建物の分割・区分の登記
分割は附属建物を登記記録上別の一個の建物にする登記、区分は一個の建物を登記記録上区分建物にする登記。
- いずれも形成的登記で、表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請し(法54条1項1号・2号)、申請義務はない
- 添付情報は分割後・区分後の建物図面・各階平面図(共用部分の登記がある建物なら所有者を証する情報も)
- 分割・区分の後の一方から権利を消すには権利者の承諾(法54条3項が40条を準用)
この項目で問われること
どの登記によるか(附属建物を主に昇格させる分割、主従の関係を一度に付けられる、接続しなくなったら分割)、記録のしかた(所在の変更、所有権の登記の転写と「分割による所有権の登記」)、承諾(承諾の項目)、添付情報(何を添付するかの項目)、まとめて申請できるか(分割+合併、変更+分割)。
分割・区分できるかできるか、できないか
- 共用部分である旨の登記がある建物でも分割できる(所有者を証する情報を添えて所有者が申請)
- 区分建物どうしを一個にする区分合併には接続していることが要る
分割の登記の使い方どの登記によるか
- 附属建物を主である建物にしたいとき: 分割の登記で附属建物を独立させる(いったん主に昇格)
- その後に新築した建物を合併で附属に戻す
- 2棟の附属建物をまとめて、主従構成の1個の建物として分割できる
- 分割の登記で主従の関係も一度に付けられ、二段構えにする必要はない
- 主である建物と附属建物が接続しなくなったのなら、そのまま建物の分割の登記による
この項目の肢(4)
- H22-5-ア◯主である建物の居宅と附属建物の車庫から構成されている所有権の登記がない甲建物について、主である建物を取り壊し、附属建物であった車庫を主である建物として登記した後、取り壊した跡地に居宅が完成したことから、新築した居宅を主である建物とし、既存の車庫を附属建物とするには、新築した居宅について建物の表題登記をした後に、当該建物に甲建物を合併する登記の方法によらなければならない。→ 車庫はいったん主に昇格。新築の表題登記後に合併で戻す。
- H24-14-イ✕甲建物の附属建物として登記されている2棟のうち、1棟を主である建物にし、残りの1棟をその附属建物とする場合には、甲建物から2棟の附属建物を乙建物と丙建物にそれぞれ分割する建物の分割の登記をした後に、丙建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請しなければならない。→ 2棟まとめて、主従構成の1個の建物として分割できる。
- R1-12-エ✕一棟の建物の中間部分を取り壊して、相互に接続しない二棟の建物とした場合において、いずれの建物も主である建物とする場合には、どちらか一方を主である建物、もう一方を附属建物とする建物の表題部の変更の登記を申請し、当該登記が完了した後でなければ建物の分割の登記を申請することができない。→ 接続しなくなったのなら、そのまま建物の分割の登記による。
- R5-15-ア✕甲建物の附属建物として登記されている2棟の建物について、1棟を主である建物とし、残りの1棟をその附属建物とする場合には、甲建物から当該2棟の建物を乙建物と丙建物にそれぞれ分割する建物の分割の登記がされた後に、丙建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請しなければならない。→ 分割の登記は主従の関係も一度に付けられる。二段構えにする必要はない。
建物の分割・区分・合併誰が申請できるか
- 共有者の一人が単独で申請できるとする定めがない
- 全員で申請する
- 承諾書を付けて一人で、も不可
- 附属建物だけを買った者は、分割させないと移転の登記を受けられないので代位できる
- 処分禁止の仮処分債権者も代位できる
- 相続人は被相続人名義のまま合併の登記を申請できる
- 先に相続登記は要らない
この項目の肢(11)
- H17-12-イ✕甲建物と乙建物の所有権の登記名義人が同一で、これらの建物が主従の関係にある場合であっても、当該登記名義人が死亡しているときは、その相続による所有権の移転の登記をした後でなければ、甲建物と乙建物について、合併の登記をすることはできない。→ 建物の合併の登記は表示に関する登記であり、相続人は被相続人名義のまま申請することができるから、先に相続による所有権の移転の登記をする必要はない。
- H18-12-エ✕共有者及び共有持分が同一である甲建物と乙建物との建物の合併の登記は、共有者の1人が、単独で申請することができる。→ 建物の合併の登記の申請適格は登記記録上の所有者に限られ、共有者の1人が単独で申請できるとする規定はない。
- H22-5-イ✕甲建物と乙建物について、いずれも登記名義人として同じ共有者が同じ持分で登記されている場合には、甲建物と乙建物の合併の登記は、共有者の一名が単独で申請することができる。→ 建物の合併の登記を共有者の一人が単独で申請することを認める規定はない。
