甲土地を占有しているAが死亡し、BがAを相続した場合には、Bが甲土地の取得時効を主張するためには、自己の占有にAの占有を併せて主張しなければならず、自己の占有のみを主張することはできない。
解答:×
占有の承継人は自己の占有のみでも前主の占有を併せても主張できるが、併せれば瑕疵も承継する。
187条1項は「その選択に従い」と書いており、相続による承継でも同じである。前の占有者の占有を足せば期間は伸びるが、2項によりその瑕疵も引き継ぐ。
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
令和7年度・問2
令和7年度土地家屋調査士試験の問2です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。
甲土地を占有しているAが死亡し、BがAを相続した場合には、Bが甲土地の取得時効を主張するためには、自己の占有にAの占有を併せて主張しなければならず、自己の占有のみを主張することはできない。
解答:×
占有の承継人は自己の占有のみでも前主の占有を併せても主張できるが、併せれば瑕疵も承継する。
187条1項は「その選択に従い」と書いており、相続による承継でも同じである。前の占有者の占有を足せば期間は伸びるが、2項によりその瑕疵も引き継ぐ。
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aが所有する甲建物を無権原のBから賃借して占有していたCは、その占有期間中Bが甲建物の所有者であると過失なく信じていたとしても、Aに対し、その使用利益を返還する義務を負う。
解答:×
善意の占有者は占有物から生ずる果実を取得し、目的物の使用利益も返還する義務を負わない。
189条1項は善意の占有者が占有物から生ずる果実を取得するとしている。建物を自分で使うことで得た利益もこの果実にあたる。Cは所有者だと過失なく信じていたのだから、返す義務を負わない。
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aが所有する甲建物を無権原のBから賃借して占有しているCは、Aに甲建物を明け渡す場合には、その占有期間中に落雷によって生じた甲建物の損傷を修復するために修繕費を支出していたとしても、Aに対し、当該修繕費の償還を請求することはできない。
解答:×
占有者は、占有物について支出した必要費を回復者から償還させることができる。
196条1項は、占有物を返還する場合にその保存のために支出した必要費を回復者から償還させることができるとしている。落雷による損傷の修繕は保存のための支出である。ただし書により、果実を取得したときは通常の必要費が占有者の負担になるにとどまる。
根拠民法196条1項
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aが自己の所有する甲建物をBに占有させている場合において、Aが甲建物をCに売却した後、AがBに対して以後Cのために甲建物を占有することを命じ、Cがこれを承諾したときは、Cは、甲建物の占有権を取得する。
解答:○
本人が代理人に対し以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者が承諾したときは、第三者が占有権を取得する。
184条がそう定めている。物を現に持っているBを動かさずに、AからCへ占有を移す方法である。BがAのために持っていた状態を、Cのために持つ状態に切り替える。
根拠民法184条
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
甲建物の賃借人であるAから甲建物を転借して占有しているBが、Cによりその占有を奪われたときは、Aは、Cに対し、占有回収の訴えを提起することができる。
解答:○
占有の訴えは占有者が提起することができ、他人のために占有をする者も提起することができる。
181条により占有権は代理人によって取得できるから、転借人Bを通じてAも占有している。197条は占有者に占有の訴えを認めており、後段は他人のために占有をする者も同様とする。Bの占有が奪われれば、Aは自分の占有を侵されたことになる。
出典:法務省 令和7年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。