添付情報の省略と原本還付
添付情報や申請情報の一部は、決まった情報を出せば省略できる。
- 住所を証する情報は住民票コードや電子証明書で(令9条)、不動産の表示は不動産番号で(申請情報だけ。添付情報は省けない)、同時に二以上の申請をするときの共通の添付情報は一つで足りる(規則37条)
- 書面申請の添付書面は原本の還付を請求できるが、記名押印に添えた印鑑証明書と、その申請のためにだけ作った委任状・承諾書・本人確認情報は還付されない(規則55条)
この項目で問われること
何を出せば何を省けるか、何が還付されないか、還付の時期と方法。詳しくは何を添付するかの項目。
添付情報の省略と原本の還付何を添付するか
- 住所を証する情報は、住民票コードを提供すれば要らない
- 電子申請で公的個人認証の電子証明書を提供したときも同じ(令9条・規則36条4項)
- 相続人の住所が載る一覧図の写しでも代えられる
- 法定相続情報番号の提供で一覧図の写しの提供に代えられる
- 同一の登記所に同時に二以上の申請をするときは、共通する添付情報は一の申請の申請情報と併せて提供すれば足り、その旨を他の申請の申請情報の内容にする(規則37条)
- 表題部所有者の氏名・住所が変わっていても、変更を証する情報を提供すれば変更の登記を先にしなくてよい
- 原本還付できないもの
- 記名押印に添えた印鑑証明書
- 承諾書に添えた印鑑証明書
- その申請のためにのみ作った委任状・承諾書・本人確認情報
- 工事完了引渡証明書に添えた印鑑証明書と法定相続情報一覧図の写しは還付できる
- 還付は調査完了後
- 申出により原本を送付する方法でもよい
- 不正の疑いがある書面は還付できない
- 戸籍謄本等は相続関係説明図を出せば謄本を出さずに還付請求できるが、遺産分割協議書には及ばない
- 法人は会社法人等番号(無い法人は作成後3月以内の代表者の資格を証する情報)
- 番号を出せば登記事項証明書は要らない
- 法人である代理人の番号で代表者の資格を証する情報に代えられる
- 支配人等が代理するときは代理権限を証する情報を要しない(会社法人等番号がない法人は支配人の権限を証する登記事項証明書)
この項目の肢(34)
- H17-10-オ◯同一の登記所に対して同時に2以上の建物の表題登記の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供すれば足りる。→ 同一の登記所に対して同時に2以上の申請をする場合、各申請に共通する添付情報は一の申請の申請情報と併せて提供すれば足りる。
- H18-18-2◯合体前の建物の所有権の登記名義人の住所に変更があった場合でも、変更があったことを証する情報を添付情報として提供することにより、所有権の登記名義人の住所についての変更の登記をすることなく、合体による登記等を申請することができる。→ 変更を証する情報を提供すれば、名変登記は省略できる。
- H20-10-イ◯電子申請により表題登記を申請する場合において、申請人が電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律第3条第1項の規定に基づき作成された電子証明書を提供したときは、住所を証する情報の提供を要しない。→ 電子証明書を提供したときは、その提供をもって住所を証する情報の提供に代えることができる。
- H21-12-ア◯表題部所有者についての更正の登記の申請をするに当たって添付する表題部所有者の当該更正についての承諾書は、原本の還付を請求することができない。→ 当該申請のためにのみ作成された書面は、原本の還付を請求することができない。
- H21-12-イ◯建物を合体した場合において、登記の申請をするに当たって添付する存続登記に係る権利の登記名義人の当該合体についての承諾書は、原本の還付を請求することができない。→ 合体について存続登記の権利の登記名義人が作成した承諾書も、当該申請のためにのみ作成された書面である。
- H21-12-エ✕建物の表題登記の申請をするに当たって所有権証明書として添付する工事施工会社作成の工事完了引渡証明書の成立の真実性を担保するための当該工事施工会社の代表者の印鑑の証明書は、原本の還付を請求することができない。→ この印鑑証明書は、原本の還付を請求できる。
- H22-14-ウ◯建物の表題登記の申請をするときは、当該建物の所有者についての住民基本台帳法第7条第13号に規定する住民票コードを提供すれば、当該所有者の住所証明情報を提供する必要はない。→ 住民票コードを提供したときは、住所を証する情報を提供することを要しない。
- H25-5-ア✕登記官の調査完了前であっても、請求により、原本の還付を受けることができる。→ 原本の還付は、調査完了後にされる。
- H25-5-イ◯原本の還付は、申出により、原本を送付する方法によって受けることができる。→ 原本の還付は、申出により原本を送付する方法によることができる。
- H25-5-ウ✕土地の分筆の登記の申請書に添付する当該土地の抵当権の登記名義人が当該抵当権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する書面の記名押印に係る印鑑に関する証明書は、原本の還付請求の対象となる。→ 承諾を証する書面に添付した印鑑に関する証明書は、還付請求の対象から除かれている。
- H25-5-エ◯添付書面が偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面である場合には、当該添付書面の原本の還付を請求することができない。→ 不正な登記の申請に用いられた疑いがある書面は、還付することができない。
- H26-8-オ◯土地の所有者であるAが当該土地の表題登記を申請する場合において、Aに係る住民基本台帳法に規定する住民票コードを提供するときは、Aの住所を証する情報を提供することを要しない。→ 住民票コードを提供すれば、住所を証する情報の提供は要しない。
