建物の認定

登記できる建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの(規則111条)。準則77条が、建物として扱うものと扱わないものを例示し、例示にないものは類推と利用状況で判断する。

この項目で問われること

「これは建物として登記できるか」の一点。

建物として登記できるかどう認定するか

この項目の肢(53)
  1. H17-14-1土地の上に電車の車体を置き、これにコンクリートで基礎工事を施し、居室として利用されているもの→ 基礎で定着し居室に使う車体は、建物と認定できる。
  2. H17-14-2寺院の山門で、上部が宝物庫として利用されているもの→ 上部を宝物庫に使う山門は、建物と認定できる。
  3. H17-14-3骨組みの部分に鉄材が使用され、屋根及び周壁に当たる部分にガラス板がはめられている強固な建造物であって、温室として利用されているもの→ 園芸又は農耕用の温床施設は、半永久的な建造物と認められるものに限り建物として取り扱われる。
  4. H17-14-4上屋を有する駅のホーム内にあり、コンクリートで基礎工事が施されている売店→ 上屋のあるホーム内の売店は、独立の建物にならない。
  5. H17-14-5永久的な建造物である桟橋の上に構築され、コンクリートで基礎工事が施されている事務所→ 永久的な桟橋上の事務所は、建物と認定できる。
  6. H19-19-ア給水タンク→ 給水タンクは、建物として取り扱わないものの例示に挙げられている。
  7. H19-19-イガード下を利用して築造した倉庫→ ガード下を利用して築造した倉庫は、建物として取り扱う。
  8. H19-19-ウ地下停車場→ 地下停車場の建造物は、建物として取り扱う。
  9. H19-19-エ停車場の乗降場のうち、上屋を有する部分→ 停車場の乗降場は、上屋を有する部分に限り建物として取り扱う。
  10. H19-19-オ機械上に建設した建造物であって、地上に基脚を有するもの→ 地上に基脚があれば、機械上の建造物も建物になる。
  11. H19-19-カ農耕用の温床施設であって、半永久的な建造物であるもの→ 農耕用の温床施設は、半永久的な建造物と認められるものに限り建物として取り扱う。
  12. H19-19-キ野球場の観覧席のうち、屋根を有する部分→ 野球場の観覧席は、屋根を有する部分に限り建物として取り扱う。
  13. H19-19-ク容易に運搬することができる入場券売場→ 容易に運搬できる売場は、建物として扱われない。
  14. H19-19-ケ浮船を利用したものであって、固定しているもの→ 浮船を利用したものでも、固定しているものは建物として取り扱わないものから除かれる。
  15. H19-19-コアーケード付街路であって、公衆用道路上に屋根覆いを施した部分→ アーケード付街路は、建物として取り扱わないものの例示に挙げられている。
  16. H20-16-1屋根及び外壁があって、内部に車を格納する回転式のパーキング機械が設置されているタワー状の立体式の駐車場は、建物として登記をすることができる。→ 屋根と外壁のある立体駐車場は、建物として登記できる。
  17. H20-16-2Aが所有する建物とBが所有する建物について、屋根が密着し、外観では一棟の建物のように見られる場合であっても、柱、壁が別々であるときは、A及びBが所有するそれぞれの部分を区分建物でない建物として登記をすることができる。→ 柱・壁が別々なら、外観が一棟でも別個の建物。
  18. H20-16-5高架線構造物の下部(いわゆるガード下)の土地に、定着する基礎、壁等を設けて建造した店舗、倉庫等は、建物として登記をすることができる。→ ガード下を利用して築造した店舗・倉庫等の建造物は、建物として取り扱う。
  19. H21-4-ア耐用年数がおおむね1年程度のビニール材質を用いて屋根及び壁が仕上げられている温室は、建物として登記することができる。→ 温床施設が建物として取り扱われるのは、半永久的な建造物と認められるものに限られる。
  20. H21-4-イ貨物運搬用のコンテナボックスを利用した貸倉庫は、基礎工事が施され土地に定着していれば、建物として登記することができる。→ 基礎で定着したコンテナ倉庫は、建物として登記できる。
  21. H21-4-ウ円柱状の形をした石油備蓄用の石油タンクは、建物として登記することができる。→ 石油タンクは、建物として取り扱わないものの例示に挙げられている。
  22. H21-4-エ機械上に建設された建造物は、地上に基脚や支柱がなくても、建物として登記することができる。→ 基脚も支柱もない機械上の建造物は、建物にならない。
  23. H21-4-オ屋外野球場の観覧席のうち屋根を有する部分は、建物として登記することができる。→ 野球場の観覧席は、屋根を有する部分に限り建物として取り扱う。
  24. H24-16-ア海底から海面上まで設置した脚柱によって支えられた永久的な構築物である桟橋の上に建造した家屋は、土地に直接付着していないため、建物と認定することはできない。→ 脚柱で支えられた桟橋上の家屋も、建物と認定できる。
  25. H24-16-イ主要な用途が電波塔である鉄塔であっても、鉄塔の下部に建物があり、その建物に設けられたエレベーターと階段によって、当該建物と鉄塔上部の展望台とが連絡している場合には、当該建物と当該展望台とを一体として建物と認定することができる。→ 例示から類推し、利用状況を勘案して建物と認定できる。
  26. H24-16-エガード下を利用して築造した倉庫は、建物と認定することができる。→ ガード下を利用して築造した倉庫は、建物として取り扱うものに挙げられている。
  27. H24-16-オアーケード付街路(公衆用道路上に屋根覆いを施した部分)は、建物と認定することができる。→ アーケード付街路は、建物として取り扱わないものに挙げられている。
