記名押印と印鑑証明書
書面申請では申請人・代表者・代理人のいずれかが申請書に記名押印する(令16条1項)。
- 委任状には申請人が記名押印する(令18条)
- 表示に関する登記では印鑑証明書は原則不要で、要るのは所有権の登記名義人が登記識別情報を提供して申請する合筆・合併・合体だけ(規則47条3号イ(6)・48条)
- 印鑑証明書は作成後3月以内
- 署名があれば押印を省略できる場合、公証人の認証を受けた場合は記名押印も印鑑証明書も要らない
この項目で問われること
誰が押印するか、印鑑証明書が要る登記、3月の制限がかかるもの・かからないもの。詳しくは何を添付するかの項目。
記名押印と印鑑証明書何を添付するか
- 記名押印は申請人・代表者・代理人のいずれかがすればよく、代理人が押印すれば本人は要らない
- 委任による代理人が署名した申請書、公証人の認証を受けた申請書・委任状には押印も印鑑証明書も要らない(規則47条・49条)
- 申請書が2枚以上のときの契印は、申請人が2人以上でもいずれか1人がすれば足りる
- 表示に関する登記の申請人に印鑑証明書は原則不要
- 要るのは合筆・合併・合体(所有権の登記名義人が登記識別情報を提供して申請するもの)
- 所有権の登記がない建物を表題部所有者が合併するなら要らない
- 電子署名をしたなら印鑑証明書は要らない
- 合体による登記等では申請人が登記識別情報の通知を受けるので、署名だけでは押印を省略できない
- 3月の制限があるのは記名押印に添える印鑑証明書(令16条3項・18条3項)、代表者の資格を証する情報、公務員作成の代理権限を証する情報
- 承諾書・引渡証明書に添える印鑑証明書、住所を証する情報には無い
- 官公署の嘱託には印鑑証明書の規定も3月の制限も適用されない
- 地図訂正の申出には令18条1項の記名押印だけが準用され、2項の印鑑証明書は準用されていない
- 3月以内の制限がかかるのは代表者の資格と公務員作成の代理権限
- 住所を証する情報、証明書の発行者側にはかからない
この項目の肢(24)
- H17-10-エ✕建物の表題登記の申請をする場合において、当該建物の所有者を証する情報として建物の引渡証明書を提供するときは、当該引渡証明書に添付する印鑑に関する証明書は、3月以内に作成されたものでなければならない。→ 引渡証明書に添付する印鑑証明書に、3月の制限はない。
- H19-15-イ✕登記: 建物の合併の登記 対象書面: 委任による代理人が署名した申請書 押印者: 委任による代理人→ 署名があれば押印は要らない。
- H19-15-エ✕登記: 土地の合筆の登記 対象書面: 申請人が署名した委任状であって、公証人の認証を受けたもの 押印者: 申請人→ 署名があれば押印は要らない。
- H21-9-ア✕建物の表題登記の申請に当たり、表題部所有者の住所を証する情報として提供された、市町村長が作成した当該表題部所有者についての住民票の写し→ 3月以内の制限がかかるのは代表者の資格を証する情報と代理権限を証する情報であり、住所を証する情報には及ばない。
- H21-9-イ✕建物の表題登記の申請に当たり、表題部所有者の所有権を証する情報として工事施工会社作成の工事完了引渡証明書と併せて提供された、当該工事施工会社の代表者の印鑑の証明書→ 引渡証明書に添える印鑑証明書に、期間の制限はない。
- H21-9-エ✕分筆の登記の申請に当たり、抵当権の消滅承諾書として会社である抵当権者が作成した抵当権放棄証書と併せて提供された、当該抵当権者の代表者の印鑑の証明書→ 承諾を証する情報に添付する印鑑証明書には、作成後3月以内という制限がない。
- H21-11-5✕表題部所有者が建物の合併の登記を申請する場合には、当該登記の申請書に自己の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。→ 表示に関する登記の申請書には、印鑑に関する証明書の添付を要しない。
- H22-9-ウ◯市町村から登記の嘱託の委任を受けた代理人が当該登記の申請をする場合には、申請情報に添付すべき市町村長が職務上作成した委任状は、作成後3か月以内のものであることを要しない。→ 官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、作成後3か月以内という期間制限は適用されない。
- H25-14-イ✕法定代理人によって建物の表題登記の申請をする場合において、当該法定代理人の権限を証する情報として戸籍の全部事項証明書を提供するときは、当該戸籍の全部事項証明書は、作成後3月以内のものであることを要しない。→ 代理権限を証する情報を記載した書面で公務員が職務上作成したものは、作成後3月以内でなければならない。
- H27-4-ア✕所有権の登記名義人が合体による登記等を書面により申請する場合において、申請書に申請人の署名があるときは、申請人は申請書に押印することを要しない。→ 合体による登記等では申請人が登記識別情報の通知を受けるので、署名だけでは押印を省略できない。
- H27-4-イ◯未成年者が所有権の登記名義人である土地についてその親権者が当該未成年者を代理して分筆の登記を申請するときは、当該未成年者は申請書に押印することを要しない。→ 記名押印は申請人・その代表者・代理人のいずれかがすればよく、代理人が押印すれば本人は押印を要しない。
- H27-10-オ✕書面による地図の訂正の申出をするときは、その申出書に記名押印した申出者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。→ 地図訂正の申出には、令16条2項の印鑑証明書に関する規定が準用されていない。
- H27-14-ウ✕建物の表題登記を申請する場合において、表題部所有者となる者が所有権を有することを証する情報として、当該建物の工事を施工した会社が作成した工事完了引渡証明書に併せて当該会社の代表者の資格を証する書面が提供されたときは、当該資格を証する書面は作成後3月以内のものでなければならない。→ 3月以内の制限がかかるのは申請人が法人である場合の代表者の資格を証する情報で、証明書の発行者のものではない。
- H28-6-ア✕土地の表題登記を申請する場合には、所有者の住所を証する情報として提供する市町村長が作成した当該所有者についての印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものでなければならない。→ 住所を証する情報に、作成後3月以内という制限はない。
- H28-14-オ◯甲建物と乙建物の表題部所有者が同一である場合において、当該表題部所有者が乙建物を甲建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請するときは、その印鑑に関する証明書を添付することを要しない。→ 表示に関する登記の申請人には、印鑑証明書は要らない。
- H29-18-ア✕建物の所有権の登記名義人が当該建物を自ら取り壊した場合において、当該建物の滅失の登記の申請をするときは、当該登記名義人の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。→ 表示に関する登記の申請人に、印鑑証明書は要らない。
