敷地権と規約敷地
敷地権とは、区分建物の登記された敷地利用権のうち、専有部分と分離して処分できないもの(法44条1項9号、区分所有法22条1項本文)。
- 敷地利用権が所有権・地上権・賃借権のどれでも、登記されていて分離処分が禁止されていれば敷地権になる
- 建物の敷地には、建物が現に所在する法定敷地と、規約で敷地とした庭・通路などの規約敷地がある(区分所有法5条)
- 敷地権は建物の表題部に、敷地権の目的である土地・種類・割合と登記原因及びその日付を記録する(規則118条)
この項目で問われること
規約で何ができるか(規約敷地、分離処分可能規約、割合の別段の定め。最初に専有部分の全部を所有する者は公正証書で設定できる)、みなし規約敷地(建物の一部滅失・土地の分割で建物が所在しない土地になっても敷地のまま)、登記原因の日付(敷地利用権の取得と区分建物の成立のどちらが後か)、申請情報と記録(主と附属の敷地権は区別する、規約敷地の地番は敷地権の欄)、敷地権の土地にできる登記(分筆・地目変更はできる、敷地権の移転はできない)。合併との関係は建物の合併の項目に置いた。
規約で決められること
規約は集会の決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上)で設定する。
- 一人だけが賛成した議事録では規約にならない
- 最初に専有部分の全部を所有する者だけは、集会がないので公正証書で次の規約を設定できる(区分所有法32条)
- この者が単独で設定するには公正証書によらなければならず、公正証書で設定できる規約はこの三つ(と規約共用部分)に限られる
| 規約 | 中身 | 効果 |
|---|---|---|
| 規約敷地(区分所有法5条1項) | 建物と一体として管理・使用する庭・通路などを敷地にする。他の一棟の建物の法定敷地・規約敷地と重ねてもよい | 規約敷地の敷地利用権が登記されていれば敷地権が生じ、1か月以内に表題部の変更の登記(法51条) |
| 分離処分可能規約(22条1項ただし書) | 専有部分と敷地利用権を分離して処分できるようにする。敷地利用権の一部についてだけでもよい | 敷地権とならない。設定すればその区分建物だけ敷地権の登記を抹消できる(規約を証する情報を添付) |
| 割合の定め(22条2項ただし書) | 数個の専有部分を持つ者の各専有部分に係る敷地利用権の割合を、床面積の割合と別に定める | 表題登記の添付情報に規約を証する情報。床面積の割合どおりなら要らない |
みなし規約敷地
建物の一部の滅失や、建物が所在する土地の一部の分割(分筆)で、建物が所在する土地以外の土地になったときは、その土地は規約で敷地と定められたものとみなす(区分所有法5条2項)。敷地権のままなので、敷地権の変更の登記は要らない。
特定登記(敷地権についてされた登記としての効力を有する権利)
特定登記は、敷地権付き区分建物についてされた所有権等の登記以外の権利の登記(抵当権など)で、敷地権についてされた登記としての効力を持つもの(法55条1項)。分離処分可能規約の設定などで敷地権の変更の登記をするとき、敷地権の不存在による更正、合体・合併で敷地権のない建物になるとき、滅失の登記のときに、権利者が承諾したことを証する情報が提供されれば、登記官は承諾に係る建物又は土地についてその権利が消滅した旨を登記しなければならない。
承諾があれば消滅の登記がされること(承諾の項目)。「承諾があってもされない」「申請できない」は誤り。
みなし規約敷地と共有の敷地利用権どう認定するか
- 建物の一部の滅失、又は建物が所在する土地の一部の分割(分筆)によって建物が所在する土地以外の土地になっても(建物の分割で附属建物が別の土地に残る場合も同じ扱い)、その土地は規約敷地とみなされ、敷地権のまま(区分所有法5条2項)
- 敷地権の変更の登記は要らない
- 数人が共有する所有権も敷地利用権になり、その共有持分が敷地権になる
この項目の肢(7)
- H20-19-1✕甲土地及び乙土地を法定敷地として登記している敷地権付き区分建物について、甲土地に建築されている建物部分を取り壊したことにより、甲土地の上に建物が存在しないこととなった場合には、甲土地の敷地権につき、敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記を申請しなければならない。→ 建物の一部の滅失で建物が所在しない土地となっても、規約敷地とみなされるので敷地権のままである。
- H23-6-イ✕区分建物が所在する土地を2筆に分筆する場合において、その土地の一方が当該区分建物が所在する土地以外の土地となるときは、当該分筆の登記の申請情報と併せて、当該土地を当該区分建物の敷地とする旨の規約を定めたことを証する情報の提供をしなければならない。→ 分割によって建物が所在する土地以外の土地となったときは、規約で敷地と定められたものとみなされる。
