審査請求

登記官の処分に不服がある者、又は不作為に係る処分を申請した者は、その登記官を監督する法務局・地方法務局の長に審査請求できる(法156条1項)。

この項目で問われること

対象(登記官の処分。筆界特定は処分でないので審査請求できず、争うなら筆界確定訴訟。筆界特定の申請の却下は処分とみなされ審査請求できる)、誰が(処分に不服がある者。隣地所有者はその登記の処分に不服がある者に当たらない)、手続(登記官経由、期間制限なし、参加の規定は適用除外、法務局長等は自ら処分せず登記官に命じる、却下すべきときも登記官に命じる、裁決書の謄本と審理員意見書の写しを審査請求人と登記官に交付)。

審査請求できるかできるか、できないか

この項目の肢(1)
  1. R7-17-ウ筆界特定登記官による筆界特定がされた場合には、申請人は、筆界特定の結果に不服があることを理由とする審査請求をすることができる。→ 審査請求の対象は登記官の処分。筆界特定は処分ではない。

審査請求の手続手続と制度

この項目の肢(16)
  1. H19-9-オいいえ。筆界特定は、筆界特定登記官が、筆界についての認識判断を示すもので、行政処分には当たりませんので、審査請求をすることはできません。ただ、不服がある場合には、民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えを提起することができます。→ 筆界特定に審査請求はできない。争うなら筆界確定訴訟。
  2. H25-19-アAが所有権の登記名義人である土地の分筆の登記の申請が却下された場合において、Aがその却下処分につき審査請求をしたときは、当該土地の抵当権の登記名義人であるBは、審査庁の許可を得て、参加人として当該審査請求に参加することができる。→ 審査請求への参加の規定は、適用が除外されている。
  3. H25-19-イ審査請求は、登記官を経由してしなければならない。→ 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。
  4. H25-19-ウ審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、しなければならない。→ 登記の審査請求に、期間の制限はない。
  5. H25-19-エ法務局又は地方法務局の長が審査請求につき裁決をしたときは、裁決書の謄本を審査請求人及び登記官に交付する。→ 裁決をしたときは、裁決書の謄本を審査請求人及び登記官に交付する。
  6. H25-19-オ当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、審査請求を理由があると認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。→ 審査請求を理由があると認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、審査請求人と登記上の利害関係人に通知する。
  7. H27-19-ウ筆界特定登記官が行う筆界特定には行政処分としての法的効力は付与されておらず、登記官の処分ではありませんので、Aは、審査請求をすることはできません。→ 筆界特定は処分でなく、審査請求の対象にならない。
  8. H30-18-ア当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長(以下「監督法務局長等」という。)は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、当該登記官がすべき相当の処分を自らすることができる。→ 監督法務局長等は、登記官に相当の処分を命じる。自らはしない。
  9. H30-18-イ登記官の処分に不服がある者は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したときは、審査請求をすることができない。→ 登記官の処分に対する審査請求に、期間の制限はない。
  10. H30-18-ウ監督法務局長等が審査請求につき裁決をしたときは、当該監督法務局長等は、裁決書の謄本及び審理員意見書の写しを審査請求人及び登記官に交付する。→ 裁決書の謄本と審理員意見書の写しを、審査請求人と登記官に交付する。
  11. H30-18-エ監督法務局長等は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。→ 却下すべきものと認めるときも、登記官に命じる。
  12. R7-17-ア登記官の処分に不服がある場合であっても、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して1月を経過したときは、審査請求をすることができない。→ 審査請求の期間を定める行審法18条は、登記の審査請求に適用されない。
  13. R7-17-イ法務局又は地方法務局の長が審査請求につき裁決したときは、裁決書の謄本を審査請求人及び登記官に交付する。→ 裁決書の謄本は、審査請求人と登記官に交付する。
  14. R7-17-エ甲土地について土地の地積の更正の登記がされた場合において、甲土地と隣接する乙土地の所有者は、筆界に異議があることを理由として、甲土地の地積の更正の登記の取消しを求める審査請求をすることができる。→ 隣地の所有者は、その登記の処分に不服がある者にあたらない。
  15. R7-17-オAが所有権の登記名義人である土地の分筆の登記の申請が却下された場合において、Aがその却下処分につき審査請求をしたときは、当該土地の抵当権の登記名義人であるBは、参加人として当該審査請求に参加することができない。→ 参加人の規定である行審法13条は、適用除外に挙がっている。
  16. H30-18-オ監督法務局長等が裁決をした場合において、その審査請求について審理員に提出された証拠書類があるときは、当該証拠書類を提出した者が返還しないことに同意している場合を除き、当該監督法務局長等は、当該証拠書類をその提出した者に速やかに返還しなければならない。→ 裁決をしたら、証拠書類は速やかに提出人に返還する。

根拠

不動産登記法第156条審査請求

1項登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。

2項審査請求は、登記官を経由してしなければならない。

不動産登記法第157条審査請求事件の処理

1項登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。

2項登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。

3項前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。

4項前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。

5項前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。

6項前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。

不動産登記法第158条行政不服審査法の適用除外

1項行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。