- H23-17-ア◯附属建物として登記されている建物を、登記記録上、別の1個の建物とする登記を申請する場合において、当該建物が共有であるときは、共有者全員で申請しなければならない。→ 建物の分割の登記は、共有の場合には共有者全員で申請しなければならない。
- H24-14-ア◯1個の建物として登記されているA所有の居宅及び車庫のうち附属建物である車庫のみをBが買い受けたものの、Aが建物の分割の登記を申請しない場合には、Bは、所有権の移転の登記をする前提として、Aに代位して建物の分割の登記を申請することができる。→ 所有権の移転の登記をする前提として必要であれば、買主は代位して建物の分割の登記を申請できる。
- H28-13-ウ✕甲建物の附属建物の所有権を取得した者は、甲建物の所有権の登記名義人に代位して、本件分割登記を申請することはできない。→ 附属建物を買った者は、所有権の登記名義人に代位して分割の登記を申請できる。
- H28-14-ア✕甲建物と乙建物の所有権の登記名義人が同一である場合において、当該所有権の登記名義人が死亡しているときは、相続による所有権の移転の登記をした後でなければ、乙建物を甲建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請することはできない。→ 相続人は、被相続人名義のまま合併の登記を申請できる。
- R2-13-イ✕主である建物の登記記録から附属建物を分割する建物の分割の登記を申請する場合において、当該附属建物が共有名義であるときは、他の共有者の承諾を証する情報を提供すれば、当該申請は、共有者の一人からすることができる。→ 承諾を証する情報を付けて一人で申請できるという定めはない。
- R4-16-ア✕甲建物及び乙建物の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合には、Aの相続人であるBは、甲建物及び乙建物について相続による所有権の移転の登記をした後でなければ、本件合併の登記を申請することができない。→ 相続人は、相続登記をしなくても表示に関する登記を申請できる。
- R5-15-イ◯Aが所有する甲建物の附属建物として登記されている建物について処分禁止の仮処分命令を得た債権者であるBは、当該仮処分命令の正本を代位原因を証する情報として提供して、Aに代位して、当該建物の分割の登記を申請することができる。→ 処分禁止の仮処分債権者は、代位して分割の登記を申請できる。
- R6-11-ア◯Aを所有権の登記名義人とする甲建物の附属建物について、AB間で売買契約が締結され、Bが当該附属建物の所有権を取得した場合には、Bは、Aに代位して甲建物の分割の登記を申請することができる。→ 附属建物を買った者は、分割させなければ移転の登記を受けられない。代位できる。
分割・区分の一括申請まとめて申請できるか
- 入る号
- 2号(附属建物の分割+他の建物への合併)
- 3号(区分建物である附属建物の分割+接続する区分建物への合併。接続していなければ不可)
- 4号(区分+その一部の他の建物への合併)
- 7号(変更+分割。分棟、増築、種類の変更のいずれも)
- ひっかけ: 分割の登記と合体による登記等は列挙に無いので別の申請情報
- 「しなければならない」と書く肢は✕
この項目の肢(13)
- H19-16-イ◯甲建物を区分した上でその一部を乙建物の附属建物とする場合における建物の区分の登記及び建物の合併の登記→ 甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物とする場合の区分の登記と合併の登記は、一の申請情報でできる。
- H19-16-ウ◯附属建物の登記がされている甲建物の主たる建物の種類を変更し、同時に、その附属建物を分割して乙建物とする場合における建物の表題部の登記事項に関する変更の登記及び建物の分割の登記→ 同一の不動産についての表題部の変更の登記と建物の分割の登記は、一の申請情報でできる。
- H22-5-オ◯甲建物の附属建物として登記されている区分建物を分割して、これを当該区分建物と接続する区分建物である乙建物に合併する登記の申請をするに当たっては、分割の登記及び合併の登記を一の申請情報によって申請することができる。→ 区分建物である附属建物を分割して接続する区分建物に合併する場合は、一の申請情報によることができる。
- H22-13-オ◯分棟前の建物の所有者が分棟後の2棟の建物を別個の建物とする場合には、建物の分棟の登記の申請と建物の分割の登記の申請を一の申請情報によってすることができる。→ 表題部の変更の登記と建物の分割の登記は、一の申請情報によって申請できる。
- H23-10-ア✕甲建物を区分して、その一部を乙建物の附属建物とする建物の区分の登記と建物の合併の登記は、一の申請情報で申請することはできない。→ 甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物とする場合は、区分と合併を一の申請情報で申請できる。
