成年後見人は、成年被後見人が後見開始の審判を受ける前に締結した契約について、その締結の時に既に後見開始の事由が存在していたことを証明して、取り消すことができる。
解答:×
成年被後見人であることを理由に取り消すことができるのはその法律行為であり、後見開始の審判前にした契約は含まれない。
9条は「成年被後見人の法律行為」を取り消せるとしている。成年被後見人になるのは後見開始の審判を受けた時からで、それ以前の契約はこの枠に入らない。事理弁識能力を欠く常況にあったことを示すなら、3条の2の意思能力を欠いていたという主張になる。
根拠民法3条の2民法9条
出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
未成年者が法定代理人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その取消権の行使は、未成年者が単独ですることができる。
解答:○
制限行為能力者自身も取消権者であり、取消権の行使は単独ですることができる。
120条1項が「制限行為能力者…又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者」と並べている。
根拠民法120条1項
出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
未成年者は、取り消すことができることを知って契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができない。
解答:×
未成年者が同意を得ずにした行為は、取り消せると知って締結していても取り消せる。
5条2項は同意を得ないでした法律行為を取り消せるとするだけで、本人が取消しの可能性を知っていたかどうかを問題にしていない。
根拠民法5条2項民法21条
出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
成年被後見人であるAがBから日用品を買った場合には、Aの成年後見人Cは、Aが成年被後見人であることをBが知っていたときに限り、当該日用品の売買契約を取り消すことができる。
解答:×
成年被後見人の法律行為は取り消すことができるが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことができない。
9条ただし書は日用品の購入その他日常生活に関する行為を取消しの対象から外している。相手方が事情を知っていたかどうかで扱いを変える書き方にはなっていない。
根拠民法9条
出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
被保佐人が保佐人の同意を得ずにしたことを理由として法律行為を取り消すことができる場合には、その法律行為の相手方は、保佐人に対し、その法律行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。
解答:○
制限行為能力者の相手方は法定代理人等に催告でき、確答がなければ追認とみなされる。
20条2項が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に法定代理人・保佐人・補助人に対しその権限内の行為について催告できるとしている。
根拠民法20条1項民法20条2項
出典:法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。