- H30-4-イ◯会社法人等番号を有しない法人が土地の地積に関する更正の登記を申請するときは、作成後3月以内の当該法人の代表者の資格を証する情報を添付情報として提供しなければならない。→ 会社法人等番号がない法人は、作成後3月以内の代表者の資格を証する情報を出す。
- R1-15-イ✕Aを所有権の登記名義人とする建物の合併の登記について、土地家屋調査士を代理人として電子申請をする場合において、当該土地家屋調査士を代理人とする委任状にAが適正な電子署名を行ったときは、添付情報として、その電子証明書とともに作成後3月以内のAの印鑑に関する証明書を提供しなければならない。→ 電子署名をしたのなら、印鑑証明書は要らない。
- R4-8-ア✕抵当権の登記がある土地について分筆の登記を申請する場合において、当該抵当権の登記名義人が作成した当該抵当権を分筆後の一方の土地について消滅させることを承諾したことを証する情報を記載した書面を提出するときは、当該書面に添付する当該抵当権の登記名義人の印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものでなければならない。→ 承諾書に添付する印鑑証明書に、3か月の制限はない。
- R6-16-ア✕自然人であるAを表題部所有者とする甲建物と乙建物について、Aが乙建物を甲建物の附属建物とする建物の合併の登記を申請する場合には、Aの印鑑に関する証明書を提供することを要する。→ 表題部所有者による合併の登記なら、印鑑証明書は要らない。
- R7-6-イ◯市町村から登記の嘱託の委任を受けた代理人が当該登記の嘱託をする場合には、嘱託情報と併せて提供すべき市町村長が作成した委任状は、作成後3月以内のものであることを要しない。→ 3月以内の制限は、官公署が嘱託する場合には適用しない。
- R7-11-エ✕抵当権の設定の登記がされている甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記の申請を書面を提出する方法によりする場合において、当該抵当権を分筆後の乙土地について消滅させることを当該抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報を提供するときは、当該情報に添付すべき当該登記名義人の印鑑に関する証明書は、作成後3月以内のものでなければならない。→ 承諾書に添付する印鑑証明書に、3月の制限はない。
- H28-9-ウ◯A及びBが所有権の登記名義人である土地の分筆の登記を書面により申請する場合において、その申請書が2枚以上であるときは、A又はBのいずれかが、各用紙のつづり目に契印すれば足りる。→ 申請人が2人以上のときは、契印は1人がすれば足りる。
- H21-9-オ◯法定代理人による地目の変更の登記の申請に当たり、当該法定代理人の権限を証する情報として提供された、市町村長が作成した当該申請者本人についての戸籍謄本→ 代理人の権限を証する情報で公務員が職務上作成したものは、作成後3月以内のものであることを要する。
根拠
不動産登記令第16条申請情報を記載した書面への記名押印等
1項申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
2項前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。
3項前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4項官庁又は公署が登記の嘱託をする場合における嘱託情報を記載した書面については、第二項の規定は、適用しない。
5項第十二条第一項及び第十四条の規定は、法務省令で定めるところにより申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により登記を申請する場合について準用する。
不動産登記令第18条代理人の権限を証する情報を記載した書面への記名押印等
1項委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。
2項前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。
3項前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4項第二項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
不動産登記規則第47条申請書に記名押印を要しない場合
令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
1項1号委任による代理人が申請書に署名した場合
1項2号申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
1項3号所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの
1項3号当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)
1項3号共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
1項3号所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
1項3号信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
1項3号仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)
1項3号合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記
1項3号所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの
1項3号所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの
1項3号所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの
1項3号法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人
不動産登記規則第48条申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合
令第十六条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
1号法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。
2号申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
3号裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合
4号申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。)
5号申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。)