Aの代理人Bが相手方Cを欺罔して、Cが所有する土地をAに売り渡す旨の売買契約を締結させた場合には、AがBによる詐欺の事実について知らないときであっても、Cは、詐欺を理由としてその意思表示を取り消すことができる。
解答:○
代理人の詐欺は、当事者の詐欺として扱われる。
代理人Bがした欺罔は、契約の相手方当事者の側の詐欺であって第三者の詐欺ではない。詐欺の事実の有無は代理人について決するから、本人Aが知らなくてもCは取り消せる。
根拠民法101条1項
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
AがBに欺罔された結果、法律行為の要素に錯誤を生じて意思表示をした場合には、Aは、詐欺による意思表示の取消しを主張することはできるが、錯誤による意思表示の無効を主張することはできない。
解答:×
欺罔された結果として錯誤に陥った場合には、詐欺と錯誤のいずれの主張もすることができる。
欺罔された結果、重要な部分に錯誤を生じて意思表示をしているのだから、詐欺の要件と錯誤の要件がいずれも満たされている。表意者はどちらによるかを選べる。
改正前の錯誤無効として出題されている。現行法では錯誤取消しと詐欺取消しのいずれも主張できる。
根拠大判大11.3.22
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
AのBに対する意思表示が第三者Cの強迫によりされた場合には、Bがその事実を知らないときであっても、Aは、強迫を理由としてその意思表示を取り消すことができる。
解答:○
第三者の強迫による意思表示は、相手方がその事実を知らなかったときであっても取り消すことができる。
2項が相手方の悪意・有過失を要求しているのは、第三者が「詐欺」を行った場合だけである。第三者の強迫についてこれに当たる制限は置かれていない。
根拠民法96条2項
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
AがBの強迫によりその所有する土地をBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた場合において、その後、BがCに当該土地を転売した後に、Aが強迫を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消したときは、Aは、Bへの所有権の移転の登記を抹消しない限り、Cに対して所有権を主張することができない。
解答:×
強迫による意思表示の取消しは、善意の第三者に対しても、登記がなくても対抗することができる。
3項が第三者を保護するのは詐欺による取消しの場合だけだから、強迫による取消しは取消し前の第三者Cに無条件で対抗できる。Bへの移転の登記を抹消しているかどうかにかかわらない。
根拠民法96条3項
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aが、Bの詐欺により、Bからその所有する土地を買い受け、BからAへの所有権の移転の登記がされた後、Aが、Bに欺罔されていることを知らないまま、当該土地にCを抵当権者とする抵当権を設定し、その旨の登記がされた場合において、Cが当該抵当権の設定時にBによる詐欺の事実を知らなかったときは、Aは、詐欺を理由としてAB間の売買の意思表示を取り消すことができない。
解答:×
詐欺の場合の第三者の保護は、善意の第三者に対抗することができないとするにとどまり、取消しそのものを妨げない。
3項は善意無過失の第三者に「対抗することができない」とするにとどまる。Cが現れてもAは取消しそのものはでき、その効果を抵当権者Cに主張できないだけである。
根拠民法96条3項
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。