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最判昭40.6.18(土地所有権移転登記抹消登記手続請求)

昭和40年6月18日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和37(ネ)58
事件番号 昭和39(オ)1267

この試験で問われる判示(判決原文より)

無権代理人が本人を相続し本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合においては、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当であり(大判・大正一五年(オ)一〇七三号昭和二年三月二二日判決、民集六巻一〇六頁参照)、この理は、無権代理人が本人の共同相続人の一人であつて他の相続人の相続放棄により単独で本人を相続した場合においても妥当すると解すべきである。

この判例が出題された肢(1肢)

H22-1-エ 無権代理人が本人を単独相続すると、自ら行為をしたのと同じ地位に立つ。 この肢を解く →

判決全文

主文本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由上告代理人諏訪徳寿の上告理由について。

原審の確定するところによれば、亡Dは上告人に対し何らの代理権を付与したことなく代理権を与えた旨を他に表示したこともないのに、上告人はDの代理人として訴外Eに対しD所有の本件土地を担保に他から金融を受けることを依頼し、Dの印鑑を無断で使用して本件土地の売渡証書にDの記名押印をなし、Dに無断で同人名義の委任状を作成し同人の印鑑証明書の交付をうけこれらの書類を一括してEに交付し、Eは右書類を使用して昭和三三年八月八日本件土地を被上告人Bに代金二四万五千円で売渡し、同月一一日右売買を原因とする所有権移転登記がなされたところ、Dは同三五年三月一九日死亡し上告人においてその余の共同相続人全員の相続放棄の結果単独でDを相続したというのであり、原審の前記認定は挙示の証拠により是認できる。

ところで、無権代理人が本人を相続し本人と代理人との資格が同一人に帰するにいたつた場合においては、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位を生じたものと解するのが相当であり(大判・大正一五年(オ)一〇七三号昭和二年三月二二日判決、民集六巻一〇六頁参照)、この理は、無権代理人が本人の共同相続人の一人であつて他の相続人の相続放棄により単独で本人を相続した場合においても妥当すると解すべきである。

したがつて、原審が、右と同趣旨の見解に立ち、前記認定の事実によれば、上告人はEに対する前記の金融依頼が亡Dの授権に基づかないことを主張することは許されず、Eは右の範囲内においてDを代理する権限を付与されていたものと解すべき旨判断したのは正当である。

そして原審は、原判示の事実関係のもとにおいては、Eが右授与された代理権の範囲をこえて本件土地を被上告人Bに売り渡すに際し、同被上告人においてEに右土地売渡につき代理権ありと信ずべき正当の事由が存する旨判断し、結局、上告人が同被上告人に対し右売買の効力を争い得ない旨判断したのは正当である。

所論は、ひつきよう、原審の前記認定を非難し、右認定にそわない事実を前提とする主張であり、原判決に所論の違法は存しないから、所論は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外

出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索の全文PDF 確認 2026-08-26

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