事前通知と本人確認情報

登記識別情報を提供できない正当な理由があるときは、登記官は申請があった旨と、真実であると思料するときは期間内にその旨の申出をすべき旨を登記義務者(登記名義人)に通知する(事前通知。法23条1項)。

この項目で問われること

本人確認情報の作り方(規則72条。作るのはその申請を代理する資格者代理人自身。面談の日時・場所・状況、面識があるときはその旨と経緯、面識がないときは提示を受けた書類と本人と認めた理由。資格者であることを証する情報を併せて提供)、面識(依頼前から氏名・住所を知り安定した継続的な関係があるとき、3月以上前に同じ申請人について本人確認情報を提供していたとき)、本人確認書類(有効なもの。健康保険証の類だけなら二以上)、法人(代表者又はこれに代わるべき者と面談)。

職印証明書と本人確認情報何を添付するか

この項目の肢(4)
  1. H21-9-ウ合筆の登記の申請に当たり、登記識別情報を提供することができない場合に、当該登記の申請代理人である土地家屋調査士が作成した本人確認情報と併せて提供された、所属土地家屋調査士会が発行した当該土地家屋調査士の職印に関する証明書→ 資格者代理人であることを証する職印に関する証明書は、発行後3月以内のものであることを要する。
  2. H28-6-ウ土地の合筆の登記を申請する場合には、所有権の登記名義人が登記識別情報を提供することができないときに提供する資格者代理人が作成した本人確認情報は、作成後3か月以内のものでなければならない。→ 本人確認情報に、作成後3月以内という制限はない。
  3. H30-7-オ本人確認情報と併せて提供する資格者代理人である土地家屋調査士が所属する土地家屋調査士会が発行した職印に関する証明書は、発行後3月以内のものであることを要する。→ 職印に関する証明書は、発行後3月以内のものであることを要する。
  4. H29-9-イ所有権の登記がある建物についての建物の合併の登記を資格者代理人から申請する場合において、当該資格者代理人が作成し提供する本人確認情報は、原本の還付を請求することができる。→ 本人確認情報は、その申請のためにのみ作られた書面なので還付されない。