- H25-16-ウ✕敷地権の目的である土地として甲土地及び乙土地が登記されている敷地権付き区分建物について、一部の取壊しによって甲土地上に当該区分建物が属する一棟の建物が所在しなくなった場合には、その取壊しの日から1か月以内に、敷地権が敷地権でなくなったことによる区分建物である建物の登記記録の表題部の変更の登記を申請しなければならない。→ 一部の滅失により建物の所在する土地でなくなった土地は、規約敷地とみなされる。
- H27-16-イ✕甲土地及び乙土地を法定敷地として登記されている敷地権付き区分建物について、甲土地に建築されている建物部分を取り壊したことにより、甲土地の上に建物が存在しないことになった場合には、甲土地について敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記を申請しなければならない。→ 建物の一部の滅失で建物が所在する土地でなくなっても、規約敷地とみなされるので敷地権のままである。
- R1-18-ア✕一棟の建物が所在する甲土地が敷地権の目的である土地として登記されている敷地権付き区分建物について、甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記がされたことによって、乙土地が当該区分建物が属する一棟の建物が所在しない土地となったときは、当該分筆の登記がされた日から1月以内に、乙土地が敷地権の目的である土地でなくなったことによる区分建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。→ 分筆で建物が所在しない土地となっても、規約敷地とみなされる。
- R4-18-ア✕Aは、甲土地及び乙土地のAの共有持分権を敷地権として、表題登記がない丁区分建物について表題登記を申請することはできない。→ 数人が共有する所有権も敷地利用権になり、その共有持分が敷地権になる。申請できる。
- R6-18-ウ✕甲土地及び乙土地が法定敷地として登記されている敷地権付き区分建物について、当該区分建物が属する一棟の建物の一部が取り壊されたことにより、甲土地上に当該一棟の建物が存しないこととなった場合には、甲土地について敷地権であった権利が敷地権でない権利になったことによる区分建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。→ 一部の滅失で法定敷地でなくなった土地は、規約敷地とみなされる。変更の登記は要らない。
規約と敷地権の土地にできる登記できるか、できないか
- 規約敷地
- 他の一棟の建物の法定敷地となっている土地も
- 他の建物の規約敷地となっている土地も
- 重ねて規約敷地にできる
- 規約の設定には集会の決議が要り、一人だけが賛成した議事録では規約にならない
- 公正証書
最初に専有部分の全部を所有する者は、規約敷地・分離処分可能・割合の別段の定めのいずれも公正証書で設定できる(区分所有法32条)- 設定できる規約はこの三つに限られ、この者が単独で設定するには公正証書によらなければならない(議事録では足りない)
- 分離処分可能規約は敷地利用権の一部についてだけ設定してもよい
- 分離処分可能規約を設定した後
その専有部分について敷地権でなくなるので、規約を証する情報を添えてその区分建物だけ敷地権の登記を抹消(表題部の変更の登記)できる - 敷地権の目的である土地にできる登記
分筆の登記も地目の変更の登記もできる- 敷地権である旨の登記がある土地に、敷地権の移転の登記はできない(先に敷地権の登記を抹消する)
- 合併との関係: 敷地権の登記の有無・割合の違いは合併の妨げにならない
- 担保権の仮登記や変更の登記が両方にあって内容が同一なら合併できる(建物の合併の項目へ)
この項目の肢(19)
- H18-19-エ✕区分建物の表題登記がされた後、最初の建物の専有部分の全部を所有する者が単独で規約敷地を定める規約を設定したことにより敷地権が生じた場合において、敷地権の発生を原因とする建物の表題部の変更の登記を申請するときは、添付情報として、当該規約を設定したことを証する情報を提供しなければならないが、当該情報は、公正証書に記録されていることを要しない。→ 最初に専有部分の全部を所有する者が単独で規約を設定するには、公正証書によらなければならない。
- H18-19-オ✕ある一棟の建物の法定敷地となっている土地を、重ねて他の一棟の建物の規約敷地とすることはできない。→ 他の建物の法定敷地となっている土地を重ねて規約敷地とすることは妨げられない。
- H20-18-イ◯効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物について、どちらにも合併の妨げにならない同一の抵当権の登記がある場合において、その抵当権につき、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の移転の仮登記があり、このほかに所有権の登記以外の登記がないときは、これらの建物の合併の登記を申請することができる。→ 合併の妨げとならない担保権の登記には仮登記も含まれる。
