電卓:表のキーが、選んだ電卓の押し方に変わります※F-570X の押し方は取扱説明書から読み替えたもの

座標計算 入門

土地家屋調査士の記述式(土地)で使う計算の、いちばん最初の部分です。高校の数学Ⅰ(三角比・三平方の定理)を少し覚えていれば読めるように(三角比は 1-4 で見直します)、図をたくさん使って書きました。電卓は Canon F-789SG を使います(電卓の使い方)。

もくじ
  1. 準備 ─ 電卓の使い方(別ページ)
  2. 第1章 測量の座標と方向角
  3. 第2章 2 点から「距離」と「向き」を出す
  4. 第3章 「向き」と「距離」で点を動かす(放射)
  5. 第4章 2 本の線の交点
  6. 第5章 面積
  7. 公式一覧
  8. この先へ

もくじ ↑準備電卓の使い方

先に読むページ使うキーの場所(写真)、最初の設定、点の入れ方(80 + 60i(アイ) の形)、メモリの決まり、電卓の表の読み方は、電卓の使い方のページにまとめました。まだなら、先にそちらを読んでください。

もくじ ↑第1章 測量の座標と方向角この章では電卓を使いません

1-1 X が北、Y が東

数学の授業では、横が x、縦が y でした。測量では反対で、縦(北)が X、横(東)が Y です。

数学の座標 xy 角は左回り 測量の座標 Y(東)X(北) 角は北から右回り
図0 縦と横が入れ替わり、角の回り方も逆になる

角度の測り方もちがいます。数学では x 軸から左回りでしたが、測量では北から右回り(時計回り)に測ります。方位磁石や地図と同じ感覚です。

1-2 方向角

方向角は、「北から右回りに何度か」で表した向きです。0° から 360° まで使います。

北 0°北東 45°東 90°南東 135°南 180°南西 225°西 270°北西 315°
図1 方向角と方角。北が 0°、そこから右回りに 360° まで
方向角0°90°180°270°
方角北東南西

たとえば A から B を見たときの方向角 θ(シータ) は、下の図のように、北の向きから右回りに B の向きまで回った角です。

北東南西BAθ
図2 A から B への方向角 θ(北から右回り)

1-3 観測角(水平角)

現場では、器械を立てた点(器械点)から、向きの分かっている点(後視点)をまず見て、その向きを 0° にします。そこから右回りに、測りたい点まで回した角が観測角です(水平角ともいいます)。

器械点 T1後視点 T2P観測角ここが 0°
図3 T2 を 0° にして、右回りに P まで回した角が観測角

北から後視点までの角(後視点への方向角)と、後視点から P までの角(観測角)をつなげると、北から P までの角、つまり P への方向角になります。

P への方向角 = 後視点への方向角 + 観測角
例 1後視点への方向角が 60°、観測角が 250° のとき。
北東南西後視点P60°観測角 250°
図4 後視点が 60°、観測角 250° → 60° + 250° = 310°

緑の弧(60°)と青の弧(250°)をつなげて、60° + 250° = 310°。北西寄りの向きです。

例 2後視点への方向角が 300°、観測角が 120° のとき。
北東南西後視点P300°観測角 120°
図5 後視点が 300°、観測角 120° → 420°。北(360°)を通り越したので 360° 引いて 60°

300° + 120° = 420°。図を見ると、青の弧が北(0°)を通り越してもう一周目に入っています。1 周は 360° なので、420° − 360° = 60°。北東寄りの向きです。

ポイント足して 360° を超えたら、360° を引く。「北を通り越したら 1 周分引く」と覚えます。

1-4 三角比(sin・cos・tan)

このあと sin・cos・tan を使います。数学Ⅰの三角比を、教科書と同じ半径 1 の円で見直しておきます。

中心 O、半径 1 の円をかきます。横の軸(x 軸)から左回りに θ だけ回った所の、円の上の点を U とします。

UOxycos θ(横)sin θ(縦)1θ
図6 半径 1 の円(数学の教科書と同じ向き)。斜め 1 のときの縦が sin θ(緑)、横が cos θ(青)
cos θ = U の横(x)  sin θ = U の縦(y)  tan θ = 縦 ÷ 横

斜め(OU)の長さが 1 なので、sin θ は「斜め 1 のときの縦」、cos θ は「斜め 1 のときの横」です。値は電卓の sin cos tan で出るので、覚える数はありません。

斜めが 1 ではなく L なら、三角形は形が同じまま L 倍になるので、縦も横も L 倍です。

縦 = 斜め × sin θ  横 = 斜め × cos θ  (逆に、sin θ = 縦 ÷ 斜め、cos θ = 横 ÷ 斜め)

直角三角形の言葉で言うと、θ と向かい合う辺(向かいの辺、図の縦)が sin、θ のとなりの辺(となりの辺、図の横)が cos、斜めの辺が斜辺です。

測量では、角を横の軸からではなく、北から右回りに測ります(1-2)。そのため θ のとなりの辺が北向き、向かいの辺が東向きになり、縦と横の役が入れ替わります。「となりが cos、向かいが sin」は同じです。

となりの辺(北へ)向かいの辺(東へ)斜辺θ
図7 角 θ から見て、となりの辺(青)・向かいの辺(緑)・斜辺(赤)
北へ = 斜辺 × cos θ  東へ = 斜辺 × sin θ

1-5 正弦定理(直角でない三角形)

直角三角形でない三角形の辺の長さは、数学Ⅰの正弦定理で出します。なぜそうなるかは数学Ⅰの教科書にあります。ここでは使い方だけ覚えます。

三角形の辺には、それぞれ向かいの角(その辺の両端ではない、残りの頂点の角)があります。図では、同じ色の辺と角が向かい合っています。

ABC60°45°BC = 10AC = ?
図8 赤い辺 BC の向かいは A の角、青い辺 AC の向かいは B の角、緑の辺 AB の向かいは C の角
辺 ÷ sin(向かいの角) は、3 つの辺のどれで計算しても同じ

だから、1 つの辺とその向かいの角が分かっていれば、ほかの辺は次の形で出せます。

知りたい辺 = 分かっている辺 × sin(知りたい辺の向かいの角) ÷ sin(分かっている辺の向かいの角)
例BC = 10、A の角 60°、B の角 45° のとき、AC は?