  28. H27-13-イ屋根のある駅のホーム内にあり、コンクリートで基礎工事が施されている売店→ 屋根のあるホーム内の売店は、独立の建物にならない。
  29. H27-13-ウ屋根及び外壁があって、内部に車を格納する回転式のパーキング機械が設置されているタワー状の立体式駐車場→ 屋根と外壁のある立体駐車場は、建物として扱われる。
  30. H27-13-エ公衆用道路上に屋根覆いを施したアーケード付街路→ アーケード付街路のうち公衆用道路上に屋根覆いを施した部分は、建物として取り扱わない。
  31. H27-13-オ屋根及び周壁の部分がガラスで覆われている半永久的な建造物と認められる農耕用の温床施設→ 農耕用の温床施設は、半永久的な建造物と認められるものであれば建物として取り扱う。
  32. H30-10-ア競馬場の観覧席のうち、屋根を有しない部分→ 観覧席が建物になるのは、屋根を有する部分に限る。
  33. H30-10-イ土地に固定している浮船を利用した店舗→ 浮船でも、土地に固定していれば建物として扱う。
  34. H30-10-ウガード下を利用して築造した倉庫→ ガード下を利用して築造した倉庫は、建物として扱う。
  35. H30-10-エ容易に運搬することができる切符売場→ 容易に運搬できるものは、土地に定着していない。
  36. H30-10-オ廃車となった鉄道車両に基礎工事や付帯設備等を施した居宅→ 基礎工事などを施せば、車両でも建物になり得る。
  37. R4-10-ア園芸用の温床施設は、鉄材で骨組みされて地面に固着し、屋根及び周壁が強固なガラスで築造された建造物であっても、建物として登記することはできない。→ 温床施設は、半永久的な建造物なら建物として取り扱う。
  38. R4-10-イ円柱状の形をした大型の給水タンクは、建物として登記することはできない。→ 給水タンクは建物として取り扱わない。
  39. R4-10-ウ土地の上に鉄骨柱の土台を置いて基礎とし、この上に組立式で容易に移動可能な事務所を設置した場合には、当該事務所は、建物として登記することができる。→ 容易に移動できるものは、土地への定着性を欠く。
  40. R4-10-エ高架鉄道の線路敷地の高架下を屋根として利用し、外気を分断する周壁を築造して高架下と一体化させた店舗は、建物として登記することができる。→ ガード下の店舗は建物として取り扱う。
  41. R4-10-オ海底からの脚柱によって支えられた永久的な構築物である桟橋の上に建築された屋根及び周壁を有する水族館は、建物として登記することができる。→ 永久的な施設としての桟橋の上の建造物は、建物として取り扱う。
  42. R5-11-ア公衆用道路上に屋根覆いを施したアーケード付街路のうち、その周辺が店舗に囲まれており、かつ、アーケードを有する部分に限り、建物として登記することができる。→ アーケード付街路は、建物として取り扱わないものに名指しされている。
  43. R5-11-イ上部が倉庫として利用されている寺院の山門であって、当該倉庫部分が周壁を有して外気と分断されているものであっても、建物として登記することはできない。→ 周壁で外気を分断し倉庫として使えるなら、建物として登記できる。
  44. R5-11-ウ次の〔図1〕のとおり、主たる部分の構成材料が鉄骨であり、屋根及び周壁が永続性のある膜構造の塩化ビニールの特殊シートで覆われた建造物は、建物として登記することができる。→ 永続性のあるシートで覆われた鉄骨の建造物は建物になる。
  45. R5-11-エ次の〔図2〕のとおり、最上部が屋根及び周壁を有する展望台となっており、当該展望台の下部が鉄筋コンクリートを主たる構成材料として建築された階段室となっている場合には、当該展望台を建物として登記することができる。→ 階段室で支えられた展望台は、建物として登記できる。
  46. R5-11-オ屋根及び外壁があり、内部に車を格納する回転式のパーキング機械が設置されているタワー状の立体駐車場は、建物として登記することはできない。→ 屋根と外壁があり車を格納できるなら、建物として登記できる。
  47. R6-12-ア上屋を有する駅のホーム内にある売店は、基礎工事が施されてホームに定着しており、周壁により外気と分断されている場合には、建物として登記することができる。→ ホーム内の売店は、ホームという建物の一部。別の建物にならない。
  48. R6-12-イ次の〔図〕のとおり、鋼管製の脚柱により土地に定着し、鉄板により外気と分断されている家畜の飼料の貯蔵所であるサイロは、建物として登記することができる。→ 脚柱で定着し鉄板で覆われたサイロは建物になる。
  49. R6-12-ウ廃車となった鉄道車両は、基礎工事が施されて土地に定着しており、店舗の用途に供されている場合には、建物として登記することができる。→ 土地に定着して用途に供し得る状態なら、もとが車両でも建物。
  50. R6-12-オ円柱状の形をした大型の石油備蓄用の石油タンクは、建物として登記することができる。→ 石油タンクは建物として取り扱わない。
  51. H20-16-4外壁の形態が観音像であり、内部に祭壇が設けられ参拝者が着席することができ、寺院の本堂として利用されている建造物は、建物として登記をすることができる。→ 観音像の形でも、本堂として使われていれば建物。
  52. H27-13-ア内部に祭壇や参拝者が着席することができる設備があり、寺院の本堂として利用されている観音像→ 本堂として利用される観音像は、建物として扱われる。
  53. H24-16-ウ屋根ふき材が波形硬質塩化ビニールである建造物は、他の部分が建物として認定することができる要件を備えていたとしても、建物と認定することはできない。→ 屋根ふき材が塩化ビニールでも、建物と認定できる。