- H25-4-エ◯所有権の登記名義人がAである甲建物の登記記録からその附属建物を分割する建物の分割の登記と当該附属建物を所有権の登記名義人がAである乙建物の附属建物とする建物の合併の登記→ 附属建物を分割して他の建物の附属建物とする場合は、分割と合併を一の申請情報で申請できる。
- H26-12-ウ✕甲建物の附属建物として登記されている区分建物を分割して、これを乙建物の附属建物に合併しようとする場合において、乙建物の当該附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物であるときは、建物の分割の登記及び建物の合併の登記を一の申請情報によって申請することはできない。→ 規則35条3号が、まさにこの場合を一の申請情報によって申請できる場合として挙げている。
- H26-14-オ✕甲建物の敷地に乙建物の敷地を合筆する合筆の登記がされた後、甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請する場合において、合筆による乙建物の所在の変更の登記を申請するときは、当該合併の登記と当該所在の変更の登記を一の申請情報によって申請することはできない。→ 表題部の変更の登記と建物の合併の登記は、規則35条7号により一の申請情報によって申請できる。
- H26-17-エ✕甲建物の附属建物と乙建物とが合体した場合には、甲建物の附属建物を分割する分割の登記及び合体による登記等を一の申請情報によって申請しなければならない。→ 分割の登記と合体による登記等を一の申請情報によって申請できるとする定めはない。
- H30-15-ウ◯甲建物の附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請する場合において、甲建物を増築したことにより床面積の変更が生じているときは、当該増築による表題部の変更の登記と当該建物の分割の登記とを一の申請情報によって申請することができる。→ 表題部の変更の登記と建物の分割の登記は、一の申請情報でできる。
- R1-12-イ◯甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとするときは、甲建物の附属建物を分割する建物の分割の登記と、当該附属建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記は、一の申請情報によって申請することができる。→ 附属建物を分割して他の建物の附属建物とするのは、一の申請情報でできる。
- R4-16-ウ◯乙建物の種類に変更が生じている場合には、当該変更に係る建物の表題部の変更の登記及び本件合併の登記の申請は、一の申請情報によってすることができる。→ 表題部の変更の登記と合併の登記は、一の申請情報でよい。
- R6-16-エ✕一棟の建物として登記されている区分建物でない建物の中間部分を取り壊して、相互に接続しない2棟の建物とした場合において、いずれの建物も主である建物とするときに申請する表題部の変更の登記と建物の分割の登記とは、一の申請情報により申請することができない。→ 表題部の変更の登記と建物の分割の登記は、一の申請情報でよい。
建物の分割・区分・合併何を添付するか
- 分割後・区分後・合併後の建物図面と各階平面図(床面積に変更がなくても要る。合併も両方要る)
- 所有権を証する情報は要らない(表題部所有者・登記名義人が申請する登記だから)
- 共用部分・団地共用部分である旨の登記がある建物の分割・区分には、所有者を証する情報が要る
この項目の肢(13)
- H18-5-ア◯団地共用部分である旨の登記がある建物について建物の区分の登記を申請するときは、添付情報として、当該建物の所有者を証する情報を提供しなければならない。→ 団地共用部分である旨の登記がある建物の区分の登記には、当該建物の所有者を証する情報が必要である。
- H18-11-ウ✕建物の分割の登記を申請をするときは、添付情報として、分割後の建物の表題部所有者となる者又は所有権の登記名義人となる者が当該建物の所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。→ 建物の分割の登記は表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請するものであり、所有権を証する情報の提供は求められていない。
- H22-14-エ✕建物の合併の登記の申請をする場合において、合併前の双方の建物の各階平面図が登記所に備え付けられているときは、合併後の建物図面のみを提供すれば足り、合併後の各階平面図を提供する必要はない。→ 合併の登記では、合併後の建物図面と各階平面図の両方を提供しなければならない。