知りたい AC の向かいの角は B(45°)。分かっている BC の向かいの角は A(60°)。
AC = 10 × sin 45° ÷ sin 60° = 10 × 0.707… ÷ 0.866… = 8.16…

三角形の角は 3 つ足すと 180° なので、2 つ分かれば残りも出ます。三角形がどんな形・どんな向きでも、この決まりは同じです。応用編の隅切りや三角形のパターンで使います。

練習 1

  1. 方向角 90° はどの方角? 180° は? 270° は?
  2. 方向角 225° の向きは、北東・南東・南西・北西のどれ?
  3. 後視点への方向角が 135°、観測角が 300° のとき、測った点への方向角は?
答えと解説
1. 90°・180°・270° の方角

考え方 方向角は北が 0° で、右回りに 1 周 360°。4 分の 1 周(90°)ずつ回ると、東 → 南 → 西 です。図2 で確かめましょう。

答え 90° は東、180° は南、270° は西。

2. 225° の方角

考え方 225° は 180°(南)と 270°(西)のあいだ。225 − 180 = 45、270 − 225 = 45 なので、ちょうどまん中です。

北東南西225°
225° は南(180°)と西(270°)のまん中 → 南西

答え 南西

3. 135° + 300°

考え方

  1. 後視点への方向角と観測角を足す:135° + 300° = 435°
  2. 360° を超えたか見る:435° は超えている(図で、青の弧が北を通り越している)
  3. 360° を引く:435° − 360° = 75°
北東南西後視点P135°観測角 300°
135° + 300° = 435° → 北を通り越したので 360° を引いて 75°

答え 75°(北東寄り。東に近い向き)

もくじ ↑第2章 2 点から「距離」と「向き」を出す

2-1 ΔX と ΔY(どれだけ動いたか)

A(100.00, 100.00)から B(112.00, 109.00)へ行くと、X は 100 → 112 で 12 増え、Y は 100 → 109 で 9 増えます。この「増えた分」を ΔX(デルタエックス)、ΔY(デルタワイ) と書きます(Δ は「デルタ」と読み、「差」の意味です)。

ΔX = B の X − A の X = 112 − 100 = 12
ΔY = B の Y − A の Y = 109 − 100 = 9

引き算はいつも「行き先 − 出発点」です。図にすると、A から北へ 12、東へ 9 進むと B に着く、ということです。

ABΔX = 12ΔY = 9距離θ
図9 A(100, 100)から B(112, 109)へ。北へ 12、東へ 9

2-2 距離は三平方の定理

図の破線と赤い線は、直角三角形になっています。赤い線(斜辺)が A と B の距離です。

距離 = √ルート(ΔX² + ΔY²) = √(12² + 9²) = √(144 + 81) = √225 = 15

2-3 向きは tan から

同じ三角形を、角 θ から見ます。θ は北から測るので、θ のとなりの辺は北向きの ΔX、向かいの辺は東向きの ΔY です(1-4 の図と同じ形)。

θとなりの辺 12向かいの辺 9斜辺
図10 θ のとなりの辺が北向きの 12、向かいの辺が東向きの 9

1-4 のとおり、tan θ = 向かいの辺 ÷ となりの辺 = 東へ ÷ 北へ なので、

tan θ = ΔY ÷ ΔX = 9 ÷ 12 = 0.75

さて、tan θ = 0.75 になる θ は何度でしょう。

2-4 tan⁻¹(タンジェント・インバース)─ tan を逆にたどる

数学Ⅰでは「角度から tan の値を出す」ことをしました(tan 45° = 1 など)。ここでは逆に、tan の値から角度を出したいのです。この逆向きの計算を tan⁻¹(タンジェント・インバース) と書きます(アークタンジェントとも呼びます)。

向きやること例
tan角度 → 値tan 36.87° = 0.75
tan⁻¹値 → 角度tan⁻¹ 0.75 = 36.87°

電卓では Shift tan で tan⁻¹ になります。

押すキー画面意味
Shift tan 0.75tan⁻¹(0.75式を確かめる
=36.86989765度(小数で出る)
°′″36°52′11.6″度分秒に直す
度・分・秒測量では角度を「度・分・秒」で書きます。時計の時間と同じで、1° = 60′(分)、1′ = 60″(秒)です。
36.86989765° の端数 0.86989765° を分に直すと × 60 で 52.1938…′、その端数 0.1938…′ を秒に直すと × 60 で 11.6″。
だから 36.86989765° = 36°52′11.6″。電卓の °′″ キーがこの直しをしてくれます。

2-5 tan⁻¹ の落とし穴:向きが南や西のとき

A から見て、北東・南東・南西・北西の 4 つの点を考えます。

北東南西B(ΔX+ ΔY+)D(ΔX− ΔY+)C(ΔX− ΔY−)E(ΔX+ ΔY−)A
図11 A から見た 4 つの向き。ΔX・ΔY の符号で、どの方角か決まる

たとえば C(88.00, 91.00)は A の南西にあり、ΔX = −12、ΔY = −9 です。ΔY ÷ ΔX = (−9) ÷ (−12) = 0.75 で、B のときと同じ 0.75 になってしまいます。tan⁻¹ も同じ 36°52′11.6″ を返します。でも本当の向きは南西で、方向角は 216°52′11.6″ です。

tan⁻¹ は −90°〜90°(北寄りの半分)の答えしか返さないので、南寄りの向きのときは自分で直す必要があります。

点ΔXΔY向き方向角の出し方
B++北東tan⁻¹ の答えのまま
D−+南東tan⁻¹ の答え + 180°
C−−南西tan⁻¹ の答え + 180°
E+−北西tan⁻¹ の答え + 360°
方向角 = tan⁻¹(ΔY ÷ ΔX) (南寄り・北西なら上の表で直す)