- H20-18-ウ◯効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物について、どちらにも合併の妨げにならない同一の抵当権の登記がある場合において、その抵当権につき、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の変更の登記があり、このほかに所有権の登記以外の登記がないときは、これらの建物の合併の登記を申請することができる。→ 変更の登記も両方にあって内容が同一なら、合併は妨げられない。
- H20-18-オ✕敷地権の登記がある建物を主たる建物とし、敷地権の登記がない建物をその附属建物とする合併の登記は、申請することができない。→ 敷地権の登記の有無は、合併の妨げにならない。
- H21-19-ア◯甲区分建物が属する一棟の建物の法定敷地とされている土地を乙区分建物の駐車場として利用した場合、当該土地を乙区分建物が属する一棟の建物の規約敷地とし、乙区分建物の敷地権として登記することができる。→ 他の一棟の建物の法定敷地を規約敷地とすることも妨げられない。
- H22-15-イ◯三つの区分建物で構成される一棟の建物に属する区分建物についての表題登記を申請する場合において、一つの区分建物についてのみ専有部分とその専有部分に係る敷地利用権の分離処分を可能とする規約を設定したときは、他の二つの区分建物についてのみ敷地権に関する事項を申請情報とすることができる。→ 敷地利用権の一部についてだけ分離処分可能規約を設定できる。
- H24-6-オ✕敷地権である旨の登記がされている土地については、地目を宅地以外の地目に変更する地目の変更の登記を申請することはできない。→ 敷地権の土地でも、地目の変更の登記はできる。
- H24-18-2✕区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地を建物の敷地とすること。→ 規約敷地とする規約は、公正証書により設定することができる。
- H24-18-4✕各専有部分に係る敷地利用権の割合を各専有部分の床面積の割合と異なる割合によるものとすること。→ 敷地利用権の割合を別に定める規約は、公正証書により設定することができる。
- H24-18-5✕専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるようにすること。→ 分離して処分することができるようにする規約は、公正証書により設定することができる。
- H25-9-オ✕区分建物である建物の登記記録の表題部に敷地権の種類として所有権が記録されている場合には、当該敷地権の目的である土地の分筆の登記は、することができない。→ 敷地権の目的の土地でも、分筆の登記はできる。
- H25-17-ア◯甲建物と乙建物のいずれにも抵当権の設定の登記がある場合において、乙建物についてのみ抵当権の債権額の変更の登記がされているときは、建物の合併の登記をすることができない。→ 一部についてのみ債権額の変更の登記があると合併できない。
- H26-16-エ✕区分建物の属する一棟の建物の規約敷地とされている土地を、他の区分建物の属する一棟の建物の規約敷地とすることはできない。→ 他の建物の規約敷地となっている土地を重ねて規約敷地とすることも妨げられない。
- H27-16-エ◯甲区分建物の法定敷地として登記されている土地について、甲区分建物が属する一棟の建物に属さない乙区分建物の敷地とする規約を設定したときは、敷地権の発生を原因とする乙区分建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。→ 他の一棟の建物の法定敷地を規約敷地にでき、敷地権が生じれば表題部の変更の登記をする。
- R4-18-ウ✕Aは、丙土地を丁区分建物の敷地とすることについてAのみが賛成した旨が記載された集会の議事録を申請書に添付することにより、丙土地のAの共有持分権を敷地権として、丁区分建物の表題登記を申請することができる。→ 規約敷地とするには規約の設定が要る。一人だけが賛成した議事録では規約にならない。
- R4-18-エ◯丁区分建物及び戊区分建物の表題部に甲土地及び乙土地に係る敷地権が登記されている場合には、Aは、丁区分建物についてのみ甲土地及び乙土地の敷地利用権との分離処分可能規約を設定したことを証する情報を提供して、丁区分建物についてのみ甲土地及び乙土地に係る敷地権の登記を抹消する表題部の変更の登記を申請することができる。→ 分離処分可能規約を設定すれば、その専有部分について敷地権でなくなる。規約を証する情報を添えて、その区分建物だけ敷地権の登記を抹消できる。
