借地である甲土地上にある乙建物が滅失した場合には、甲土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、乙建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人の承諾を証する情報を添付情報として提供して、乙建物の滅失の登記の申請をすることができる。
解答:×
滅失の登記を申請するのは、その建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人である。
57条1項は、建物の滅失の登記を申請すべき者を、その建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人としている。甲土地の名義人は乙建物の名義人ではないから申請人にならない。乙建物の名義人の承諾を証する情報を付ければ申請できるという定めも置かれていない。
根拠法57条1項このサイトで定めたルール(規定なし)
問われ方建物の滅失 × 申請人建物の滅失申請人
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
共用部分である旨の登記がされている建物が滅失したため当該建物の滅失の登記を申請する場合には、添付情報として当該建物の所有者を証する情報を提供しなければならない。
解答:○
共用部分である旨の登記がある建物の滅失の登記には、所有者を証する情報が要る。
令別表17項は、共用部分である旨の登記がある建物の滅失の登記の添付情報として、当該建物の所有者を証する情報を挙げている。57条1項も、この建物の滅失の登記を申請すべき者を所有者としている。
根拠令別表17項法57条1項
問われ方建物の滅失 × 添付情報建物の滅失添付情報
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
敷地権の登記がされた後に抵当権の登記がされた区分建物について滅失の登記の申請がされた場合において、添付情報として、当該抵当権の登記名義人が敷地権の目的である土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは、当該区分建物の登記記録に、その土地について抵当権が消滅した旨が記録される。
解答:○
特定登記がある敷地権付き区分建物の滅失の登記で消滅承諾情報が出たときは、建物の登記記録に付記登記でする。
敷地権の登記の後にされた抵当権の登記は、73条により敷地権についてされた登記としての効力を有し、55条1項の特定登記に当たる。55条4項は特定登記がある建物の滅失の登記に同条1項を準用し、権利の登記名義人が敷地権の目的であった土地について権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは、その土地について権利が消滅した旨を登記するとしている。規則125条2項・4項によりこの登記は付記登記でし、消滅した権利の登記を土地の登記記録に転写することを要しない。したがって、抵当権の登記がある区分建物の登記記録に記録される。
根拠法55条4項規則125条2項規則125条4項法73条1項法55条1項このサイトで定めたルール(規定なし)
問われ方敷地権 × 承諾敷地権承諾
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
建物の主要構造部分が焼失し、建物としての効用が失われた場合には、当該建物の残部が焼失していないときであっても、当該建物の滅失の登記の申請をすることができる。
解答:○
建物の滅失の登記は、主要な部分が失われて使用目的を達せなくなった建物であれば、残部があっても申請できる。
判例は、家屋が火災によって滅失したか否かは、使用目的となっている主要な部分が滅失し、その使用目的を達することができない程度に達したかどうかで決めるとしている。本肢は主要構造部分が焼失して建物としての効用が失われた場合だから滅失に当たり、残部が焼け残っていても滅失の登記を申請できる。
根拠法57条1項大阪地判昭29.2.15最判昭62.7.9
問われ方建物の滅失 × 認定・定め方建物の滅失
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aを所有権の登記名義人とする甲区分建物とBを所有権の登記名義人とする乙区分建物からなる一棟の建物がある場合において、甲区分建物が取り壊された後、Aが甲区分建物の滅失の登記を申請しないときは、Bは、乙区分建物の表題部の変更の登記の申請と併せて、Aに代位して、甲区分建物の滅失の登記の申請をすることができる。
解答:×
区分建物の滅失の登記は、一棟の建物の他の区分建物の名義人が、滅失した区分建物の名義人に代わって申請できる定めはない。
57条1項は、建物の滅失の登記を申請すべき者をその建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人としている。他の建物の名義人が代わって申請できるとする52条4項は、二以上の建物が接続して区分建物になった場合の表題部の変更の登記についての定めで、滅失の登記についてのものではない。区分建物の滅失の登記を他の区分建物の表題部の変更の登記と併せて申請するという定めもない。
根拠法57条1項法52条4項法52条3項このサイトで定めたルール(規定なし)
問われ方建物の滅失 × 申請人建物の滅失申請人
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。