こんな表を毎回思い出すのは大変です。そこで電卓の出番です。

2-6 電卓なら Abs と Arg で一発

点を i 付きの 1 つの数で入れておくと、B − A と打つだけで「ΔX + ΔYi」が一度に出ます(X どうし、Y どうしが別々に引き算されます)。

B − A = (112 + 109i) − (100 + 100i) = 12 + 9i

これは「A から B へ行く矢印」を 1 つの数で表したものです。この矢印に、次の 2 つのキーを使います。

キー出るもの
Abs矢印の長さ = 距離(三平方を自動でやってくれる)
Apps 3Apps 1(Arg(アーギュメント))矢印の向き = 方向角(南や西の直しも自動)
距離の公式
距離 = Absアブソリュート(B − A)
方向角の公式
方向角 = Arg(B − A) (マイナスで出たら + 360°)
例題 1A(100.00, 100.00)から B(112.00, 109.00)へ。2-1〜2-4 で手で計算したのと同じ問題です。
押すキー画面意味
100 + 100 ENGi Shift RCLSTO A100+100i→AA の座標を、メモリ A にしまう
112 + 109 ENGi Shift RCLSTO B112+109i→BB の座標を、メモリ B にしまう
Abs RCL BAlpha B − RCL AAlpha A )Abs(B−A)B − A の長さ。式を確かめる
=15距離
Apps 3Apps 1 RCL BAlpha B − RCL AAlpha A )Arg(B−A)B − A の向き。式を確かめる
=36.86989765方向角(度)
°′″36°52′11.6″度分秒に直す

手計算と同じ答えです。

例題 2同じ A から、南西の C(88.00, 91.00)へ。今度は C − A です(行き先が C だから)。
押すキー画面意味
88 + 91 ENGi Shift RCLSTO C88+91i→CC の座標を、メモリ C にしまう
Abs RCL CAlpha C − RCL AAlpha A )Abs(C−A)C − A の長さ。式を確かめる
=15距離
Apps 3Apps 1 RCL CAlpha C − RCL AAlpha A )Arg(C−A)C − A の向き。式を確かめる
=−143.1301024マイナスで出た
+ 360Ans+360さっきの答え(Ans)に 360 を足す式
=216.8698976
°′″216°52′11.6″方向角

Arg は、北から左回りの向きをマイナスで返します。−143.13° は「北から左回りに 143.13°」という意味です。右回りに直すには 360° を足します。

CA-143.13°(左回り)216.87°(右回り)
図12 Arg は左回りをマイナスで返す。360° を足すと右回りの方向角になる
ポイント引き算は「行き先 − 出発点」。A から B を見るなら B − A、A から C を見るなら C − A。逆に A − B と打つと、B から A を見た向きになり、180° ずれます。

合わないときに見る順番:① 方向角が見当(北東・南東…)の範囲か → ② 引き算の順 → ③ マイナスなら +360°

練習 2

  1. A(50.00, 50.00)から B(58.00, 56.00)への距離と方向角。
  2. A(50.00, 50.00)から D(45.00, 62.00)への距離と方向角。
  3. P(200.00, 300.00)から Q(191.50, 288.40)への距離と方向角(P はメモリ 0、Q はメモリ 9 にしまう)。
答えと解説
出発点ΔX=+8.00ΔY=+6.00
1. 北東向き
出発点ΔX=-5.00ΔY=+12.00
2. 南東向き(ΔX がマイナス)
出発点ΔX=-8.50ΔY=-11.60
3. 南西向き(どちらもマイナス)
1. A(50.00, 50.00)から B(58.00, 56.00)
  1. 向きの見当:ΔX = +8.00、ΔY = +6.00 → 北東(方向角は 0°〜90° のはず)
  2. 距離の公式 Abs(B − A)、方向角の公式 Arg(B − A)
押すキー画面意味
50 + 50 ENGi Shift RCLSTO A50+50i→AA の座標を、メモリ A にしまう
58 + 56 ENGi Shift RCLSTO B58+56i→BB の座標を、メモリ B にしまう
Abs RCL BAlpha B − RCL AAlpha A )Abs(B−A)B − A の長さ。式を確かめる
=10距離
Apps 3Apps 1 RCL BAlpha B − RCL AAlpha A )Arg(B−A)B − A の向き。式を確かめる
=36.86989765方向角(度)
°′″36°52′11.6″度分秒に直す

答え 距離 10.00、方向角 36°52′11.6″(北東)

検算 方向角が見当(0°〜90°)に入っているか。

2. A(50.00, 50.00)から D(45.00, 62.00)
  1. 向きの見当:ΔX = −5.00、ΔY = +12.00 → 南東(方向角は 90°〜180° のはず)
  2. 距離の公式 Abs(D − A)、方向角の公式 Arg(D − A)
押すキー画面意味
50 + 50 ENGi Shift RCLSTO A50+50i→AA の座標を、メモリ A にしまう
45 + 62 ENGi Shift RCLSTO D45+62i→DD の座標を、メモリ D にしまう
Abs RCL DAlpha D − RCL AAlpha A )Abs(D−A)D − A の長さ。式を確かめる
=13距離
Apps 3Apps 1 RCL DAlpha D − RCL AAlpha A )Arg(D−A)D − A の向き。式を確かめる
=112.6198649方向角(度)
°′″112°37′11.5″度分秒に直す

答え 距離 13.00、方向角 112°37′11.5″(南東)

検算 方向角が見当(90°〜180°)に入っているか。

3. P(200.00, 300.00)から Q(191.50, 288.40)
  1. 向きの見当:ΔX = −8.50、ΔY = −11.60 → 南西(方向角は 180°〜270° のはず)
  2. 距離の公式 Abs(Q − P)、方向角の公式 Arg(Q − P)(マイナスなら + 360°)
押すキー画面意味
200 + 300 ENGi Shift RCLSTO 0200+300i→0P の座標を、メモリ 0 にしまう
191.5 + 288.4 ENGi Shift RCLSTO 9191.5+288.4i→9Q の座標を、メモリ 9 にしまう
Abs RCL 9 − RCL 0 )Abs(9−0)Q − P の長さ。式を確かめる
=14.3808901距離
Apps 3Apps 1 RCL 9 − RCL 0 )Arg(9−0)Q − P の向き。式を確かめる
=−126.2324188マイナスで出た
+ 360Ans+360360 を足す式
=233.7675812
°′″233°46′3.3″度分秒に直す

答え 距離 14.38、方向角 233°46′3.3″(南西)

検算 方向角が見当(180°〜270°)に入っているか。

この章の練習ドリル「2 点から距離と向き」で、数字のちがう問題を解けます。

もくじ ↑第3章 「向き」と「距離」で点を動かす(放射)

3-1 まず手で計算する

第2章の逆です。A から、方向角 θ の向きに距離 L だけ進んだ点 P を出します。第2章と同じ直角三角形で、今度は斜辺 L と角 θ が分かっていて、ΔX と ΔY を出したいのです。

