を代理人として電子申請をする場合において、合併前の建物の所有権の登記について登記識別情報が書面で通知されているときは、当該書面をスキャナにより電磁的記録に記録し、当該土地家屋調査士が適正な電子署名を行った当該電磁的記録を添付情報として提供する方法により、当該登記識別情報を提供することができる。→ 登記識別情報の提供方法は規則66条が定める。附則5条の特例からも除かれている。
- R2-16-オ◯登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等を申請する場合には、当該合体に係る建物のうちいずれか1個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。→ 登記名義人が同一なら、いずれか一個の建物の登記識別情報で足りる。
- R3-4-ア✕当該書面をスキャナにより読み取って作成した電磁的記録に、調査士による電子署名を付したものを提供することができます。(調査士:土地の所有権の登記名義人が登記識別情報を記載した書面の交付を受ける方法により登記識別情報の通知を受けていた場合において、電子申請の方法による当該土地の合筆の登記の申請について申請情報と併せて当該登記識別情報を提供するときは、代理人である調査士は、当該書面をスキャナにより読み取って作成した電磁的記録に、調査士による電子署名を付したものを提供することはできますか。)→ 電子申請での登記識別情報は、電子情報処理組織を使って提供する。書面のスキャンではない。
- R4-5-ウ✕はい。代理人の権限を証する情報を提供しなければなりません。(教授:土地家屋調査士が本人を代理して登記識別情報に関する証明を請求する場合には、代理人の権限を証する情報を提供しなければなりませんか。)→ 資格者代理人なら、代理権限を証する情報は要らない。業務ができる者であることを証する情報を出す。
- R6-9-ウ◯地方公共団体が所有する土地について、当該地方公共団体が合筆の登記を嘱託する場合には、登記識別情報を提供することを要しない。→ 官公署が嘱託するときは、登記識別情報を提供しない。
- R8-14-イ✕Aが所有権の登記名義人である甲建物と、Bが所有権の登記名義人である乙建物が合体して1個の建物となったことによる合体による登記等を申請する場合には、当該合体に係る建物のうちいずれか一方の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば、他方の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供することを要しない。→ いずれか一個の建物の登記識別情報で足りるのは、所有権の登記名義人が同一の合体に限る。
登記識別情報の他の問われ方: 申請情報と記録のしかた(4)手続と制度(35)