- H23-15-ア✕甲建物から乙建物を分割する登記を申請する場合において、分割後の建物の床面積に変更がないときは、各階平面図の添付を要しない。→ 分割の登記では、床面積に変更がなくても分割後の建物図面及び各階平面図を提供する。
- H26-14-ウ◯甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請する場合には、添付情報として、合併後の建物図面及び各階平面図を提供しなければならない。→ 建物の合併の登記の添付情報として、合併後の建物図面及び各階平面図が求められている。
- H28-13-イ✕本件分割登記を申請する場合において、甲建物に共用部分である旨の登記があるときは、建物の所有者を証する情報の添付を要しない。→ 共用部分である旨の登記がある建物の分割には、所有者を証する情報が要る。
- H28-14-エ✕甲建物と乙建物の合併の登記を申請する場合には、従来の各階平面図の床面積に変更がないため、当該合併後の各階平面図を添付することを要しない。→ 合併の登記にも、合併後の建物図面及び各階平面図が要る。
- H29-7-ア✕Aが所有権の登記名義人である互いに接続する2個の区分建物について、隔壁の除去などの物理的な変更を伴わずに1個の区分建物ではない建物とする場合に行う登記の申請には、所有権を有することを証する情報を添付しなければならない。→ 建物の合併の登記に、所有権を証する情報は要らない。
- R3-13-オ✕甲建物を乙建物の附属建物とする合併の登記を申請する場合において、甲建物と乙建物の床面積に変更がないときは、合併後の各階平面図を提供することを要しない。→ 合併の登記には、合併後の建物図面及び各階平面図が要る。
- R5-17-エ◯団地共用部分である旨の登記がある区分建物でない建物について、建物の区分の登記を申請する場合には、当該建物の所有者を証する情報を添付情報として提供しなければならない。→ 共用部分である旨の登記がある建物の区分では、所有者を証する情報が要る。
- R6-14-イ✕甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請する場合には、添付情報として各階平面図を提供する必要はない。→ 合併後の建物図面及び各階平面図が要る。
- R7-10-エ✕一棟の建物の1階に存する1階建ての甲区分建物と、甲区分建物の真上の階に存し甲区分建物と上下に接する1階建ての乙区分建物とを合併して、1個の区分建物とする合併の登記を申請する場合には、各階平面図を提供することを要しない。→ 合併の登記には、合併後の建物図面及び各階平面図が要る。
- R7-15-ウ◯共用部分である旨の登記のある甲建物に附属建物がある場合において、当該附属建物を甲建物から分割して乙建物とする建物の分割の登記を申請するときは、甲建物の所有者を証する情報を提供しなければならない。→ 共用部分である旨の登記がある建物の分割には、所有者を証する情報が要る。
建物の分割・区分と権利の消滅権利者の承諾は要るか
- 分割・区分の後のいずれかの建物について権利を消滅させるには、その権利の登記名義人の承諾を証する情報を提供する(法54条3項が40条を準用)
- 承諾のあった建物には権利が消滅した旨が登記され、権利はもう一方にだけ引き継がれる
- 消滅させられるのは分割後のいずれかの建物について
- すべての建物から消すことはできない
- 消滅した旨の登記がされるのは建物自体に所有権等の登記以外の権利の登記があるとき
- 敷地の土地だけに抵当権があっても、建物の区分で消滅の登記はされない
- 承諾を証する情報は要るが、登記識別情報は要らない
この項目の肢(6)
- H22-15-ウ✕表題登記のある建物で当該建物の敷地である土地のみに抵当権の設定の登記があるものについて敷地権付きの建物の区分の登記を申請する場合において、抵当権者が抵当権の消滅を承諾したことを証する情報が提供されたときは、当該抵当権の登記が消滅した旨の登記がされる。→ 権利が消滅した旨の登記がされるのは、建物自体に所有権等の登記以外の権利に関する登記がある場合である。
- H22-15-エ◯抵当権の設定の登記がある建物を2個に区分する建物の区分の登記を申請する場合において、抵当権者が一方の区分建物についてのみ当該抵当権の消滅を承諾したことを証する情報が提供されたときは、もう一方の区分建物の登記記録にのみ抵当権の設定の登記が転写される。→ 承諾のあった区分建物には権利が消滅した旨が登記され、抵当権はもう一方にのみ引き継がれる。
- H24-14-ウ✕抵当権の登記がある建物について建物の分割の登記を申請する場合において、分割後の全ての建物について抵当権を消滅させることをその抵当権者が承諾したことを証する情報を提供したときは、全ての建物について当該抵当権が消滅した旨を登記することができる。→ 法40条が認めるのは分割後のいずれかの建物について消滅させることであって、すべての建物についてではない。