APΔX = L cos θ(となり)ΔY = L sin θ(向かい)L(斜辺)θ
図13 θ は北から測るので、北向きの辺が θ のとなり(cos)、東向きの辺が向かい(sin)

1-4 のとおり、斜辺が L なら、となりの辺(北へ)= L × cos θ、向かいの辺(東へ)= L × sin θ なので、

ΔX(北へ)= L cos θ  ΔY(東へ)= L sin θ
例A(100.00, 100.00)から方向角 30° の向きに 20 m。

ΔX = 20 × cos 30° = 20 × 0.8660… = 17.3205…
ΔY = 20 × sin 30° = 20 × 0.5 = 10
P =(100 + 17.3205…, 100 + 10)=(117.32, 110.00)

南や西へ進むときθ が 90° を超えると cos はマイナスになり、ΔX がマイナス(南へ)になります。180° を超えると sin もマイナス(西へ)。符号は sin・cos が自動で付けてくれるので、直しは要りません(練習 3 の 1 で確かめます)。

3-2 電卓では ∠ を使う

電卓の ∠(かく)(F-789SG では ∫Shift ∠ のキー。複素数モードでは押すだけで ∠ が出る)は、「距離 ∠ 向き」と書くと、L cos θ と L sin θ を一度に作ってくれるキーです。つまり「その向きにその距離だけ進む矢印」を 1 つの数で作ります。それを A に足せば P です。

移動の公式
P = A + L∠θ
(この例では P = A + 20∠30)
押すキー画面意味
(A の座標 100 + 100i は、メモリ A にしまってある)
RCL AAlpha A + 20 ∫Shift ∠ 30A+20∠30A から 30° の向きに 20 進む。式を確かめる
=117.3205081+110iP の座標

画面の答えは 117.3205081 + 110i。i の付いていない方が X、付いている方が Y なので、P =(117.32, 110.00)です。

合わないときに見る順番:① 画面の上の D(度)の表示 → ② 距離 Abs(P − A) が 20 か

丸めの約束点の座標は、小数第 3 位を四捨五入して第 2 位までにします(試験の注意書きでほぼ毎年こう指定されます)。117.3205081 → 117.32。次の計算には、丸めた値を入れ直して使います。

3-3 放射:観測の表から点を出す

試験では、次のような表で出てきます。第1章の「方向角 = 後視点への方向角 + 観測角」と、第2章の Arg、3-2 の ∠ を組み合わせます。

放射の公式
P = 器械点 + 距離∠( Arg(後視点 − 器械点) + 観測角 )
例題
点XY
T185.37113.90
T284.28147.98
器械点後視点観測点観測角距離
T1T2P253°48′28″16.81

表は「T1 に器械を立て、T2 を 0° にして、右回りに 253°48′28″ 回したところに、16.81 m 先の P があった」と読みます。

北T1(器械点)T2(後視点)P① 91°49′55″観測角 253°48′28″16.81
図14 ① T1 から T2 への方向角に、観測角を足すと P への方向角(345°38′23″)

考え方

  1. T1 から T2 への方向角を出す:Arg(T2 − T1) = 91°49′55″(図の緑の弧)
  2. 観測角を足して P への方向角:① + 253°48′28″(図の青の弧)
  3. T1 から、その向きに 16.81 m 進む:P = T1 + 16.81∠②

電卓(T1 の座標はメモリ X に、T2 の座標はメモリ Y にしまいます)

押すキー画面意味
85.37 + 113.9 ENGi Shift RCLSTO X85.37+113.9i→XT1 の座標を、メモリ X にしまう
84.28 + 147.98 ENGi Shift RCLSTO Y84.28+147.98i→YT2 の座標を、メモリ Y にしまう
Apps 3Apps 1 RCL YAlpha Y − RCL XAlpha X )Arg(Y−X)T2 − T1 の向き。式を確かめる
=91.83189899①
RCL XAlpha X + 16.81 ∫Shift ∠ ( Ans + 253 °′″ 48 °′″ 28 °′″ )X+16.81∠(Ans+253°48′28″)T1 + 16.81∠(① + 観測角)。式を確かめる。かっこを忘れていないか
=101.654774+109.730799iP の座標

答え P(101.65, 109.73)

ポイント
よくある間違い表の「器械点」と「後視点」を逆に読む。器械点が T2、後視点が T1 なら、出発点は T2 です。①は Arg(T1 − T2)、③は T2 + 距離∠(Ans + 観測角) になります。いつも「行き先(後視点)− 出発点(器械点)」です(練習 3 の 3)。

合わないときに見る順番:① Arg の答え(①)が、この本の表と同じか(引き算の順) → ② Abs(P − 器械点) が距離に戻るか(かっこ・器械点) → ③ 戻るのに座標がずれるなら、観測角の °′″

練習 3

  1. A(50.00, 50.00)から方向角 135° に 10.00 m 進んだ点。
  2. T1(120.00, 80.00)、T2(135.00, 100.00)。器械点 T1・後視点 T2、観測角 120°30′00″、距離 12.50 で観測した点 P は?
  3. 同じ T1・T2 で、器械点 T2・後視点 T1、観測角 95°00′00″、距離 10.00 で観測した点 D は?
答えと解説
1. A(50.00, 50.00)から方向角 135° に 10.00 m
  1. 見当:135° は南東。南へ(X が減る)、東へ(Y が増える)進むはず
  2. 移動の公式:A + 10∠135
AΔX=10 cos135°=-7.07ΔY=10 sin135°=+7.07135°
cos 135° はマイナス → 南へ進む。符号は電卓が自動で付ける
押すキー画面意味
50 + 50 ENGi Shift RCLSTO A50+50i→AA の座標を、メモリ A にしまう
RCL AAlpha A + 10 ∫Shift ∠ 135A+10∠135式を確かめる
=42.92893219+57.07106781i点の座標

答え (42.93, 57.07)

2. 器械点 T1・後視点 T2、観測角 120°30′00″、距離 12.50

考え方(3-3 の例題と同じ 3 段)

  1. T1 から T2 への方向角:Arg(T2 − T1) = 53.13010235°(53°07′48″)
  2. 観測角を足して P への方向角:53°07′48″ + 120°30′00″ = 173°37′48″
  3. P = T1 + 12.50∠②
北T1(器械点)T2(後視点)P観測角
2. 器械点 T1、後視点 T2

