主である建物と附属建物との間に道路が築造されたときは、登記官は、その建物の分割の登記を職権ですることができる。
解答:×
建物の分割の登記を登記官が職権ですることができるという規定はない。職権でできるのは土地の分筆である。
建物の分割・区分・合併を定める法54条には、これに当たる規定が置かれていない。主である建物と附属建物のどちらにするかは所有者の意思で決まる事柄で、道路ができたという事情だけで登記官が切り分けるものではない。
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
平成30年度・問15
平成30年度土地家屋調査士試験の問15です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。
主である建物と附属建物との間に道路が築造されたときは、登記官は、その建物の分割の登記を職権ですることができる。
解答:×
建物の分割の登記を登記官が職権ですることができるという規定はない。職権でできるのは土地の分筆である。
建物の分割・区分・合併を定める法54条には、これに当たる規定が置かれていない。主である建物と附属建物のどちらにするかは所有者の意思で決まる事柄で、道路ができたという事情だけで登記官が切り分けるものではない。
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
共用部分である旨の登記がある建物であっても、建物の分割の登記をすることができる。
解答:○
共用部分である旨の登記がある建物についても、建物の分割の登記をすることができる。
法54条2項は、共用部分である旨の登記がある建物についての分割・区分の登記を所有者以外の者が申請できないとしているだけで、分割そのものを禁じていない。規則142条も、分割した乙建物の登記記録に法58条1項各号の登記事項を転写する扱いを定めており、分割があり得ることを前提にしている。
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
甲建物の附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請する場合において、甲建物を増築したことにより床面積の変更が生じているときは、当該増築による表題部の変更の登記と当該建物の分割の登記とを一の申請情報によって申請することができる。
解答:○
同一の不動産についての表題部の変更の登記と建物の分割の登記は、一の申請情報で申請できる。
規則35条7号は、表題部の登記事項に関する変更の登記と、分筆・合筆・分割・区分・合併との組合せを一の申請情報で申請できる場合に挙げている。増築による床面積の変更は表題部の登記事項の変更だから、分割と一枚で通せる。
根拠規則35条7号
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
抵当権の設定の登記がされている甲建物から、その附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において、分割後の甲建物について当該抵当権を消滅させるときは、当該抵当権の登記名義人がその消滅を承諾したことを証する情報及び登記識別情報を提供しなければならない。
解答:×
登記識別情報の提供が要るのは、所有権の登記がある土地の合筆・建物の合併・合体である。分筆・分割には要らない。
法54条3項が準用する法40条が求めているのは、権利の登記名義人が消滅を承諾したことを証する情報だけである。
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
甲建物について所有権の登記がされた後、附属建物を新築したことによる甲建物の表題部の変更の登記がされている場合において、その附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記の申請をしたときは、申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしない限り、分割後の乙建物についての登記識別情報が通知される。
解答:×
分筆・分割の登記では、登記識別情報は通知されない。
法21条が通知の要件とするのは「その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合」である。分割は一個の建物を二個にする表示の登記で、所有権の登記名義人は前と同じ人のまま乙建物に引き継がれる。希望する旨の申出があるかどうか以前に、通知の要件を満たさない。
根拠法21条
出典:法務省 平成30年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。