平成22年度・問1

土地家屋調査士 平成22年度 過去問・解答 問1

平成22年度土地家屋調査士試験の問1です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

問題文・条件

Aは、BからB所有の甲不動産を売却する代理権を与えられていないにもかかわらず、その事情について善意無過失のCとの間で、Bの代理人として甲不動産を1,000万円で売却する旨の売買契約を締結し、Cから売却代金1,000万円を受け取った事例に関する。

肢 ア

H22-1-ア民法

CがAに対して無権代理行為による損害賠償として1,000万円を請求したところ、Aが死亡してその地位をBが単独で相続した場合には、Bは、無権代理行為の追認を拒絶することにより、無権代理行為による損害賠償責任を免れることができる。

解答:×

無権代理人の損害賠償責任は相続され、本人が追認を拒絶しても、相続した賠償責任を免れることはできない。

無権代理人Aが負っていた117条1項の損害賠償責任は、Aの死亡によりBに相続される。Bは本人の資格で追認を拒絶できても、相続した賠償責任は免れない。

根拠民法117条1項最判昭37.4.20

出典:法務省 平成22年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

H22-1-イ民法

CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、BがAの無権代理行為の追認を拒絶した後Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には、Aは、Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされても、Bの上記追認拒絶の効果を主張してCの請求を拒むことができない。

解答:×

本人が追認を拒絶した後は、無権代理人が本人を相続しても請求を拒める。

本人Bが追認を拒絶した時点で効力の不発生が確定し、その後にAが本人を単独相続しても確定した効果は覆らない。Aは追認拒絶の効果を主張して請求を拒める。

根拠民法113条1項

出典:法務省 平成22年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

H22-1-ウ民法

CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Bが死亡してその地位をAが他の相続人とともに共同で相続した場合には、Aは、Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは、他の相続人とともに無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができる。

解答:○

無権代理人が他の相続人と共同相続した場合、追認は全員でしなければ効力を生じない。

Aの相続分についてだけ当然に有効となることもないから、Aは他の相続人とともに追認を拒絶できる。

根拠最判平5.1.21

出典:法務省 平成22年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

H22-1-エ民法

CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には、AはCから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは、無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

解答:○

無権代理人が本人を単独で相続したときは、本人が自ら法律行為をしたのと同様の地位に立ち、追認を拒絶することができない。

判例は、無権代理人が本人を相続して本人と代理人の資格が同一人に帰したときは、本人が自ら法律行為をしたのと同様の法律上の地位を生じるとしている。他の相続人の相続放棄によって単独で相続した場合も同じである。自分でした行為と同じ地位に立つ以上、追認するかどうかを選ぶ場面がない。本人Bを単独相続したAは、Cの引渡請求を拒むことができない。

根拠最判昭40.6.18

出典:法務省 平成22年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

H22-1-オ民法

CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Aが死亡してその地位をB及びAB間の子Dが共同で相続した後Bが死亡してその地位をDが単独で相続した場合には、Dは、Cから当該売買契約に基づく甲不動産の引渡請求をされたときは、無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

解答:○

無権代理人を相続してその地位を承継した者が、その後に本人を相続したときは、追認を拒絶することができない。

Dは無権代理人Aを相続してその地位を承継した後に、本人Bを相続している。 無権代理人Aを本人Bと子Dが共同相続した後、Bが死亡してDが単独相続した事案。

根拠最判昭63.3.1

出典:法務省 平成22年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

この問題からクイズを始める 平成22年度の問題一覧へ 年度一覧へ トップへ