- H26-12-イ◯同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報を一の申請の申請情報と併せて提供するときは、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。→ 共通の添付情報を一の申請にまとめたときは、その旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。
- H26-17-オ◯合体前の建物の所有権の登記名義人の住所に変更があった場合でも、変更があったことを証する情報を添付情報として提供すれば当該所有権の登記名義人の住所の変更の登記をすることなく、合体による登記等を申請することができる。→ 変更を証する情報を提供すれば、名変登記は省略できる。
- H27-6-ア✕同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときであっても、当該添付情報は申請情報ごとに提供しなければならない。→ 共通する添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供すれば足りる。
- H27-7-イ◯電子申請により土地の表題登記を申請する場合において、申請人が、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の規定に基づき作成された電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる。→ 電子申請で公的個人認証の電子証明書を提供すれば、住所を証する情報の提供に代えられる。
- H27-9-オ✕委任による代理人によって所有権の登記のある土地の合筆の登記を書面により申請したときは、申請人は、委任状に押印した申請人の印鑑に関する証明書の原本の還付の請求をすることができる。→ 委任状に押印した印鑑に関する証明書は、原本の還付を請求することができない。
- H28-6-エ◯書面により所有権の登記がある土地の合筆の登記を申請する場合には、当該登記の申請のためにのみ作成された委任状については、原本の還付を請求することができない。→ その申請のためにのみ作った委任状は、原本の還付を請求できない。
- H29-9-ア◯建物の表題登記の申請をする際に所有権を有することを証する情報として提供した工事施工会社作成に係る工事完了引渡証明書に添付する印鑑に関する証明書は、原本の還付を請求することができる。→ 工事完了引渡証明書に添える印鑑証明書は、還付を請求できる。
- H29-9-イ✕所有権の登記がある建物についての建物の合併の登記を資格者代理人から申請する場合において、当該資格者代理人が作成し提供する本人確認情報は、原本の還付を請求することができる。→ 本人確認情報は、その申請のためにのみ作られた書面なので還付されない。
- H29-9-ウ◯建物の表題部の変更の登記を表題部所有者の相続人が申請する場合において、相続を証する書面として提供した戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本は、相続関係説明図を添付することにより、原本の還付を請求することができる。→ 相続関係説明図を出せば、戸籍謄本等の原本還付を請求できる。
- H29-9-オ✕原本の還付は、申請人の申出があっても、原本を送付する方法によってすることができない。→ 申出があれば、原本を送付する方法で還付できる。
- H30-4-ア◯同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報を一の申請の申請情報と併せて提供するときは、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。→ 共通の添付情報は一つの申請に付ければ足りる。その旨を他の申請に書く。
- R1-8-イ◯土地の表題登記を申請する場合において、申請人である当該土地の所有者が住民基本台帳法に規定する住民票コードを申請情報と併せて提供するときは、当該申請情報と併せて住所を証する情報を提供することを要しない。→ 住民票コードを提供すれば、住所を証する情報は要らない。
- R1-15-ウ✕株式会社を所有者とする建物の表題登記について、土地家屋調査士を代理人として電子申請をする場合において、当該土地家屋調査士を代理人とする委任状に当該株式会社の代表者が適正な電子署名を行ったときは、添付情報として、その電子証明書とともに当該株式会社の会社法人等番号を提供しなければならない。→ 電子証明書で代理権限が確認できるなら、会社法人等番号の提供に代えられる。
- R2-5-イ✕所有権の登記名義人の相続人が、土地の分筆の登記を申請するに当たり、法定相続情報一覧図の写しを提供して相続があったことを証する情報の提供に代えた場合、当該相続人は、当該法定相続情報一覧図の写しの還付を請求することはできない。→ 還付できないのは印鑑証明書と、その申請のためだけに作った書面。一覧図の写しはどちらでもない。
- R3-5-ア◯共通する添付情報のある2つの申請を同一の登記所に対して同時に行う場合において、当該添付情報を一の申請の申請情報と併せて提供し、その旨を他の申請の申請情報の内容としたときは、当該他の申請について当該添付情報を提供することを要しない。→ 同時に二以上の申請をするなら、共通の添付情報は一つでよい。
- R6-4-ア◯土地の表題登記を申請する場合において、申請人である当該土地の所有者が住民基本台帳法に規定する住民票コードを提供したときは、申請情報と併せて住所を証する情報を提供することを要しない。→ 住民票コードを出せば、住所を証する情報は省ける。