事前通知と本人確認情報手続と制度

この項目の肢(30)
  1. H17-9-ウ申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは一定期間内にその旨の申出をすべき旨が通知される。→ 登記識別情報を提供できない正当な理由があるときは、申請があった旨及び真実であると思料するときは期間内にその旨の申出をすべき旨が通知される。
  2. H17-9-エ当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。→ 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。
  3. H17-9-オ申請人から健康保険証の提示を受ければ、他の資料の提示を受けることを要しない。→ 健康保険証の類だけで確認するには、いずれか二以上の提示を受ける必要がある。
  4. H18-15-エ所有権の登記がある土地の合筆の登記を申請する場合において、正当な理由により登記識別情報を提供することができないときは、登記官から登記名義人に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは一定期間内にその旨の申出をすべき旨が通知される。→ 正当な理由により登記識別情報を提供できないときは、申請があった旨及び真実であると思料するときは期間内に申出をすべき旨が通知される。
  5. H18-16-ア運転免許証等の書類の提示を受けて申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認した上、当該書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由を明らかにしなければなりません。→ 面識がないときは、提示を受けた書類の内容と、申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由を明らかにする。
  6. H18-16-イその場合は、資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときに当たりますから、運転免許証等による確認は必要ありませんが、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯を明らかにしなければなりません。→ 過去の受任を理由に面識があるとされるのは、当該申請の3月以上前に本人確認情報を提供して申請したときに限られる。
  7. H18-16-ウ資格者代理人が申請人と面談した日時、場所及びその状況を明らかにしなければなりません。→ 本人確認情報には、資格者代理人が申請人と面談した日時、場所及びその状況を明らかにしなければならない。
  8. H18-16-エ本人確認情報を提供する資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を提供しなければなりません。例えば、所属する土地家屋調査士会が発行した職印に関する証明書がこれに当たります。→ 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。
  9. H18-16-オ土地家屋調査士が作成した本人確認情報は一般に信頼性が高いと考えられますから、土地家屋調査士は、他の土地家屋調査士が作成した本人確認情報を添付して申請することができます。→ 本人確認情報を作成できるのは、当該申請の代理をする資格者代理人自身である。
  10. H19-17-イ資格者代理人によって申請がされた場合であって、資格者代理人が本人確認情報を提供し、かつ、その内容が相当であるときは、登記官は、登記義務者に対して事前通知をする必要はない。→ 資格者代理人の本人確認情報が相当と認められれば、事前通知は不要になる。
  11. H19-17-ウ資格者代理人は、申請人の氏名を知らず、又は申請人と面識がないときは、登記官に対し、本人確認情報の提供をすることができない。→ 申請人と面識がないときも、本人確認書類の提示を受けて本人確認情報を提供することができる。
  12. H19-17-オ登記義務者が海外にあるなど正当な理由がある場合には、事前通知を資格者代理人に対して行うようにする旨の申立てをすることができる。→ 事前通知は登記義務者本人に宛てて送付するもので、資格者代理人宛てにする申立ての制度はない。
  13. H21-14-ア所有権の登記がある土地の合筆の登記が申請された場合において、申請前3月以内に所有権の登記名義人の住所の変更の登記がされているときは、登記官は、当該申請人について本人確認調査をしなければならない。→ 申請前3月以内に住所の変更の登記がされたことは、本人確認調査をすべき場合として挙げられていない。
  14. H21-14-イ登記官は、登記の申請が資格者代理人によってされている場合において、本人確認調査をすべきときは、原則として、まず、当該資格者代理人に対し必要な情報の提供を求める。→ 資格者代理人による申請では、まずその資格者代理人に必要な情報の提供を求める。
  15. H25-6-ア土地家屋調査士Aが本人確認情報を提供するときは、Aが登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。→ 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、資格者であることを証する情報も併せて提供する。
  16. H25-6-イ土地家屋調査士Aが本人確認情報を提供して登記の申請をしたものの、登記官が当該本人確認情報の内容を相当と認めることができない場合には、当該申請は、直ちに却下される。→ 内容を相当と認められないときは事前通知の除外が働かないだけで、原則どおり事前通知がされる。
  17. H25-6-ウ土地家屋調査士Aが登記の申請の依頼を受ける以前から当該申請の申請人の氏名及び住所を知り、かつ、当該申請人との間に親族関係、1年以上にわたる取引関係その他の安定した継続的な関係の存在があるときは、本人確認情報として明らかにすべき「資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるとき」に当たる。→ 依頼を受ける以前から氏名及び住所を知り、安定した継続的な関係があるときは、面識があるときに当たる。
  18. H25-6-エ土地家屋調査士Aが法人である申請人Bの本人確認情報を提供する場合は、Aは、Bの代表者と面談しなければならない。→ 面談の相手は「代表者又はこれに代わるべき者」。
  19. H25-6-オ土地家屋調査士Aが甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記の申請をそれらの土地の所有権の登記名義人であるBから依頼を受けた場合において、当該申請の半年前に、AがBからその所有に係る丙土地を丁土地に合筆する合筆の登記の申請を依頼され、本人確認情報を提供してその申請をしていたときは、甲土地及び乙土地に係る合筆の登記の申請において提供する本人確認情報として明らかにすべき「資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるとき」に当たる。→ 3月以上前に同じ申請人について本人確認情報を提供して申請していれば、面識があるときに当たる。
  20. H28-4-イ申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、事前通知又は資格者代理人による本人確認情報の提供のいずれかの方法によらなければ、登記の申請をすることができない。→ 本人確認の手当ては三つ。公証人の認証という道もある。
  21. H30-7-ア資格者代理人が本人確認情報を提供して登記を申請した場合において、登記官がその本人確認情報の内容を相当と認めることができないときは、当該申請は、直ちに却下される。→ 相当と認められないときは、却下ではなく事前通知に戻る。
  22. H30-7-イ資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がない場合において、当該申請人から運転免許証の提示を受ける方法により本人確認を行うときは、その運転免許証は、当該資格者代理人が提示を受ける日において有効なものでなければならない。→ 提示を受ける書類は、提示を受ける日において有効なものであることを要する。
  23. H30-7-ウ資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある場合に提供する本人確認情報は、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨のほか、その面識が生じた経緯を明らかにするものでなければならない。→ 面識があるときは、その旨と面識が生じた経緯まで明らかにする。
  24. H30-7-エ資格者代理人が法人である申請人の本人確認情報を提供する場合には、当該資格者代理人は当該法人の代表者と面談しなければならない。→ 法人の場合、面談するのは代表者又はこれに代わるべき者。
  25. H21-14-ウ本人確認調査の契機とするための不正登記防止の申出は、申出書を送付することによってすることができる。→ 不正登記防止申出は、登記所に出頭してしなければならない。
  26. H21-14-エ本人確認調査は、当該申請人の申請の権限の有無についての調査であって、申請人の申請意思の有無は調査の対象ではない。→ 本人確認調査は申請の権限の有無の調査。申請意思は対象でない。
  27. H21-14-オ登記官が本人確認調査を行うに当たっては、電話等による事情の聴取又は資料の提出等により本人であることを確認することができる場合には、本人に出頭を求める必要はない。→ 電話等で確認できるときは、本人の出頭を求める必要はない。
  28. R5-4-イ不動産の表示に関する登記の申請が申請人となるべき者以外の者によってされていると疑うに足りる相当な理由がある場合において、当該申請を却下すべきときであっても、登記官は、当該申請の申請人に対し、その申請の権限の有無を調査しなければならない。→ 却下すべき場合は、本人確認の調査から除かれている。
  29. H28-4-エ所有権の登記名義人が外国に住所を有する場合には、事前通知に対する申出は、通知を発送した日から4週間のうちに行わなければならない。→ 事前通知への申出の期間は2週間。外国に住所があるときは4週間。
  30. H28-4-オ事前通知がされた後に事前通知を受けるべき者が死亡した場合には、その相続人全員から相続があったことを証する情報を提供したとしても、登記申請の内容が真実である旨の申出をすることはできない。→ 通知を受けるべき者が死亡したときは、相続人全員から申出ができる。

根拠

不動産登記法第23条事前通知等

1項登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。

2項登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。

3項前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。

4項1号当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。

4項2号当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。

不動産登記規則第72条資格者代理人による本人確認情報の提供

法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。

1項1号資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況

1項2号資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯

1項3号資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由

2項1号運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百五条の二第一項に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法

2項2号国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合若しくは私立学校教職員共済制度の資格確認書(書面によって作成されたものに限る。)、介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条第一項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法

2項3号前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法

3項資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。