登記官の調査
登記官は表示に関する登記の申請があったとき、又は職権で表示に関する登記をしようとするときは、必要があれば不動産の表示に関する事項を調査できる(法29条1項)。
- 所有者が誰かも調査の対象になる
- 調査には、登記所の職員に実地調査を行わせ、所有者その他の関係者に文書の提示を求め、質問することができ、検査などは日出から日没までの間に限る(2項)
この項目で問われること
調査権の範囲(表示に関する事項。所有者の認定も含む)、方法(職員に行わせる、文書の提示、質問、日出〜日没)、調査の結果と申請が合致しなければ却下(法25条11号)、義務のある登記が漏れているときの申請の催告、検査を妨げた者の罰金。
調査権の範囲と方法手続と制度
- 登記官の調査権は「当該不動産の表示に関する事項」に及び、所有者が誰であるか(表題部所有者の認定)も調査の対象になる
- 登記官は登記所の職員に実地調査を行わせることができ、所有者その他の関係者に文書の提示を求め、質問することができる
- 検査・質問は日出から日没までの間に限る
- 申請義務のある登記が漏れているときは、登記官はまず申請を催告する
- 検査を妨げた者には30万円以下の罰金
この項目の肢(10)
- H17-5-ア✕土地の表題登記の申請をする場合には、表題部所有者となる者が所有権を有することを証する情報を提供しなければならないこととされているので、登記官の実地調査権は、所有者の認定には及ばない。→ 登記官の調査権は「当該不動産の表示に関する事項」に及び、表題部所有者の認定を除外する限定は置かれていない。
- H30-5-イ✕土地の表示に関する登記についての実地調査では、その土地の地目や地積、筆界を調査することはできますが、表題登記がされていない土地の所有者が誰であるかを調査することはできません。→ 所有者が誰であるかも、調査の対象になる。
- H30-5-ウ◯登記官は、日出から日没までの間に限り、実地調査を行うことができます。→ 検査などができるのは、日出から日没までの間に限る。
- H30-5-エ✕登記官は、自ら実地調査を行わなければならないので、登記所の職員に実地調査を行わせることはできません。→ 登記所の職員に実地調査を行わせることができる。
- R5-4-ア◯建物の表題登記の申請がされた場合には、登記官は、当該建物の所有者に関する事項について調査することができる。→ 所有者に関する事項も、表示に関する登記の調査の対象になる。
- R5-4-ウ◯土地の表示に関する登記についての実地調査を行う場合には、登記官は、日出から日没までの間に限り、当該実地調査を行うことができる。→ 検査や質問は、日出から日没までの間に限る。
- R5-4-エ✕不動産の表示に関する登記の申請があった場合には、登記官は、登記所の職員に当該不動産の実地調査を行わせることはできない。→ 登記所の職員に実地調査を行わせることができる。
- R5-4-オ◯不動産の表示に関する登記についての実地調査を行う場合には、登記官は、当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書の提示を求めることができる。→ 所有者その他の関係者に、文書の提示を求めることができる。
- H30-5-ア◯登記官は、直ちに職権でその登記をすることなく、その申請の義務がある者に登記の申請を催告することとされています。→ 申請義務のある登記が漏れているときは、まず申請を催告する。
- H30-5-オ✕不動産登記法上、そのような刑事罰は定められていません。→ 検査を妨げた者には、30万円以下の罰金がある。
根拠
不動産登記法第29条登記官による調査
1項登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。
2項登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
不動産登記法第25条申請の却下
登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
1号申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
2号申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。
3号申請に係る登記が既に登記されているとき。
4号申請の権限を有しない者の申請によるとき。
5号申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
6号申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。
7号申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十六条の五、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。
8号申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。
9号第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。
10号第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。
11号表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。
12号登録免許税を納付しないとき。
13号前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。