- R4-18-オ✕甲土地のAの共有持分権に丁区分建物の敷地権である旨の登記がされている場合において、当該敷地権である旨の登記がされた後の売買を原因とする当該共有持分権の移転の登記をしようとするときは、その前提として、当該共有持分権に係る敷地権の登記を抹消する丁区分建物の表題部の変更の登記をすることを要しない。→ 敷地権である旨の登記がある土地には、敷地権の移転の登記はできない。先に敷地権の登記を抹消する必要がある。
- R6-18-ア✕甲区分建物が属する一棟の建物の法定敷地として登記された土地について、当該一棟の建物とは別の一棟の建物の規約敷地とする敷地権の表示に関する登記の申請は、することができない。→ 規約敷地は他の一棟の建物の敷地にもできる。
名義人の表示が食い違うときどの登記によるか
- 土地の登記名義人と建物の名義人の表示(住所など)が食い違っていると、同一人かどうかを登記記録で確かめられない
- 先に表示の変更の登記をする
- 「同一性を証する情報」という添付情報はない
この項目の肢(3)
- H28-16-オ✕敷地権となる敷地の所有権の登記名義人の表示と専有部分の所有権の登記名義人の表示とが一致していないときは、敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請は、添付情報として各所有者の同一性を証する情報を提供してすることができる。→ 登記名義人の表示が食い違っているなら、先に表示を直す。書面では埋められない。
- R2-14-ウ✕敷地権となる土地の所有権の登記名義人の表示と専有部分の所有権の登記名義人の表示が一致していないときは、敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請は、添付情報として、各所有者の同一性を証する情報を提供してすることができる。→ 同一性を証する情報という添付情報はない。先に表示を直しておく。
- R7-13-イ✕区分建物とその敷地権の目的となる土地の各所有権の登記名義人の住所が一致していない場合であっても、各登記名義人の同一性を証する情報を添付情報とすれば、登記名義人の住所の変更又は更正の登記をすることなく、敷地権の発生を原因とする区分建物の表題部の変更の登記の申請をすることができる。→ 同一性を証する情報という添付情報はない。先に表示を直す。
敷地権が生じたときいつまでに申請しなければならないか
- 規約敷地の設定などで敷地権が生じたときは、1か月以内に建物の表題部の変更の登記を申請する(法51条1項)
この項目の肢(1)
- R4-18-イ◯丙土地が規約により表題登記がある戊区分建物の敷地とされた場合には、Bは、丙土地が敷地となった日から1か月以内に、丙土地について有する登記された敷地利用権を敷地権として表示する戊区分建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。→ 敷地権が生じたときは、1か月以内に表題部の変更の登記を申請する。
敷地権まとめて申請できるか
- 処分の制限の登記の嘱託には、一括申請の規定は適用されない
この項目の肢(1)
- H28-16-エ◯表題登記がない区分建物の処分の制限の登記の嘱託は、当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の嘱託と併せてすることを要しない。→ 処分の制限の登記の嘱託には、一括申請の規定が適用されない。
敷地権に関する添付情報何を添付するか
- 規約設定で敷地権が生じたときは規約を証する情報
- 土地が他の登記所の管轄区域内なら登記事項証明書(同じ管轄なら要らない)
- 敷地権が消滅するときは登記事項証明書は要らず、規約敷地なら規約を廃止したことを証する情報
- 規約敷地を加えても建物の位置は変わらないので建物図面は要らない
- 法定敷地の分筆に分離処分可能規約の証明は要らない
この項目の肢(6)
- H18-5-オ◯区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として使用する庭を建物の敷地とする規約を設定したことにより敷地権が生じたことを原因とする建物の表題部の変更の登記を申請する場合において、当該敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、添付情報として、当該土地の登記事項証明書を提供しなければならない。→ 規約設定により敷地権が生じた場合、土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは登記事項証明書が必要である。
- H20-13-ウ✕一筆の土地の一部について売買したことにより所有権の移転の登記をする前提として分筆の登記を申請する場合、当該土地が敷地権付き区分建物の法定敷地であるときは、その分筆の登記の申請情報には、分離処分を可能とする定めを設定した規約を証する情報を併せて提供しなければならない。→ 法定敷地の分筆に、分離処分可能規約の証明は要らない。