電卓

押すキー画面意味
120 + 80 ENGi Shift RCLSTO X120+80i→XT1 の座標を、メモリ X にしまう
135 + 100 ENGi Shift RCLSTO Y135+100i→YT2 の座標を、メモリ Y にしまう
Apps 3Apps 1 RCL YAlpha Y − RCL XAlpha X )Arg(Y−X)T2 − T1 の向き。式を確かめる
=53.13010235①
RCL XAlpha X + 12.5 ∫Shift ∠ ( Ans + 120 °′″ 30 °′″ 0 °′″ )X+12.5∠(Ans+120°30′0″)T1 + 12.5∠(① + 観測角)。式を確かめる
=107.5771707+81.38683507iP の座標

答え P(107.58, 81.39)

3. 器械点 T2・後視点 T1、観測角 95°00′00″、距離 10.00

考え方 今度は器械点が T2。出発点は T2、行き先(後視点)は T1 です。

  1. T2 から T1 への方向角:Arg(T1 − T2) = −126.8698976°(マイナスのままでよい。∠ は −126.87° を 233.13° と同じ向きとして扱う)
  2. 観測角を足して D への方向角:① + 95°
  3. D = T2 + 10.00∠②
北T2(器械点)T1(後視点)D観測角
3. 器械点が T2、後視点が T1。出発点は T2

電卓(T1・T2 は 2 の続きでメモリ X・Y にしまってある)

押すキー画面意味
Apps 3Apps 1 RCL XAlpha X − RCL YAlpha Y )Arg(X−Y)T1 − T2 の向き(2 と逆)。式を確かめる
=−126.8698976①
RCL YAlpha Y + 10 ∫Shift ∠ ( Ans + 95 )Y+10∠(Ans+95)T2 + 10∠(① + 95°)。出発点が Y(T2)になっているか式を確かめる
=143.492492+94.72007775iD の座標

答え D(143.49, 94.72)

この章の練習ドリル「放射」で、数字のちがう問題を解けます。

もくじ ↑第4章 2 本の線の交点

4-1 方向角から「傾き」を作る

第2章で、tan θ = ΔY ÷ ΔX でした。ΔX が 1 のときを考えると、ΔY = tan θ です。つまり方向角 θ の直線は、「X が 1 増えると、Y が tan θ 増える」直線です。

AX が 1 増えるY が 0.5 増える
傾き 0.5(tan θ = 0.5)
AX が 1 増えるY が 0.6 減る
傾き -0.6(tan θ = -0.6)

この本では、この tan θ を、その直線の傾きと呼ぶことにします。数学の傾き(x が 1 増えると y がいくつ増えるか)の、x を X、y を Y に置きかえたものです。

傾き = tan θ = ΔY ÷ ΔX

傾きがマイナスなら、X が増えると Y が減る(北へ行くほど西へずれる)線です。

4-2 直線の式

点 A を通る、傾き m の直線を考えます。線の上の点 (X, Y) は、A から X が (X − AX(A の X 座標)) 増えたところにあります。X が 1 増えるごとに Y は m 増えるので、Y は m × (X − AX) だけ増えています。

A線の上の点 (X, Y)X − AXm (X − AX)
図15 X が (X − AX) 増えると、Y は m 倍の m (X − AX) 増える。だから Y = AY + m (X − AX)
Y = AYA の Y 座標 + m (X − AX)

(AX・AY は A の X 座標・Y 座標のことです。)

4-3 連立方程式を思い出す

中学で習った連立方程式を、ここで思い出しておきます。

連立方程式とは、「2 つの式を両方とも成り立たせる X と Y を探す」ことです。直線の式は「その線の上の点ならこの式が成り立つ」という意味なので、2 本の直線の式を両方とも成り立たせる点は、2 本の線の両方の上にある点 = 交点です。

小さな例で練習直線 ① Y = 2X と、直線 ② Y = 6 − X の交点を求める。
交点(2, 4)XY① Y = 2X② Y = 6 − X112233445566
2 本の線の交点だけが、① と ② の両方の式を満たす
  1. 交点では、① の Y と ② の Y が同じ数。だから右辺どうしを「=」で結べる。
    2X = 6 − X
  2. X を左側に集める。右辺の「− X」を左辺に移すと「+ X」になる(これを移項といいます。両辺に X を足したのと同じ)。
    2X + X = 6
  3. まとめる。2X + X は 3X。
    3X = 6
  4. 両辺を 3 で割る。
    X = 2
  5. Y を出す。X = 2 を ① に入れる(代入する)。
    Y = 2 × 2 = 4
  6. 確かめ。② にも入れて同じ Y になるか。6 − 2 = 4。合っている。

答え 交点(2, 4)

連立方程式の手順(まとめ)
  1. 2 つの式の右辺を「=」で結ぶ(Y を消す)
  2. X の入った項を左に、数だけの項を右に移項する(移すと符号が変わる)
  3. まとめて、X の前の数で割る
  4. 出た X をどちらかの式に代入して Y を出す
  5. もう一方の式でも確かめる

4-4 交点を連立方程式で出す(例題)

例題A(100, 100)から B(110, 105)へ向かう直線①と、C(100, 110)から D(110, 104)へ向かう直線②の交点 E を求めよ。
ABCDE(交点)
図16 直線①(A から B へ)と直線②(C から D へ)。北が上
  1. 傾き(ΔY ÷ ΔX)
    直線①:A から B へ ΔX = 10、ΔY = 5 → 5 ÷ 10 = 0.5
    直線②:C から D へ ΔX = 10、ΔY = −6 → (−6) ÷ 10 = −0.6
  2. 直線の式(4-2 の Y = AY + m (X − AX) に入れる)
    ① Y = 100 + 0.5 (X − 100)
    ② Y = 110 − 0.6 (X − 100)
    ② は C(100, 110)を通るので、AX・AY のところに C の 100・110 を入れます。傾きが −0.6 なので、「+ (−0.6)」は「− 0.6」になります。
  3. 右辺どうしを「=」で結ぶ
    100 + 0.5 (X − 100) = 110 − 0.6 (X − 100)
  4. 「X − 100」をひとかたまりで見る。どちらの式にも同じ「X − 100」が出てくるので、これを □ と書くと見やすくなります。
    100 + 0.5 □ = 110 − 0.6 □
  5. □ を左に、数を右に移項(移すと符号が変わる)
    0.5 □ + 0.6 □ = 110 − 100
  6. まとめる
    1.1 □ = 10
  7. 1.1 で割る
    □ = 10 ÷ 1.1 = 9.0909…
  8. □ を X に戻す。□ は X − 100 だったので
    X − 100 = 9.0909… → X = 109.0909…
  9. Y を出す。① に代入(□ = 9.0909… をそのまま使うと楽)
    Y = 100 + 0.5 × 9.0909… = 104.5454…
  10. 確かめ。② にも代入:110 − 0.6 × 9.0909… = 104.5454…。同じなので合っている。