- H28-13-ア◯甲建物に抵当権の登記がある場合において、本件分割登記の申請情報と併せて、当該抵当権の登記名義人が当該抵当権を分割後の乙建物について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたときは、当該抵当権の登記は分割後の甲建物のみに存続することになる。→ 承諾を証する情報があれば、分割後の一方について権利を消滅させられる。
- R6-16-オ✕抵当権の登記がある建物の分割の登記を申請する場合において、当該抵当権者が、分割後の全ての建物について当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供したときは、分割後の全ての建物について当該抵当権が消滅した旨が記録される。→ 消滅させられるのは分割後のいずれかの建物について。全部は消せない。
- H30-15-エ✕抵当権の設定の登記がされている甲建物から、その附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において、分割後の甲建物について当該抵当権を消滅させるときは、当該抵当権の登記名義人がその消滅を承諾したことを証する情報及び登記識別情報を提供しなければならない。→ 承諾を証する情報は要るが、登記識別情報は要らない。
建物の分割登記官が職権でするか
- 建物の分割の登記を職権でする仕組みはない(主と附属の間に道路ができても申請による)
- 分割で附属建物が主となる建物になり所在地番が変わるときは、所在は登記官が職権で記録する
- 表題部の変更の登記を併せて申請する必要はない
- 主である建物と附属建物の間に道路ができても、分割の登記は申請による
- 職権ではできない
分割・区分の記録申請情報と記録のしかた
- 分割前の建物の家屋番号は申請情報の内容
- まだ区分建物でない建物の区分の登記では、一棟の名称で一棟の表示を省略することはできない
- 分割で所在が変わったときは、変更後の所在・変更した旨を記録し、変更前の所在を抹消する記号を記録する
- 所有権の登記がある建物を分割したときは、所有権の登記を分割後の建物に転写する
- ただし所有権の保存の登記の後に附属建物の新築による変更の登記がされていたときは転写ではなく、甲区に「分割による所有権の登記」をする旨を記録する(規則128条2項)
- 保存の登記の時点でその附属建物は登記記録に無かったので、保存の登記で通知された登記識別情報はその附属建物に結び付かず、分割合併の申請でそれを提供して済ませることはできない
- 合併では、乙建物の附属建物の表示欄に「何番から合併」と記録する(分割した旨ではない)
この項目の肢(8)
- H24-14-オ◯甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において、分割前の甲建物について、現に効力を有する所有権の登記がされた後、当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の甲建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、乙建物の登記記録に分割による所有権の登記をする旨が記録される。→ 所有権の登記の後に附属建物の新築による変更の登記がされていたときは、転写に代えて分割による所有権の登記をする旨が記録される。
- H25-11-ア✕建物の分割の登記を申請するときは、分割前の建物の家屋番号を申請情報の内容とすることを要しない。→ 分割前の建物の家屋番号は申請情報になる。
- H26-12-オ✕区分建物でない建物について区分の登記を申請する場合において、一棟の建物の名称を申請情報の内容とするときは、当該一棟の建物の構造及び床面積を申請情報の内容とすることを要しない。→ まだ区分建物でない建物の区分の登記では、名称で一棟の表示を省略できない。
- H28-13-エ◯本件分割登記に係る分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号が記録される。→ 分割で所在が変わったときは、変更後の所在・変更した旨・変更前を抹消する記号を記録する。
- H28-13-オ✕分割前の甲建物について現に効力を有する所有権の登記がされた後当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の甲建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、乙建物の登記記録に当該所有権の登記が転写される。→ 所有権の登記の後に附属建物が新築されていたときは、転写ではなく甲区に所定の事項を記録する。
- R2-11-ア◯甲建物の附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合において、分割によりその不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号が記録される。→ 分割で所在が変わったときは、変更後の所在・変更した旨・変更前を抹消する記号を記録する。
