地積の変更・更正の登記

地積が後から変わった(一部が海面下に没した、埋立てで増えた)ときは地積の変更の登記で、表題部所有者又は所有権の登記名義人が1か月以内に申請する義務がある(法37条)。

この項目で問われること

変更か更正か(後から生じた事実は変更、最初からの誤りは更正。端数の単位が変わるだけなら地積は変わらない)。

地積の更正でできることできるか、できないか

この項目の肢(4)
  1. H21-7-エ代位による申請で地積の更正の登記がされた場合において、当該土地の所有権の登記名義人は、後日当該代位原因が存しなかったことを明らかにすれば錯誤を原因として地積の更正の登記の抹消を申請することができる。→ 代位原因が存在しなかったことは登記事項の錯誤ではないので、更正の登記の抹消はできない。
  2. H21-7-オ測量の結果が、登記記録の地積と異なる場合において、その差が不動産登記規則に定められている誤差の限度の範囲内であるときであっても、地積の更正の登記を申請することができる。→ 誤差の限度内でも、地積更正の申請はできる。
  3. H22-11-エ分筆の登記の申請をするに当たり、申請人が分筆線の位置を誤って申請してしまい、それぞれの地積が予定していた地積と異なってしまった場合には、分筆の登記がされた後の両土地について、地積に関する更正の登記の申請をすることができる。→ 地積更正で直せるのは地積だけ。分筆線は動かせない。
  4. R6-7-ア甲土地の登記記録の地積と申請情報の内容とする地積との差が公差の範囲内である場合であっても、甲土地の地積に関する更正の登記を申請することができる。→ 公差の範囲内でも、更正の登記はできる。

地積の変更か更正か訂正かどの登記によるか

この項目の肢(2)
  1. H21-13-ウ土地の登記記録の地積に錯誤があり、当該土地の地積測量図に誤りがある場合において、地積に関する更正の登記の申請をするときは、この申請と併せて地積測量図の訂正の申出をしなければならない。→ 地積の更正の登記には地積測量図を提供するので、別に訂正の申出をする必要はない。
  2. H29-13-イA欄: 天災等の自然現象によって一筆の土地の一部が常時海面下に没する状態になった場合 B欄: 地積に関する変更の登記→ 一部が常時海面下になったら、その分だけ減った地積の変更の登記。

地目の変更・地積の変更・更正誰が申請できるか

この項目の肢(11)
  1. H28-8-アAが所有権の登記名義人である土地について、AがBに売却した後、その旨の所有権の移転の登記をする前に地目に変更が生じた場合、当該移転の登記をするまでの間は、Aが、当該土地の地目の変更の登記の申請をしなければならない。→ 申請義務を負うのは、その時点の所有権の登記名義人。
  2. H28-8-ウ地上権を敷地権とする敷地権である旨の登記がされた土地の地目の変更の登記の申請は、当該土地を敷地権の目的とする区分建物の所有権の登記名義人がしなければならない。→ 地目の変更の登記を申請するのは、その土地の所有権の登記名義人。
  3. R1-14-オA及びBが所有権の登記名義人であり、地目が農地である土地について、農地法所定の許可を受けた上で宅地としたにもかかわらず、Bが地目の変更の登記の申請に応じないときは、Aは、Bに代位して、当該土地の地目の変更の登記を申請することができる。→ 共有者の一人が保存行為として単独でできる。代位ではない。
  4. R2-7-イ地目が山林である土地の地上権の登記名義人が当該土地を切り開いて宅地とした場合、当該土地の所有権の登記名義人は、地目の変更の登記を申請しなければならない。→ 申請するのは表題部所有者か所有権の登記名義人。誰が現況を変えたかは関係しない。
  5. H17-15-ウ共有名義の土地の地積に関する更正の登記の申請は、共有者として登記されている登記名義人のうちの1人が単独ですることができる。→ 地積の更正の登記の申請は共有物の保存行為に当たり、各共有者が単独ですることができる。
  6. H20-9-ウ株主総会において解散決議がされた株式会社の代表清算人は、当該会社が所有権の登記名義人である土地の地積に関する更正の登記を申請することができる。→ 代表清算人は清算株式会社を代表するので、その会社名義の土地の更正の登記を申請できる。
  7. H21-7-ウ地積に誤りがある土地の利害関係人は、当該土地の所有権の登記名義人に対し地積の更正の登記手続を命ずる判決を得て、代位により地積の更正の登記を申請することができる。→ 表示に関する登記について登記手続を命ずる判決を得て代位申請をすることはできない。
  8. H25-7-エ第1欄: 甲土地の所有権の登記名義人としてA及びBが記録されている場合 第2欄: 更正後の地積が減少することとなる甲土地の地積の更正の登記→ 地積の更正は、共有者の一人から申請できる。
  9. H26-9-エ土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人のほか、当該土地の抵当権の登記名義人も、当該土地について地積の更正の登記を申請することができる。→ 抵当権の登記名義人は、自ら申請人として地積の更正の登記を申請することはできない。
  10. R2-8-ア登記記録の地積に錯誤があることが判明した土地の抵当権の登記名義人は、当該土地の地積に関する更正の登記を申請することができる。→ 土地の表題部の更正の登記は、表題部所有者か所有権の登記名義人しか申請できない。
  11. R2-8-オ土地の所有権の登記名義人が死亡し、その相続人の一人が当該土地の地積に関する更正の登記を申請する場合には、添付情報として、他の相続人の承諾を証する情報を提供することを要しない。→ 表示に関する登記の申請は保存行為。共有者の一人が単独でできる。

