Aは、所有権の移転の登記をしなくても、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができます。
解答:○
時効の完成前に登記を経た第三者に対しては、時効取得者は登記なくして時効取得を対抗することができる。
善意無過失で占有を始めたAの10年の時効は平成12年1月1日に完成する。判例は、第三者が登記を経た後に時効が完成した場合には、登記なくして時効取得を対抗できるとする。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
平成21年度・問1
平成21年度土地家屋調査士試験の問1です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。 まず、平成10年1月1日に甲土地がBからCに譲渡されたという事例で質問します。この場合において、Aは、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができますか。
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。 次に、CがBから甲土地を譲り受けたのが平成13年1月1日であったという事例で質問します。この場合には、Aは、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができますか。
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。 同じ事例で、Aが、平成15年1月1日に、Bに対して甲土地の時効取得を主張する場合は、どうでしょうか。
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。 同じ事例で、Aは、平成5年1月1日から10年間の占有に基づいて、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することはできますか。
Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。 では、同じ事例で、Aが、平成2年1月1日から20年が経過するのを待って、その後に、20年間の占有に基づいて、Cに対して甲土地の時効取得を主張することはできますか。
Aは、所有権の移転の登記をしなくても、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができます。
解答:○
時効の完成前に登記を経た第三者に対しては、時効取得者は登記なくして時効取得を対抗することができる。
善意無過失で占有を始めたAの10年の時効は平成12年1月1日に完成する。判例は、第三者が登記を経た後に時効が完成した場合には、登記なくして時効取得を対抗できるとする。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
この場合には、Aは、所有権の移転の登記をしなければ、Cに対して時効取得を主張することができません。
解答:○
時効完成後に原所有者から譲り受けた第三者には、登記がなければ時効取得を対抗できない。
Cは時効完成(平成12年)後の平成13年に取得した者。時効取得者と完成後の第三者は、Bを起点とする二重譲渡と同じ対抗関係に立ち、登記がなければ時効取得を対抗できない。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
この場合も、Aは、所有権の移転の登記をしなければ、Bに対して時効取得を主張することができません。
解答:×
時効で所有権を失う旧所有者は当事者だから、時効取得者は登記なくして対抗できる。
時効によって所有権を失うBは、時効取得の当事者であり、177条の第三者に当たらない。AはBに対しては登記なくして時効取得を主張できる。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
そのような主張は許されません。
解答:○
取得時効の起算点は時効の基礎となる占有が始まった時に固定され、援用する者がこれを任意に選択することはできない。
時効の起算点は占有を始めた時に固定される。援用する者が起算点を任意に選んで、完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。平成5年からの10年を主張することは許されない。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aは、自己の所有地であると過失なく信じて甲土地の占有を開始したので、20年の取得時効を主張することはできません。
解答:×
取得時効は占有開始時に善意無過失なら10年、そうでなければ20年である。
善意無過失で10年の時効が使えることは、20年の時効を妨げない。20年の時効は平成22年1月1日に完成し、その時点でCは完成前に登記を経た第三者となるから、Aは登記なくして20年の時効取得を対抗できる。
出典:法務省 平成21年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。