- R3-16-イ✕甲建物から附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割の登記及び附属合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に甲建物から分割した旨が記録される。→ 乙建物の附属建物の表示欄に「何番から合併」と記録する。分割した旨ではない。
- R3-16-エ✕甲建物について、所有権の保存の登記がされた後に、新築した建物を甲建物の附属建物とする旨の表題部の変更の登記がされている場合には、当該附属建物を分割して乙建物の附属建物とする建物の分割及び合併の登記の申請は、当該分割前の甲建物の所有権の保存の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供してすることができる。→ 保存の登記の後に新築した附属建物なら、所有権の登記は転写されず新たに記録される。
登記識別情報手続と制度
- 分割では新たに登記名義人になる者がいないので、登記識別情報は通知されない
この項目の肢(1)
- H30-15-オ✕甲建物について所有権の登記がされた後、附属建物を新築したことによる甲建物の表題部の変更の登記がされている場合において、その附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記の申請をしたときは、申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしない限り、分割後の乙建物についての登記識別情報が通知される。→ 分割では新たに登記名義人になる者がいないので、通知されない。
根拠
不動産登記法第54条建物の分割、区分又は合併の登記
次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
1項1号建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
1項2号建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)
1項3号建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
2項共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。
3項第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。
不動産登記規則第125条特定登記に係る権利の消滅の登記
特定登記に係る権利が消滅した場合の登記は、敷地権の変更の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。
1項1号当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報
1項2号前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
1項3号第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券
2項前項の場合における特定登記に係る権利が土地について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。この場合には、前条第三項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を土地の登記記録に転写することを要しない。
3項第一項の場合における特定登記に係る権利が建物について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。この場合には、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。
4項前三項の規定は、法第五十五条第二項から第四項までの規定による特定登記に係る権利が消滅した場合の登記について準用する。
不動産登記規則第127条建物の分割の登記における表題部の記録方法
1項登記官は、甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から分割した旨を記録しなければならない。
2項登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、家屋番号何番の建物に分割した旨及び分割した附属建物を抹消する記号を記録しなければならない。
3項登記官は、第一項の場合において、分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。