建物の表題部の更正の登記
登記事項に最初から誤りがあったときにする報告的登記。
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分の登記がある建物は所有者)が申請でき(法53条1項)、申請義務も期間もない
- 共有者の一人が保存行為として申請できる
- 家屋番号は登記官が付すので更正の対象から除かれ、登記原因及びその日付は登記事項なので更正の対象になる
- 現存する建物を滅失として消してしまった誤りは、更正では直せない(滅失の登記の抹消)
この項目で問われること
変更か更正か(登記後の変化は変更、最初からの誤りは更正。一つの登記の目的にまとめられない)、申請人(共有者の一人からできる)、義務がないこと(申請義務の項目)、更正で直せるもの・直せないもの。
更正で直せるものできるか、できないか
- 登記原因及びその日付は表示に関する登記の登記事項なので更正の対象になる
- 家屋番号は登記官が付すもので更正の対象から除かれる
- 現存する建物を滅失として消してしまったのは更正では直せない(滅失の登記を抹消する)
この項目の肢(3)
- H23-12-ア✕表題部に記録された登記原因及びその日付に錯誤があることが判明した場合であっても、表題部所有者は、表題部の更正の登記を申請することはできない。→ 登記原因及びその日付は表示に関する登記の登記事項であり、更正の登記の対象になる。
- H25-11-ウ◯建物の登記について、当該建物の所在する土地の地番の更正の登記を申請したときであっても、当該建物の家屋番号の更正の登記を申請することはできない。→ 家屋番号は登記所が付するもので、更正の登記の対象から除かれている。
- R3-15-オ◯甲建物に附属建物が2個ある場合において、一方の附属建物を取り壊したが、誤って現存する他方の附属建物の滅失による建物の表題部の変更の登記がされた場合には、甲建物の所有権の登記名義人は、建物の表題部の更正の登記を申請してこれを是正することはできない。→ 現存する建物を滅失として消してしまったのは、更正では直せない。
変更と更正どの登記によるか
- 増築は変更、誤登記は更正
- 一つの登記の目的にまとめることはできない
この項目の肢(1)
- R3-15-イ✕表題登記のある建物の2階部分を増築した場合において、当該建物の1階部分の床面積が誤って登記されていることが判明したときは、登記の目的を「建物の表題部の変更登記」として、当該建物の1階部分及び2階部分の床面積を現況と合致させる旨の登記を申請することができる。→ 増築は変更、誤登記は更正。一つの目的にまとめられない。
更正の申請人誰が申請できるか
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請できる
- 共有物の保存行為として共有者の一人からできる
建物の表題部の更正いつまでに申請しなければならないか
- 更正の登記に義務も期間もない(法53条は資格の規定)
この項目の肢(3)
- H19-4-エ◯共用部分である旨の登記がある建物について、その床面積が誤って登記されていても、所有者には、建物の表題部の更正の登記を申請する義務はない。→ 表題部の更正の登記には申請義務がなく、53条1項は申請適格を定めるにとどまる。
- H24-13-ア✕登記された建物の床面積に誤りがあることが明らかになった場合には、当該建物の所有権の登記名義人は、誤りがあったことを知った日から1か月以内に、当該建物の表題部の更正の登記を申請しなければならない。→ 表題部の更正の登記には、申請義務も申請期限もない。
- H30-12-ア✕増築による建物の表題部の変更の登記後に、当該建物の登記記録の床面積に誤りがあることが判明した場合には、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その誤りを知った時から1月以内に、当該建物の表題部の更正の登記を申請しなければならない。→ 更正の登記に、申請の義務も期間もない。
更正の添付情報何を添付するか
- その申請のためにのみ作成された書面は原本の還付を請求できない
この項目の肢(0)
ひっかけ・例外(規定がないこと)
- 更正の登記について、申請の義務と期間を定める規定はない。義務が課されているのは変更の登記である。
根拠
不動産登記法第53条建物の表題部の更正の登記
1項第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。
2項第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。