答え E(109.09, 104.55)

4-5 電卓では「傾き + i」で機械的に

4-4 のとおり、連立方程式は手順が多く、移項の符号も間違えやすいです。電卓では、同じ計算をいつも同じ形の 2 行で済ませます。

交点の公式 ─ この 2 行は、理由は考えずにそのまま覚えてしまいましょう

準備:直線①の「傾き + i」をメモリ X に、直線②の「傾き + i」をメモリ Y にしまう。A は直線①の上の点、C は直線②の上の点。
(ここでの X・Y はメモリの名前です。座標の X・Y とは別物なので注意。「A X」は「A × メモリ X」のかけ算で、4-2 の AX(A の X 座標)とは別物です。)

1 行目 交点の X = Realリアル( (A X − C Y) ÷ (X − Y) ) → 答えを紙にメモ
2 行目 交点の Y = Real( (Ans − A) X )

覚え方:1 行目は「A と X、C と Y がペア」で、÷ の前も後ろも引き算。2 行目は「いま出た答え(Ans)から A を引いて、メモリ X を掛ける」。

1 行目の答え(交点の X)は、メモリにしまわず紙にメモします。メモリ E などにしまうと、点 E の座標を消してしまうことがあるからです。2 行目は Ans(さっきの答え)でそのまま続けられます。

なぜこれで交点が出るのかは 4-6 に書きましたが、読み飛ばしてかまいません。この 2 行を覚えて、正しく打てれば十分です。

例題(4-4 と同じ直線)でやってみます。傾きは ① 0.5、② −0.6 です。

押すキー画面意味
(A・C の座標は、メモリ A・C にしまってある)
0.5 + ENGi Shift RCLSTO X0.5+i→X直線①の「傾き + i」を、メモリ X にしまう
(−) 0.6 + ENGi Shift RCLSTO Y−0.6+i→Y直線②の「傾き + i」を、メモリ Y にしまう
Apps 5Apps 3 ( RCL AAlpha A RCL XAlpha X − RCL CAlpha C RCL YAlpha Y ) ÷ ( RCL XAlpha X − RCL YAlpha Y ) )Real((AX−CY)÷(X−Y))式を確かめる
=109.0909091交点の X(紙にメモ)
Apps 5Apps 3 ( Ans − RCL AAlpha A ) RCL XAlpha X )Real((Ans−A)X)交点の公式 2 行目。Ans は 1 行目の答え。式を確かめる
=104.5454545交点の Y

4-4 の連立方程式と同じ答えになりました。

合わないときに見る順番:① メモリ X・Y に i が付いているか(画面に 0.5+i)→ ② 1 行目のかっこ → ③ 確かめ算:紙にメモした交点の X を使って Real((メモした X − C) Y)(直線②の点とその傾き)でも計算し、同じ Y になるか

4-6 なぜ連立方程式と同じになるのか(読み飛ばしてもよい)

複素数のかけ算は、ふつうの文字式の展開と同じです。ただ 1 つだけ、i × i = −1 というルールがあります。これで「A × (傾き + i)」を展開してみます。

(100 + 100i)(0.5 + i)
= 100 × 0.5 + 100i + 100i × 0.5 + 100i × i
= 50 + 100i + 50i − 100
= −50 + 150i

実部の −50 は「AX × 傾き − AY」= 100 × 0.5 − 100 です。直線①の式 Y = AY + m (X − AX) を移項したときに出てくる定数の部分と同じものです。C も同じように展開すると、

(100 + 110i)(−0.6 + i) = −170 + 34i

分母の X − Y は (0.5 + i) − (−0.6 + i) = 1.1。i どうしは打ち消し合って、傾きの差だけが残ります。実部だけを見ると、

(−50 − (−170)) ÷ 1.1 = 120 ÷ 1.1 = 109.0909…

4-4 の連立方程式と同じ 109.0909… が出ました。つまりこの 1 行は、連立方程式の解き方を、点と傾きを入れるだけの形に詰めたものです。虚部の数には意味がないので、Real で実部だけを取ります。

実際の試験では傾きは、点の引き算から tan(Arg(B − A)) + i と打てば作れます。ΔY ÷ ΔX を自分で計算しなくて済みます。
使えないとき真東・真西に走る線(方向角 90° や 270°、つまり 2 点の X 座標が同じ線)は、北へ 1 も進まないので傾きが無限大になります。連立方程式でも電卓の式でも使えません。でもこのときは、交点の X が線の 2 点と同じ X にもう決まっています。だから 1 行目は要らず、2 行目(交点の X から Y を出す式)を、もう一方の線で使うだけで済みます(応用編の軸平行パターンで扱います)。

練習 4

  1. 直線①が A(10, 20)から B(20, 25)へ、直線②が C(10, 30)から D(20, 26)へ。交点を、傾きを自分で出して交点の公式で。
  2. A(64.70, 90.05)、B(85.95, 97.30)、C(70.20, 101.40)、D(79.80, 88.10)。直線 AB と直線 CD の交点を電卓で。
答えと解説
1. 傾きを自分で出して、交点の公式で
  1. 傾き(ΔY ÷ ΔX):① 5 ÷ 10 = 0.5、② (−4) ÷ 10 = −0.4
  2. 交点の公式:傾き + i をメモリ X・Y に → 1 行目(紙にメモ)→ 2 行目
押すキー画面意味
10 + 20 ENGi Shift RCLSTO A10+20i→AA の座標を、メモリ A にしまう
10 + 30 ENGi Shift RCLSTO C10+30i→CC の座標を、メモリ C にしまう
0.5 + ENGi Shift RCLSTO X0.5+i→X直線①の「傾き + i」
(−) 0.4 + ENGi Shift RCLSTO Y−0.4+i→Y直線②の「傾き + i」
Apps 5Apps 3 ( RCL AAlpha A RCL XAlpha X − RCL CAlpha C RCL YAlpha Y ) ÷ ( RCL XAlpha X − RCL YAlpha Y ) )Real((AX−CY)÷(X−Y))式を確かめる
=21.11111111交点の X(紙にメモ)
Apps 5Apps 3 ( Ans − RCL AAlpha A ) RCL XAlpha X )Real((Ans−A)X)交点の公式 2 行目。式を確かめる
=25.55555556交点の Y