地積の更正いつまでに申請しなければならないか

この項目の肢(5)
  1. H17-15-ア登記記録の地積に錯誤があるにもかかわらず、当該土地の所有権の登記名義人がその更正の登記をしないまま第三者に所有権を移転した場合には、新たな所有者は、その更正の登記の申請をしなければならない。→ 38条は更正の登記の申請適格を限定する規定であって、新たな所有者に申請義務を課すものではない。
  2. H22-11-オ表題部所有者又は所有権の登記名義人は、登記されている地積と実際の地積が相違することが判明した日から1か月以内に、地積に関する更正の登記を申請しなければならない。→ 表題部の更正の登記には、申請義務も申請期限もない。
  3. H26-9-ア土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、地積について錯誤があったことが判明した日から1か月以内に、地積の更正の登記を申請しなければならない。→ 地積の更正の登記に、申請義務も申請期間もない。
  4. R4-7-ア土地の地積が誤って登記されていることを知った当該土地の所有権の登記名義人は、地積が誤っていることを知った日から1か月以内に、地積に関する更正の登記を申請しなければならない。→ 更正の登記に申請期間の定めはない。
  5. R6-7-オ土地の登記記録の地積に誤りがあることが判明した後に当該土地の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る所有権の登記があった日から1か月以内に、当該土地の地積に関する更正の登記を申請しなければならない。→ 更正の登記に申請期間の定めはない。

地積の更正の一括申請まとめて申請できるか

この項目の肢(1)
  1. H30-8-ウ地番区域が相互に異なり、所有権の登記名義人が同一である甲土地と乙土地のそれぞれについて、当該登記名義人が地積に関する更正の登記を申請する場合において、甲土地と乙土地とが同一の登記所の管轄区域内にあるときは、一の申請情報により、当該申請をすることができる。→ 登記の目的と登記原因が同じなら、同一登記所内の二筆を一の申請情報でできる。

