令和3年度・問2

土地家屋調査士 令和3年度 過去問・解答 問2

令和3年度土地家屋調査士試験の問2です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

肢 ア

R3-2-ア民法

他人のために占有をする者であっても、その占有を奪われたときは、占有回収の訴えを提起することができる。

解答:○

占有の訴えは占有者が提起することができ、他人のために占有をする者も提起することができる。

197条の後段が「他人のために占有をする者も、同様とする」と明記している。

根拠民法197条民法200条1項

出典:法務省 令和3年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

R3-2-イ民法

甲土地の占有者であるAから占有の訴えを提起されたBは、その訴えに対する防御方法として、甲土地の所有権が自らにあることを主張することができる。

解答:×

占有の訴えに対し本権に基づく反訴はできるが、本権の理由で裁判することはできない。

202条2項により、占有の訴えについては本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。甲土地の所有権が自らにあるという主張は本権に関する理由なので、占有の訴えに対する防御方法とはならない。

根拠民法202条1項民法202条2項

出典:法務省 令和3年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

R3-2-ウ民法

占有者が占有物の所持を失った場合には、その占有者は、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその占有物の占有を回復したとしても、その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。

解答:×

占有回収の訴えにより勝訴して現実に占有を回復したときは、所持を失っていた間も占有は継続していたものとされる。

203条ただし書は、占有回収の訴えを提起したときは所持を失っても占有権が消滅しないとしている。判例はさらに進んで、勝訴して現実に占有を回復したときは、占有しなかった間も占有が継続していたものとして扱うとした。

根拠民法203条最判昭44.12.2

出典:法務省 令和3年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

R3-2-エ民法

甲土地を占有していたAからその占有を承継したBは、自己の占有にAの占有を併せて主張することはできるが、自己の占有のみを主張することはできない。

解答:×

占有の承継人は自己の占有のみでも前主の占有を併せても主張できるが、併せれば瑕疵も承継する。

187条1項は「その選択に従い」と書いている。前の占有者の占有を足せば期間は伸びるが、2項によりその瑕疵も引き継ぐ。

根拠民法187条1項民法187条2項

出典:法務省 令和3年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

R3-2-オ民法

代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これにより占有権を取得する。

解答:○

代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は占有権を取得する。

181条が代理占有を認めている。物を現に持っているのが代理人でも、本人のために持つ意思が示されれば、本人の側に占有権が立つ。

根拠民法181条

出典:法務省 令和3年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

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