再築・移転

既存の建物を取り壊してその材料で建てた建物(再築)や、解体して別の場所に組み立て直した建物(解体移転)は、既存の建物が滅失し新たな建物が建築されたものとして扱う(滅失の登記と表題登記)。

この項目で問われること

滅失+新築か、変更か(再築・解体移転は滅失と新築。えい行移転は所在の変更)、附属建物の建て直し(附属建物の新築の変更の登記)、えい行移転で管轄を越えたとき(管轄の項目)。

再築・解体移転は滅失と新築、えい行移転は変更どの登記によるか

この項目の肢(6)
  1. H18-4-エ建物を解体した後、当該建物の材料を用いて別の敷地に従前の建物と種類及び構造が同一の建物を再築した場合は、従前の建物についての滅失の登記及び再築した建物についての表題登記を申請しなければならない。→ 既存の建物全部を取り壊し、その材料を用いて建物を建築した場合は、既存の建物が滅失し、新たな建物が建築されたものとして取り扱う。
  2. H20-5-オ不動産の表示に関する登記は、不動産の現況を公示するものですから、種類・構造・床面積がすべて同一で位置も全く同一ならば、現況と登記が一致していることになります。したがって、当該附属建物の建物図面及び各階平面図の変更が必要なく、建物が一致しているので、建物の表題部の変更の登記は必要ありません。→ 附属建物を取り壊して建て直した場合は、同一の位置・規模であっても滅失と新築として扱う。
  3. H21-10-エAが所有する建物をえい行移転したときは、Aは、当該建物の滅失登記と表題登記を同時に申請しなければならない。→ えい行移転は建物の所在の変更として扱うので、滅失の登記と表題登記にはならない。
  4. H23-13-ア表題登記がある建物を全て取り壊し、その材料を用いて建物を再度建築したときは、表題登記がある既存建物について、建物の滅失の登記を申請しなければならない。→ 再築は既存の建物が滅失し新たな建物が建築されたものとして取り扱われる。
  5. R5-5-エ表題登記のある甲建物を隣接する他の土地上に解体移転した場合において、解体移転後の建物の表題部に関する登記を申請したときは、甲建物の表題部の登記記録に解体及び移転した旨が記録される。→ 解体移転は、既存の建物が滅失し新たな建物が建ったものとして扱う。
  6. R6-17-オAが所有権の登記名義人である甲建物の全部を取り壊し、甲建物の材料を用いて甲建物と同じ種類、構造及び床面積の建物を別の土地に建築した場合には、Aは、甲建物の滅失の登記を申請しなければならない。→ 材料を用いて別の土地に建てたのは再築。元の建物は滅失している。

再築何を添付するか

この項目の肢(2)
  1. H19-7-イ既存の建物全部を取り壊し、その材料を用いて同一の床面積及び構造である建物を再築した場合において、建物の表示に関する登記を申請するときは、申請書に建物図面を添付することを要しない。→ 再築は新たな建物の建築として扱われ、その表題登記には建物図面及び各階平面図の添付を要する。
  2. H29-7-ウAが所有権の登記名義人である建物の全部を取り壊し、当該建物の材料を用いて当該建物と同じ種類、構造及び床面積の建物を別の土地に建築した場合に行う登記の申請には、所有権を有することを証する情報を添付しなければならない。→ 再築は滅失と新築。新築なら所有権を証する情報が要る。

えい行移転の登記原因登記原因と日付

この項目の肢(1)
  1. H26-11-ア建物がえい行移転したことにより所在が変更した場合において、当該建物の表題部の変更の登記を申請するときは、その申請情報の内容である登記原因及びその日付について、「年月日所在地番変更」と記録しなければならない。→ えい行移転による所在の変更の登記原因は、所在地番の変更ではなくえい行移転である。

根拠

不動産登記法第57条建物の滅失の登記の申請

1項建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

不動産登記法第47条建物の表題登記の申請

1項新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

2項区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。