平成19年度・問3

土地家屋調査士 平成19年度 過去問・解答 問3

平成19年度土地家屋調査士試験の問3です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

肢 ア

H19-3-ア民法

Aが占有する土地に隣接地の樹木が倒れてくるおそれがある場合には、Aは、隣接地の所有者であるBに対し、占有保全の訴えにより、樹木が倒れないようにするための予防措置を講ずるとともに損害賠償の担保を供与することを請求することができる。

解答:×

占有保全の訴えでは、占有者は妨害の予防又は損害賠償の担保のいずれか一方を請求することができる。

請求できるのは予防か担保かのいずれか一方で、両方を併せて請求することはできない。

根拠民法199条

出典:法務省 平成19年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

H19-3-イ民法

AがBに無断でBの所有する土地上に建物を建築して占有している場合において、Bが当該建物を解体するために重機を当該土地に持ち込もうとしているときは、Aは、Bに対し、占有保全の訴えにより、建物の解体の予防を請求することができる。

解答:○

占有保全の訴えでは、占有者は妨害の予防又は損害賠償の担保のいずれか一方を請求することができる。

無断で建てた建物であっても、Aがその占有者であることに変わりはない。Bが重機を持ち込んで解体しようとしていることは、占有を妨害されるおそれに当たる。

根拠民法199条

出典:法務省 平成19年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

H19-3-ウ民法

建物の賃貸借契約が終了したにもかかわらず、賃借人Aが建物の占有を継続する場合には、賃貸人Bは、Aに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。

解答:×

占有回収の訴えは占有を奪われたときに提起できるものであり、契約終了後も占有を継続している場合には提起することができない。

占有回収の訴えは占有を「奪われた」場合の制度である。賃借人が占有を続けているだけでは、賃貸人が意思に反して所持を奪われたことにならない。

根拠民法200条1項

出典:法務省 平成19年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

H19-3-エ民法

Aが占有する建物の占有をBが奪い、その後、これをCに貸与した場合であっても、Aは、なおBに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。

解答:○

侵奪者本人に対しては、第三者に貸与した後でも占有回収の訴えで返還を請求できる。

2項が相手方から外しているのは侵奪の事実を知らない特定承継人だけである。侵奪者B自身は、Cに貸与しても賃貸人として間接占有を続けている。

根拠民法200条2項大判昭5.5.3

出典:法務省 平成19年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

H19-3-オ民法

Aが自宅の庭先に置いていた自転車をBが盗んで乗り回し、その後、これをCに売り渡した場合には、Aは、Cが占有を始めた時から1年以内であれば、占有回収の訴えにより、自転車の返還を請求することができる。

解答:×

占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。

起算点はBに自転車を盗まれた時であって、転得者Cが占有を始めた時ではない。

根拠民法201条3項

出典:法務省 平成19年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

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