建物の認定できるか、できないか

この項目の肢(1)
  1. H20-16-3桟橋の上に店舗として建設した建物は、たとえ桟橋に定着性があったとしても建物として認めることはできない。→ 定着性のある桟橋上の店舗は、建物と認められる。

根拠

不動産登記規則第111条建物

1項建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。

不動産登記事務取扱手続準則第77条建物の認定

建物の認定に当たっては、次の例示から類推し、その利用状況等を勘案して判定するものとする。

1号停車場の乗降場又は荷物積卸場。ただし、上屋を有する部分に限る。

1号野球場又は競馬場の観覧席。ただし、屋根を有する部分に限る。

1号ガード下を利用して築造した店舗、倉庫等の建造物

1号地下停車場、地下駐車場又は地下街の建造物

1号園芸又は農耕用の温床施設。ただし、半永久的な建造物と認められるものに限る。

2号ガスタンク、石油タンク又は給水タンク

2号機械上に建設した建造物。ただし、地上に基脚を有し、又は支柱を施したものを除く。

2号機械上に建設した建造物。ただし、地上に基脚を有し、又は支柱を施したものを除く。

2号浮船を利用したもの。ただし、固定しているものを除く。

2号浮船を利用したもの。ただし、固定しているものを除く。

2号アーケード付街路(公衆用道路上に屋根覆いを施した部分)

2号容易に運搬することができる切符売場又は入場券売場等