地積の変更・更正何を添付するか

この項目の肢(5)
  1. H17-15-エ地積に関する更正の登記の申請をする場合において、地積が増加するときは、その増加部分について表題部所有者又は所有権の登記名義人が所有権を有することを証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。→ 地積が増えても、所有権を証する情報は要らない。
  2. H27-7-ア隣接する2筆の土地について同時に土地の表題登記を申請する場合において提供する地積測量図は、当該2筆の土地分をまとめて1枚の図面により作成することができる。→ 地積測量図は一筆の土地ごとに作成しなければならない。
  3. R1-7-エ地積測量図は、表題登記がない土地について、所有権を有することが確定判決によって確認された者が所有権の保存の登記を申請する場合にも、提供しなければならない。→ 表題登記がない土地の所有権保存の登記にも、地積測量図が要る。
  4. R2-8-エ土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において、更正後の土地の地積が増加するときは、添付情報として、増加部分の所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。→ 地積の更正の登記の添付情報は、地積測量図。増えても同じ。
  5. R4-7-イ甲土地の地積に関する更正の登記を申請する場合において、登記所に備え付けられた甲土地の地積測量図に記載された地積と更正後の地積の差が公差の範囲内であるときは、地積測量図の提供を省略することができる。→ 地積測量図は必ず要る。誤差の範囲でも省けない。

地積の更正権利者の承諾は要るか

この項目の肢(7)
  1. H17-15-イ抵当権の設定の登記がされた土地について地積に関する更正の登記の申請をする場合には、抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。→ 地積更正に抵当権者の承諾は要らない。
  2. H22-11-ア抵当権の登記がある土地の地積に関する更正の登記の申請をする場合において、その土地の地積が減少するときは、抵当権者の承諾があったことを証する情報を提供しなければならない。→ 地積が減る更正でも、抵当権者の承諾は要らない。
  3. H26-9-ウ土地の地積が減少することとなる地積の更正の登記を申請する場合には、当該土地に抵当権の設定の登記がされていても、その抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報を提供することを要しない。→ 地積の更正の登記の添付情報は地積測量図だけで、抵当権者の承諾を証する情報は求められていない。
  4. H26-9-オA及びBが所有権の登記名義人である土地について、Aが単独で地積の更正の登記を申請する場合であっても、Bが承諾したことを証する情報を提供することを要しない。→ 共有者の一人から地積の更正の登記を申請する場合に、他の共有者の承諾を証する情報は要らない。
  5. H30-8-ア抵当権の設定の登記がされている土地について、地積に関する更正の登記を申請する場合には、その申請情報と併せて、当該抵当権の登記名義人が登記記録上の地積を更正することについて承諾したことを証する情報を提供しなければならない。→ 地積更正の添付情報は地積測量図だけ。抵当権者の承諾は要らない。
  6. R6-7-ウ土地の地積が減少することとなる地積に関する更正の登記を申請する場合において、当該土地に抵当権の登記があるときであっても、当該抵当権の登記名義人が地積を更正することについて承諾したことを証する情報を提供することを要しない。→ 地積の更正の登記の添付情報は地積測量図。抵当権者の承諾は要らない。
  7. R6-7-エ土地の地積が増加することとなる地積に関する更正の登記を申請する場合には、当該土地に隣接する土地の所有権の登記名義人が地積を更正することについて承諾したことを証する情報を提供しなければならない。→ 隣地所有者の承諾を求める定めはない。

筆界特定後の地積更正登記官が職権でするか

この項目の肢(1)
  1. R2-8-ウ一筆の土地に係る全ての筆界について筆界特定がされた場合において、筆界特定手続記録により、当該土地の登記記録の地積に錯誤があると認められるときは、当該土地の管轄登記所の登記官は、当該土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人に対して地積に関する更正の登記の申請を促すことなく、職権で地積に関する更正の登記をしなければならない。→ 職権は「することができる」。しなければならない、ではない。

筆界特定の図面申請情報と記録のしかた

この項目の肢(1)
  1. R5-18-ウ対象土地の筆界特定をしたことにより対象土地の地積が算出できる場合には、筆界特定の内容を表示した図面に当該土地の地積が記載される。→ 図面に記録するのは規則231条4項の八つ。地積は入っていない。

地積測量図の保存手続と制度

この項目の肢(1)
  1. H17-13-オ土地改良による換地処分がされた区域内における従前の土地の地積測量図は、閉鎖された日から30年間保存される。→ 地積測量図は永久保存であるが、閉鎖したものについては閉鎖した日から30年間である。

ひっかけ・例外(規定がないこと)

根拠

不動産登記法第37条地目又は地積の変更の登記の申請

1項地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

2項地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

不動産登記法第38条土地の表題部の更正の登記の申請

1項第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。