答え (21.11, 25.56)

2. 電卓で
ABCDE(交点)
練習 4-2 の図

考え方 傾きは tan(Arg(B − A)) で作れる(ΔY ÷ ΔX を手で割らなくてよい)。あとは 4-5 の手順。

押すキー画面意味
64.7 + 90.05 ENGi Shift RCLSTO A64.7+90.05i→AA の座標を、メモリ A にしまう
85.95 + 97.3 ENGi Shift RCLSTO B85.95+97.3i→BB の座標を、メモリ B にしまう
70.2 + 101.4 ENGi Shift RCLSTO C70.2+101.4i→CC の座標を、メモリ C にしまう
79.8 + 88.1 ENGi Shift RCLSTO D79.8+88.1i→DD の座標を、メモリ D にしまう
tan Apps 3Apps 1 RCL BAlpha B − RCL AAlpha A ) ) + ENGi Shift RCLSTO Xtan(Arg(B−A))+i→X直線①の「傾き + i」を、メモリ X に(傾き 0.3411764706)
tan Apps 3Apps 1 RCL DAlpha D − RCL CAlpha C ) ) + ENGi Shift RCLSTO Ytan(Arg(D−C))+i→Y直線②の「傾き + i」を、メモリ Y に(傾き −1.385416667)
Apps 5Apps 3 ( RCL AAlpha A RCL XAlpha X − RCL CAlpha C RCL YAlpha Y ) ÷ ( RCL XAlpha X − RCL YAlpha Y ) )Real((AX−CY)÷(X−Y))式を確かめる
=75.6868337交点の X(紙にメモ)
Apps 5Apps 3 ( Ans − RCL AAlpha A ) RCL XAlpha X )Real((Ans−A)X)式を確かめる
=93.79844914交点の Y

答え (75.69, 93.80)

この章の練習ドリル「2 本の線の交点」で、数字のちがう問題を解けます。

もくじ ↑第5章 面積

5-1 面積は Conjg の公式で

座標から面積を出すときは、電卓の Apps 4Apps 2(Conjg(コンジュゲート)。i の付いた方の符号を反対にするキー)を使います。何角形でも同じ形です。

  1. 点を右回り(北から見て時計回り)の順に並べる。
  2. 「Conjg(前の点) × 次の点」を、点の数だけ足す。最後は最初の点に戻る。
  3. ÷ 2 して、虚部(i の付いた方)が面積。
ABC
図17 A → B → C → A と、北から見て時計回り(右回り)に回る順に並べる
Conjg の公式
面積 = ( Conjg(A) B + Conjg(B) C + Conjg(C) A ) ÷ 2 の虚部
例題A(10, 10)、B(20, 12)、C(14, 22)の三角形の面積。
押すキー画面意味
(A・B・C の座標は、メモリ A・B・C にしまってある)
Apps 4Apps 2 RCL AAlpha A ) RCL BAlpha B + Apps 4Apps 2 RCL BAlpha B ) RCL CAlpha C + Apps 4Apps 2 RCL CAlpha C ) RCL AAlpha AConjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)A式を確かめる。最後が A に戻っているか
=1224+112i
÷ 2Ans÷2
=612+56i虚部の 56 が面積

答え 56(実部の 612 には意味がないので見ない)

五角形・六角形でも同じ
五角形:Conjg(A) B + Conjg(B) C + Conjg(C) D + Conjg(D) E + Conjg(E) A

項の数は点の数と同じ(五角形なら 5 項)。打ち終わったら数えて確かめます。

点の順番左回りに並べると、虚部がマイナスで出ます(大きさは同じ)。そのときは正の値で読みます。
しくみ(読み飛ばしてよい)

三角形の面積は、三角形を囲む長方形から、まわりの直角三角形を引けば出ます(下の図なら 120 − 10 − 30 − 24 = 56)。何角形でも三角形に分ければ出せます。Conjg の足し算は、この計算を電卓がすべての辺についてまとめてやっているのと同じです。

A(10, 10)B(20, 12)C(14, 22)103024X が 10〜20(縦 10)Y が 10〜22(横 12)
図18 長方形 120 から、まわりの 3 つ(10・30・24)を引くと、まん中の三角形 56
ABCDE
図19 五角形は、A から線を引いて三角形 3 つに分けられる。三角形の面積を足せばよい

合わないときに見る順番:① 項の数 = 点の数か、最後が最初の点に戻っているか → ② 各 Conjg の後に ) があるか → ③ ÷ 2 したか

5-2 四角形は対角線で一発

土地は四角形がとても多いので、四角形だけの近道を使います。対角線は「1 つおきの点どうし」、つまり A − C と B − D です。

ABCDθ
図20 対角線 AC と BD(赤)、そのなす角 θ。四角形 = ½ × AC × BD × sin θ
対角線の公式
四角形の面積 = Conjg(A − C) × (B − D) ÷ 2 の虚部

(中身は「½ × 対角線 × 対角線 × sin θ」という四角形の面積の式と同じ値です。)

例題A(10, 10)、B(20, 11)、C(21, 22)、D(11, 21)の四角形の面積。
  1. 並び順:A → B → C → D が右回りで、辺が交差していないことを図で確かめる(対角線が「1 つおき」になるため)
  2. 対角線の公式:Conjg(A − C)(B − D) ÷ 2 の虚部
押すキー画面意味
(A・B・C・D の座標は、メモリ A・B・C・D にしまってある)
Apps 4Apps 2 RCL AAlpha A − RCL CAlpha C ) ( RCL BAlpha B − RCL DAlpha D )Conjg(A−C)(B−D)式を確かめる。A − C と B − D になっているか
=21+218i
÷ 2Ans÷2
=10.5+109i虚部の 109 が面積

答え 109(Conjg の公式で 4 項足しても同じ 109 になる)

