A所有の甲土地にB名義の所有権移転登記がされている場合におけるAのBに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての当該所有権移転登記の抹消登記手続請求権は、時効によっては、消滅しない。
解答:○
所有権は消滅時効にかからず、所有権に基づく物権的請求権も独立に時効によって消滅することはない。
166条2項が20年の消滅時効にかかるとするのは債権又は所有権以外の財産権で、所有権は除かれている。判例は、所有権に基づく返還請求権は所有権の一作用で独立の権利ではないから、所有権自体と同じく消滅時効によって消滅しないとする。本肢の抹消登記手続請求権も所有権に基づく妨害排除請求権であり、時効によって消滅しない。
根拠民法166条2項大判大5.6.23
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
占有者が占有を奪われたことにより占有物の所持を失った場合には、当該占有者は、1年以内に占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその占有物の占有を回復したときであっても、その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。
解答:×
占有回収の訴えにより勝訴して現実に占有を回復したときは、所持を失っていた間も占有は継続していたものとされる。
203条ただし書は、占有回収の訴えを提起したときは所持を失っても占有権が消滅しないとする。判例は、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実に占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有が継続していたものと擬制されるとする。本肢の占有者は所持を失っていた間の占有の継続を主張できる。
根拠民法203条最判昭44.12.2
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
BがAから耕作を目的として賃借している土地に農作物を植えた場合には、当該農作物は、Aの所有物とはならない。
解答:○
賃借権などの権原に基づいて他人の土地に植えた農作物は、土地の所有者の物とならない。
242条は、不動産の所有者が付合した物の所有権を取得するとしたうえで、ただし書で権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げないとする。Bは耕作目的の賃借権という権原に基づいて農作物を植えたから、農作物はAの所有物とならない。
根拠民法242条
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
A、B及びCが各3分の1の持分の割合で甲建物を共有する場合において、Aがその持分を放棄したときは、B及びCの持分の割合は各2分の1となる。
解答:○
共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属する。
255条は、共有者の一人がその持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属するとしている。Aの3分の1はB及びCに帰属し、B及びCの持分は等しいから、各2分の1となる。
根拠民法255条
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
地役権は、時効によっては、消滅しない。
解答:×
地役権は所有権以外の財産権であり、20年間行使しないときは時効によって消滅する。
166条2項は、債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは時効によって消滅するとする。地役権は所有権以外の財産権だから、時効によって消滅する。
根拠民法166条2項
出典:法務省 令和8年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。