A、B及びCが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分は各3分の1)について、AがB及びCに無断で自己の単独名義への所有権の移転の登記をした場合には、Bは、Aに対して、Cの持分については所有権の移転の登記の抹消登記手続を請求することができない。
解答:○
他人の持分の分までは、抹消登記手続を請求できない。
Aは3分の1の持分については実体上の権利者だから、A単独名義の登記は全部が無効なのではなく、B・Cの持分に相当する部分だけが実体に合わない。Bが求められるのは自己の持分が害されている限度の是正である。
根拠最判平15.7.11
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、CがBのみの承諾を得て占有している場合には、Aは、Cに対して、当該土地の全部の明渡しを請求することができる。
解答:×
共有者の一部の者の承認を得て共有物を占有する第三者に対し、他の共有者は当然には明渡しを請求することができない。
Cは持分3分の1の共有者Bの承諾を得て占有しており、Bの持分に基づく占有権原の裏付けがある。Aが3分の2の持分を有していても、当然には土地全部の明渡しを請求できない。
根拠最判昭41.5.19最判昭63.5.20
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分は各2分の1)がCにより不法に占有されたことを理由として、Aが、Cに対して、その損害賠償を求める場合には、Aは、Bの持分の割合に応じた部分も含めた損害全部につきこれを請求することができる。
解答:×
共有物が第三者に不法に占有された場合の損害賠償請求は、各共有者が自己の持分の割合の限度でのみすることができる。
Aが請求できるのは自己の持分2分の1に応じた部分までである。
根拠最判昭41.3.3最判昭51.9.7
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、AがBに無断で宅地造成工事をして当該土地に変更を加えたときは、当該土地の原状の回復が可能であったとしても、Bは、Aに対して、当該土地の原状回復を請求することができない。
解答:×
無断の変更行為に対しては、各共有者は持分権に基づき全部の禁止と原状回復を請求できる。
共有物に変更を加えるには共有者全員の同意が要り、AがBに無断でした宅地造成工事はこれに違反する。原状の回復が可能である以上、少数持分権者Bも原状回復を請求できる。
根拠最判平10.3.24
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
A及びBが共有し、所有権の登記名義人となっている土地(持分はAが3分の2、Bが3分の1)について、A及びBが共同してCに賃貸している場合において、Cの債務不履行を理由とする賃貸借契約の解除は、Aが単独ですることができる。
解答:○
共有物の賃貸借契約の解除は管理に関する事項であり、各共有者の持分の価格の過半数で決する。
賃貸借契約の解除は管理に関する事項だから持分の価格の過半数で決する。Aの持分は3分の2で単独で過半数に達する。
根拠民法252条1項最判昭39.2.25
出典:法務省 平成27年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。