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大判昭17.9.30

昭和17年9月30日 大審院第四民事部判決 大審院民事判例集21巻922頁、法律新聞4802号14頁、法律評論11巻民法448頁
事件番号 昭和17年(オ)第4号

この試験で問われる判示

凡ソ民法第九十六條第三項ニ於テ詐欺ニ因ル意思表示ノ取消ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得サル旨規定セルハ取消ニ因リ其ノ行爲カ初ヨリ無效ナリシモノト看做サルル效果卽チ取消ノ遡及效ヲ制限スル趣旨ナレハ玆ニ所謂第三者トハ取消ノ遡及效ニ因リ影響ヲ受クヘキ第三者卽チ取消前ヨリ旣ニ其ノ行爲ノ效力ニ付利害關係ヲ有セル第三者ニ限定シテ解スヘク取消以後ニ於テ始メテ利害關係ヲ有スルニ至リタル第三者ハ假令其ノ利害關係發生當時詐欺及取消ノ事實ヲ知ラサリシトスルモ右條項ノ適用ヲ受ケサルコト洵ニ原判示ノ如クナリト雖右條項ノ適用ナキノ故ヲ以テ直ニ斯カル第三者ニ對シテハ取消ノ結果ヲ無條件ニ對抗シ得ルモノト爲スヲ得ス今之ヲ本件ニ付テ觀ルニ本件賣買カ原判決說示ノ如ク其ノ要素ニ錯誤アルモノニアラスシテ詐欺ニ因リ取消シ得ヘキモノナリトセハ本件賣買ノ取消ニ依リ土地所有權ハ被上告人先代ニ復歸シ初ヨリ松井ニ移轉セサリシモノト爲ルモ此ノ物權變動ハ民法第百七十七條ニ依リ登記ヲ爲スニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得サルヲ本則ト爲スヲ以テ取消後松井トノ契約ニ依リ權利取得ノ登記ヲ爲シタル上告人ニ之ヲ對抗シ得ルモノト爲スニハ取消ニ因ル右權利變動ノ登記ナキコト明カナル本件ニ於テハ其ノ登記ナキモ之ヲ上告人ニ對抗シ得ヘキ理由ヲ說明セサルヘカラス然ルニ原判決ハ此ノ點ニ付何等說示スル所ナクシテ取消ニ因ル右權利變動ヲ當然上告人ニ對抗シ得ルモノノ如ク解シ上告人カ松井トノ契約ニ因リ登記シタル權利ヲ取得セサリシモノト爲シ登記ハ原因ヲ缺クヲ以テ之カ抹消登記ヲ爲スヘキ義務アル旨判示シタルハ理由不備ノ違法アリ

この判例が出題された肢(1肢)

H24-3-オ 取消し後の第三者とは対抗関係で、登記がなければ負ける。 この肢を解く →

この判示の出どころ

出典: 判例体系 民法總則編 上 480頁 / 国立国会図書館 次世代デジタルライブラリー 確認 2026-08-28

戦前の判例集成が引く判旨(判決は著作権法13条3号により著作権の目的とならず、収録書も保護期間満了)

判例集成の該当項の判旨を旧字カタカナのまま写した。OCRの手当て: 事件番号の符号「(十)四號」は「(オ)四號」の誤読と判断した。

判決全文は未確認(大審院民事判例集21巻922頁の原文は本OCR収録範囲では特定できず)。判例体系(民法総則編・96条3項の項)が引く判旨のみ。ただしこの判旨は『取消後に初めて利害関係を有するに至った第三者との関係は民法96条3項の適用を受けず、当該物権変動(復帰)は民法177条により登記なければ対抗し得ない』と明言しており、H24-3-オの解説(取消後の第三者との関係は177条の対抗問題として処理する)と趣旨が一致する。日付検索(node ndl_find.js 昭和17 9 30)では本OCR中に刑事事件4件がヒットしたのみで、本件(民事事件)はヒットしなかったため、判例体系の96条注釈欄からの発見。