- H20-19-2✕敷地権の消滅を原因とする建物の表題部に関する変更の登記を申請する場合において、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、当該土地の登記事項証明書を申請情報と併せて提供しなければならない。→ 登記事項証明書が要るのは敷地権が生じたとき。消滅では不要。
- H20-19-5✕規約敷地が敷地権の目的である建物について、当該敷地権とされた敷地利用権が敷地権でなくなったことによる建物の表題部に関する変更の登記の申請には、当該規約敷地について分離処分を可能とする定めを設定した規約を証する情報を提供しなければならない。→ 規約敷地なら、提供するのは規約を廃止したことの証明。
- H23-15-イ◯甲土地上にのみ存する区分建物について、新たに規約を定め、乙土地を当該区分建物の規約敷地とする登記を申請する場合には、建物図面の添付を要しない。→ 建物図面は建物の位置を明らかにする図面であり、規約敷地を加えても建物の位置は変わらない。
- H24-12-オ✕敷地権の発生を原因とする建物の表題部の変更の登記を申請する場合には、敷地権の目的である土地が当該建物を管轄する登記所の管轄区域内にあるときであっても、添付情報として、当該土地の登記事項証明書を提供しなければならない。→ 土地の登記事項証明書が要るのは、その土地が他の登記所の管轄区域内にあるときである。
敷地権権利者の承諾は要るか
- 特定登記とは、敷地権付き区分建物についてされた所有権等の登記以外の権利の登記で、敷地権にも効力が及ぶもの(抵当権など)
- 分離処分可能規約の設定などで敷地権の変更の登記をするとき、敷地権の不存在による更正、合体・合併で敷地権のない建物になるとき、滅失の登記のとき、権利の登記名義人が承諾したことを証する情報が提供されれば、登記官は承諾に係る建物又は土地についてその権利が消滅した旨を登記しなければならない
- 承諾があれば消滅の登記はされる
- 「承諾があってもされない」「承諾があっても申請できない」は✕
- 抵当証券があれば所持人・裏書人、第三者の権利があればその第三者の承諾も要る
- 敷地権の登記の後に区分建物にされた抵当権の設定の登記は特定登記
- その建物の滅失の登記で抵当権者が土地について消滅を承諾すれば、建物の登記記録に、土地について抵当権が消滅した旨が記録される(法55条4項)
この項目の肢(4)
- H20-19-4✕敷地権についてされた登記としての効力を有する抵当権がある敷地権付き区分建物について、分離処分可能規約を設定した場合、当該区分建物について当該抵当権を消滅させる旨の抵当権者の承諾を証する情報を提供したとしても、当該区分建物について当該抵当権を消滅させることとなる建物の表題部に関する変更の登記を申請することはできない。→ 特定登記の権利者の承諾を証する情報が提供されれば、その権利が消滅した旨が登記される。
- H26-16-オ✕敷地権付き区分建物のうち抵当証券が発行されていない抵当権の登記があるものについて、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるものとなったことによる敷地権の変更の登記を申請する場合には、当該抵当権の登記名義人が当該変更の登記後の当該区分建物について当該抵当権を消滅させたことを承諾したことを証する情報を提供しても、当該抵当権が消滅した旨の登記はされない。→ 承諾を証する情報が提供されれば、登記官は特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。
- H27-16-オ✕登記官は、敷地権についてされた登記としての効力を有する抵当権の設定の登記がある敷地権付き区分建物について、その専有部分と敷地利用権との分離処分を可能とする規約を設定したことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せてその抵当権の登記名義人が当該敷地権の目的であった土地について当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときであっても、当該承諾に係る土地について当該抵当権が消滅した旨を登記することはできない。→ 承諾を証する情報が提供されたときは、登記官は権利が消滅した旨を登記しなければならない。
- R2-17-ア◯敷地権の登記がされた後に抵当権の設定の登記がされた区分建物について滅失の登記を申請する場合において、申請情報と併せて、当該抵当権の登記名義人が敷地権の目的である土地について抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは、建物の登記記録に、その土地について抵当権が消滅した旨が記録される。→ 特定登記がある建物の滅失では、承諾があれば土地について権利が消滅した旨を登記する。
敷地権の登記原因と日付登記原因と日付
- 敷地権の登記原因の日付は、敷地利用権の取得と区分建物の成立のどちらが後かで決まる