- R6-4-イ✕表題登記がない甲土地を所有するAが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの住所が記載されている法定相続情報一覧図の写しを提供して、Bを表題部所有者とする甲土地の表題登記を申請するときであっても、Bの住所を証する情報を提供しなければならない。→ 相続人の住所が記載された一覧図の写しなら、住所を証する情報に代えられる。
- R7-18-オ◯土地の表示に関する登記を申請する場合において、相続があったことを証する情報として当該相続に係る法定相続情報一覧図を識別するための法定相続情報番号を提供するときは、法定相続情報一覧図の写しを提供することを要しない。→ 番号の提供で、写しの提供に代えられる。
- H25-15-エ✕相続があったことを証する情報として戸籍の全部事項証明書及び遺産分割協議書を提供した場合には、「相続関係説明図」を提供すれば、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出することなく、当該戸籍の全部事項証明書及び遺産分割協議書について原本の還付を請求することができる。→ 相続関係説明図が謄本の代わりになるのは戸籍謄本等に限られる。
- R2-5-エ◯被相続人Aの妻Bが相続人から廃除されたため、Aの子Cのみが相続権を有する場合において、Cが、所有権の登記名義人がAである土地の分筆の登記を申請するに当たり、法定相続情報一覧図の写しを提供したときは、Bが廃除された旨の記載がされていることを証する戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる。→ 一覧図は登記官が戸籍を確認して認証したもの。廃除の戸籍を重ねて出す必要はない。
- R1-8-ア✕会社法人等番号を有する法人が所有権の登記名義人である土地について、地目の変更の登記を当該法人の支配人によって申請する場合には、当該申請を受ける登記所が、当該法人についての当該支配人の登記を受けた登記所と同一であり、かつ、法務大臣が指定した登記所以外のものでない限り、当該支配人の権限を証する登記事項証明書を提供しなければならない。→ 会社法人等番号を出せば足りる。登記事項証明書は要らない。
- R6-4-エ◯土地家屋調査士が代理人として電子申請の方法により合同会社を所有者とする建物の表題登記を申請する場合において、当該合同会社による電子署名が付された代理権限を証する情報を提供したときであっても、添付情報として、当該合同会社の会社法人等番号を提供しなければならない。→ 申請人が法人なら、会社法人等番号を提供する。代理権限を証する情報とは別。
省略・原本還付申請情報と記録のしかた
- 会社法人等番号を有する法人が申請するときは、その番号を申請情報の内容とする
この項目の肢(1)
- H28-6-オ◯会社法人等番号を有する法人が土地の地目の変更の登記を申請する場合には、当該会社法人等番号を申請情報と併せて提供しなければならない。→ 会社法人等番号を有する法人は、その番号を提供する。
省略・原本還付手続と制度
- 相続人が申請するとき、管轄登記所の法定相続情報一覧図つづり込み帳にその一覧図があれば、法定相続情報番号の提供で相続があったことを証する情報に代えられる(登記官が確認できる場合に限る)
この項目の肢(1)
- R2-5-ア◯所有権の登記名義人の相続人が土地の分筆の登記を申請するに当たり、当該土地の所在地を管轄する登記所の法定相続情報一覧図つづり込み帳に、当該登記名義人の法定相続情報一覧図がつづり込まれている場合には、当該法定相続情報一覧図の写しに記載された法定相続情報番号の提供をもって、相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。→ 番号でも代えられる。ただし登記官が法定相続情報を確認できるときに限る。
根拠
不動産登記令第9条添付情報の一部の省略
1項第七条第一項第六号の規定により申請情報と併せて住所を証する情報(住所について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を含む。以下この条において同じ。)を提供しなければならないものとされている場合において、その申請情報と併せて法務省令で定める情報を提供したときは、同号の規定にかかわらず、その申請情報と併せて当該住所を証する情報を提供することを要しない。
不動産登記規則第37条添付情報の省略等
1項同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。
2項前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。
不動産登記規則第55条添付書面の原本の還付請求
1項書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2項前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3項登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4項前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
5項第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
6項第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7項前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8項前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
9項前項の指定は、告示してしなければならない。