令和6年度・問2

土地家屋調査士 令和6年度 過去問・解答 問2

令和6年度土地家屋調査士試験の問2です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

問題文・条件

Aがその所有する甲土地をBに売却した場合に関する

肢 ア

R6-2-ア民法

Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、更に甲土地をCに売却した場合において、AC間の売買の時点で、AB間の売買についてCが悪意であったときは、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

解答:×

第三者は善意であることを要せず、単なる悪意者にも登記がなければ対抗できない。

判例は、177条が第三者の善意を要件としていないことから、物権変動を知っていたというだけでは登記の欠缺を主張し得ない第三者とはいえないとしている。

根拠民法177条最判昭32.9.19

出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

R6-2-イ民法

Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、Cのために抵当権を設定した場合には、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cの抵当権が実行されて買受人となったDに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

解答:×

抵当権者は第三者に当たり、未登記の買主はその実行による買受人にも対抗できない。

Bが登記を備えないうちにCが抵当権の登記を得ているなら、Bはその抵当権に対抗できない。抵当権が実行されて買い受けたDは、その抵当権に基づいて所有権を取得した者だから、Bは同じくDに対抗できない。

根拠民法177条最判昭32.9.19

出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

R6-2-ウ民法

Bが甲土地を更にCに売却した場合には、Cは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Aに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

解答:○

前所有者は第三者に当たらず、順次譲り受けた者は登記がなくても所有権を対抗できる。

判例は、177条の第三者といえるには目的不動産について何らかの正当な権利を持つことを要するとし、すでに有効に譲渡した前所有者はこれに当たらないとしている。AはBに売った時点で所有権を手放しているから、Cに対して登記がないことを持ち出せる立場にない。

根拠民法177条最判昭43.11.19

出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

R6-2-エ民法

Aが甲土地をBに売却した後、その旨の登記がされない間に、Aが死亡し、Aの唯一の相続人である子Cが甲土地を相続した場合には、Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなくても、Cに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。

解答:○

相続人は権利義務をそのまま承継するから、被相続人からの買主は登記なくして対抗できる。

896条により相続人は被相続人の権利義務を承継する。CはAの立場をそのまま受け継いだのだから、Aが売主として負っていた義務も引き継いでいる。Aが第三者でない以上、Cも第三者ではない。

根拠民法896条最判昭43.11.19

出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

R6-2-オ民法

Bは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなければ、甲土地を無権原で占有するCに対し、甲土地の明渡しを請求することができない。

解答:×

無権原の占有者は登記がなければ対抗できない第三者に当たらず、明渡しを請求できる。

判例は、177条の第三者を登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する者に限っている。何の権利もなく占有している者は、登記がないことを持ち出せる立場にない。

根拠民法177条大判昭2.2.21

出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

この問題からクイズを始める 令和6年度の問題一覧へ 年度一覧へ トップへ