どちらを使う?四角形なら対角線の公式(1 項)、五角形以上なら Conjg の公式。

合わないときに見る順番:① 対角線は「1 つおきの点」(A − C と B − D)か → ② Conjg のかっこが A − C だけを囲んでいるか → ③ 虚部を読んでいるか

5-3 地積(登記に書く面積)の書き方

登記の申請書に書く面積(地積)は、計算結果を切り捨てます。

地目書き方例:196.578 ㎡
宅地・鉱泉地小数第 2 位まで(第 3 位以下は切り捨て)196.57 ㎡
それ以外(畑・雑種地・公衆用道路など)整数まで(小数は切り捨て)196 ㎡

ただし、宅地以外でも 10 ㎡以下なら小数第 2 位まで書きます。

練習 5

  1. 次の五角形の面積を Conjg の公式で求め、宅地の場合と畑の場合の地積を答えよ。
    A(100.00, 100.00)、B(104.00, 112.00)、C(98.00, 121.00)、D(90.00, 115.00)、E(91.00, 103.00)
  2. 次の四角形(宅地)の地積を、対角線の公式で求めよ。
    A(200.00, 200.00)、B(209.00, 204.00)、C(206.00, 217.00)、D(198.00, 213.00)
答えと解説
1. 五角形 ABCDE
ABCDE
A → B → C → D → E → A と右回り

考え方 A → B → C → D → E が右回りになっているのを図で確かめてから、Conjg の式を作る。最後は A に戻る。

押すキー画面意味
100 + 100 ENGi Shift RCLSTO A100+100i→AA の座標を、メモリ A にしまう
104 + 112 ENGi Shift RCLSTO B104+112i→BB の座標を、メモリ B にしまう
98 + 121 ENGi Shift RCLSTO C98+121i→CC の座標を、メモリ C にしまう
90 + 115 ENGi Shift RCLSTO D90+115i→DD の座標を、メモリ D にしまう
91 + 103 ENGi Shift RCLSTO E91+103i→EE の座標を、メモリ E にしまう
Apps 4Apps 2 RCL AAlpha A ) RCL BAlpha B + Apps 4Apps 2 RCL BAlpha B ) RCL CAlpha C + Apps 4Apps 2 RCL CAlpha C ) RCL DAlpha D + Apps 4Apps 2 RCL DAlpha D ) RCL EAlpha E + Apps 4Apps 2 RCL EAlpha E ) RCL AAlpha AConjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg(D)E+Conjg(E)A式を確かめる。5 項あるか、最後が A に戻っているか
=107514+393i
÷ 2Ans÷22 で割る
=53757+196.5i虚部の 196.5 が面積

地積 面積 196.5 ㎡。宅地なら第 2 位まで → 196.50 ㎡。畑なら整数まで切り捨て → 196 ㎡。

2. 四角形 ABCD(対角線の公式で)
ABCD
対角線は A − C と B − D

考え方 A → B → C → D が右回りで、辺が交差していないのを確かめる。対角線は A − C と B − D。

押すキー画面意味
200 + 200 ENGi Shift RCLSTO A200+200i→AA の座標を、メモリ A にしまう
209 + 204 ENGi Shift RCLSTO B209+204i→BB の座標を、メモリ B にしまう
206 + 217 ENGi Shift RCLSTO C206+217i→CC の座標を、メモリ C にしまう
198 + 213 ENGi Shift RCLSTO D198+213i→DD の座標を、メモリ D にしまう
Apps 4Apps 2 RCL AAlpha A − RCL CAlpha C ) ( RCL BAlpha B − RCL DAlpha D )Conjg(A−C)(B−D)式を確かめる
=87+241i
÷ 2Ans÷2
=43.5+120.5i虚部 120.5 が面積

地積 面積 120.5 ㎡。宅地なので小数第 2 位まで → 120.50 ㎡。

この章の練習ドリル「面積」で、数字のちがう問題を解けます。

もくじ ↑公式一覧ドリルを解くときに見返す用

電卓で使う公式に名前を付けて並べました。ドリルの解説も、この名前で呼びます。右上の数字は、説明している節です。手計算の式(三平方や cos・sin など)は、電卓の式の中身を理解するためのもので、試験で使うのはここに並べた式だけです。

距離の公式2-6
Abs(B − A)
使う場面:2 点の距離、辺長
方向角の公式2-6
Arg(B − A)(マイナスなら + 360°)
使う場面:2 点の向き
移動の公式3-2
A + L∠θ
使う場面:向きと距離から点を出す、地積測量図の距離で点を復元
放射の公式3-3
器械点 + 距離∠(Arg(後視点 − 器械点) + 観測角)
使う場面:観測の表から点を出す
交点の公式4-5
準備:メモリ X = 傾き① + i、メモリ Y = 傾き② + i(傾きは tan(Arg(B − A)))
1 行目:Real((A X − C Y) ÷ (X − Y)) → 紙にメモ
2 行目:Real((Ans − A) X)
使う場面:2 本の線の交点(後退線・隅切り・延長でも使う)
Conjg の公式5-1
(Conjg(A)B + Conjg(B)C + … + Conjg(最後の点)A) ÷ 2 の虚部
(項の数 = 点の数。右回りに並べる)
使う場面:何角形でも面積
対角線の公式5-2
Conjg(A − C)(B − D) ÷ 2 の虚部
使う場面:四角形の面積
正弦定理1-5
知りたい辺 = 分かっている辺 × sin(知りたい辺の向かいの角) ÷ sin(分かっている辺の向かいの角)
使う場面:直角でない三角形の辺(隅切りの剪除長、三角形)
いつも守る約束

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ここまでで、道具が 4 つそろいました(式は上の公式一覧)。

道具電卓章
2 点から距離と向きAbs(B − A)、Arg(B − A)第2章
向きと距離で動かすA + L∠θ第3章
2 本の線の交点交点の公式(覚える 2 行)
Real((A X − C Y) ÷ (X − Y))(メモ)
Real((Ans − A) X)
第4章
面積Conjg の公式・対角線の公式第5章

試験に出る計算(隅切り、道路の後退線、地積測量図からの復元、土地を指定の面積で分ける…)は、ほとんどがこの 4 つの組み合わせです。次は応用編で、組み合わせ方(パターン)を例題で 1 つずつ見て、ドリルで数字のちがう問題を解きます。

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