- 前から敷地利用権を持っていたなら区分建物が生じた日(新築の日)
- 建物が生じた後に敷地を取得したなら、その取得の登記の日(敷地権は登記された敷地利用権だから、取得の日でも新築の日でもない)
- 敷地権の存在を原因とする更正の登記でも、登記原因及びその日付を申請情報の内容とする
- 敷地権が消滅したときの登記原因は「敷地権消滅」
この項目の肢(7)
- H20-14-オ✕Bが所有する土地に区分建物を新築したAが、当該建物の完成後、Bからその土地を買い受けて、敷地権付き区分建物として表題登記を申請する場合、敷地権の登記原因の日付は、区分建物の新築の日である。→ 敷地権が生じるのは敷地利用権を取得した日であって、建物の新築の日ではない。
- H20-19-3◯敷地権の登記原因の日付は、建物の所有者が建物の新築、建物の区分等により区分建物が生じた日前から建物の敷地につき登記した所有権、地上権又は賃借権を有していたときは、その区分建物が生じた日である。→ 前から権利を持っていたなら、原因日付は区分建物が生じた日。
- H26-16-ア◯区分建物が新築された後、当該区分建物の所有者がその敷地について登記された所有権を取得して、その取得の登記がされた場合において、当該所有権を敷地権とする区分建物の表題登記を申請するときは、敷地権の表示の登記原因の日付として、当該所有権の取得の登記の日を申請情報の内容とする。→ 敷地権となるのは登記された敷地利用権だから、原因の日付は所有権の取得の登記の日となる。
- H28-16-ウ◯敷地権があるのにその登記をしないで区分建物の表題登記がされていた場合において、建物の表題部の更正の登記を申請するときは、敷地権の表示の登記原因及びその日付も申請情報の内容としなければならない。→ 敷地権の存在を原因とする更正の登記では、登記原因及びその日付も申請情報とする。
- H30-12-エ✕Bが所有する土地に区分建物が属する一棟の建物を新築したAが、当該建物の完成後、Bからその土地を買い受けて、敷地権付き区分建物として当該建物の表題登記を申請した場合において、当該敷地権付き区分建物の表題部に記録される敷地権に係る登記の登記原因の日付は、当該建物の表題登記の申請日である。→ 建物が生じた後に敷地を取得したのなら、原因の日付は取得の登記の日。
- R1-18-エ◯敷地権である地上権の存続期間が満了したことにより、敷地権の登記を抹消する区分建物の表題部の変更の登記を申請する場合には、登記原因及びその日付に「(元号)何年何月何日敷地権消滅」と記録して申請する。→ 敷地権が消滅したときの登記原因は「敷地権消滅」。
- R2-14-イ◯敷地権が存在していたがその登記をしないで区分建物の表題登記がされていた場合において、建物の表題部の更正の登記を申請するときは、敷地権の表示の登記原因及びその日付も申請情報の内容としなければならない。→ 敷地権の存在を原因とする更正の登記でも、原因と日付は申請情報の内容。
敷地権の申請情報と記録申請情報と記録のしかた
- 主である建物の敷地権と附属建物の敷地権は区別して申請し、区別して記録する
- 分離処分可能規約がある区分建物には敷地権が生じないので、その建物の分は申請情報にしない
- 規約敷地の地番は「敷地権の目的である土地」として記録する
- 一棟の建物の所在欄ではない
この項目の肢(5)
- H26-16-イ◯附属建物のある敷地権付き区分建物の表題登記を申請する場合において、当該附属建物が同一の一棟の建物に属する区分建物であるときは、敷地権の表示として、主である建物に係る敷地権と附属建物に係る敷地権とを区別して、申請情報の内容としなければならない。→ 主と附属、それぞれの敷地権を区別して申請する。
- R1-18-オ◯三個の区分建物で構成される一棟の建物に属する区分建物についての表題登記を申請する場合において、一個の区分建物についてのみ専有部分とその専有部分に係る敷地利用権の分離処分を可能とする規約が設定されているときは、他の二個の区分建物についてのみ敷地権に関する事項を申請情報の内容とすることができる。→ 分離処分可能規約がある区分建物には敷地権が生じない。他の二個だけ申請情報とする。
- R2-13-ウ◯主である建物と附属建物がいずれも同一の一棟の建物を区分した敷地権がある区分建物である場合において、当該主である建物及び当該附属建物の表題登記を申請するときは、主である建物に係る敷地権と附属建物に係る敷地権とを区別してしなければならない。→ 主である建物の敷地権と附属建物の敷地権は、区別して申請する。
- R4-14-イ◯主である建物とその附属建物がいずれも同一の一棟の建物に属する敷地権のある区分建物である場合には、登記記録の表題部には、当該主である建物に係る敷地権と当該附属建物に係る敷地権を区別して記録しなければならない。→ 主である建物と附属建物の敷地権は、区別して記録する。
- R6-13-イ✕区分建物が属する一棟の建物の規約敷地とされた土地の地番は、当該区分建物の一棟の建物の表示欄中の所在欄に記録される。→ 規約敷地の地番は敷地権の目的である土地として記録される。一棟の所在欄ではない。
根拠
不動産登記法第44条建物の表示に関する登記の登記事項
建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
1項1号建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
1項2号家屋番号
1項3号建物の種類、構造及び床面積
1項4号建物の名称があるときは、その名称
1項5号附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
1項6号建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨
1項7号建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積
1項8号建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称
1項9号建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
不動産登記規則第118条表題部にする敷地権の記録方法
登記官は、区分建物である建物の登記記録の表題部に法第四十四条第一項第九号に掲げる敷地権を記録するときは、敷地権の登記原因及びその日付のほか、次に掲げる事項を記録しなければならない。
1号敷地権の目的である土地に関する次に掲げる事項
2号敷地権の種類
3号敷地権の割合
建物の区分所有等に関する法律第5条規約による建物の敷地
1項区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
2項建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。
建物の区分所有等に関する法律第22条分離処分の禁止
1項敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2項前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。
3項前二項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。
建物の区分所有等に関する法律第32条公正証書による規約の設定
1項最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第四条第二項、第五条第一項並びに第二十二条第一項ただし書及び第二項ただし書(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。
不動産登記法第55条特定登記
1項登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。
2項前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。
3項第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。
4項第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。
不動産登記規則第125条特定登記に係る権利の消滅の登記
特定登記に係る権利が消滅した場合の登記は、敷地権の変更の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。
1項1号当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報
1項2号前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
1項3号第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券
2項前項の場合における特定登記に係る権利が土地について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。この場合には、前条第三項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を土地の登記記録に転写することを要しない。
3項第一項の場合における特定登記に係る権利が建物について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。この場合には、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。
4項前三項の規定は、法第五十五条第二項から第四項までの規定による特定登記に係る権利が消滅した場合の登記について準用する。