Bは、土地の合筆の登記を申請した後にAが登記申請意思を撤回した場合、当該申請を取り下げることはできない。
解答:○
補正のための取下げに特別の委任は要らないが、撤回による取下げには要る。
撤回のための取下げは、別に委任を受けなければならない。
根拠昭和29.12.25民事甲2637号通達 15-2(取下げの委任状)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
令和2年度・問4
令和2年度土地家屋調査士試験の問4です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。
申請人Aが土地家屋調査士Bに土地の合筆の登記申請を委任した。A作成の委任状には、委任事項として「土地の合筆の登記申請に関する一切の権限」とだけ記載されている。Bは、この委任状だけを代理権を証する情報として提供し、Aを代理して合筆の登記を申請する。各肢では、この一般的な委任権限だけでBが記載された行為を行えるかを判断する。なお、BはAから各行為についての特別の委任を受けていないものとする。
Bは、土地の合筆の登記を申請した後にAが登記申請意思を撤回した場合、当該申請を取り下げることはできない。
解答:○
補正のための取下げに特別の委任は要らないが、撤回による取下げには要る。
撤回のための取下げは、別に委任を受けなければならない。
根拠昭和29.12.25民事甲2637号通達 15-2(取下げの委任状)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Bは、土地の合筆の登記の申請の際に納付した登録免許税に過誤納があった場合、その還付金を受領することができない。
解答:○
登録免許税の過誤納があった場合の還付金の受領は、登記の申請についての委任には含まれない。
過誤納があると、登記機関が税務署長に通知し、税務署から納付した者に還付される。登記所の窓口で代理人が受け取る仕組みではなく、登記の申請とは別の手続である。申請についての委任だけでは足りない。
根拠登録免許税法31条1項2号このサイトで定めたルール(規定なし)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Bは、電子申請の方法により、土地の合筆の登記を申請する場合、添付情報として、登記識別情報を提供することができる。
解答:×
電子申請で代理人が登記識別情報を提供するには、暗号化についての特別の委任が要る。申請の一般的な委任では足りない。
代理人がこれを扱うことは、本人の登記識別情報を代理人が知ることを意味するから、通達は代理人の権限を証する情報に「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項があることを求めている。一般的な申請の委任だけでは足りない。
根拠平成20.1.11民二第57号通達 第3-(2)(登記識別情報の暗号化に関する委任条項)このサイトで定めたルール(規定なし)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Bは、電子申請の方法により、土地の合筆の登記を申請し、当該登記が完了した場合、Bの使用に係る電子計算機に備え付けられたファイルに記録する方法で、登記識別情報の通知を受けることができる。
解答:×
代理人が登記識別情報の通知を受けるには、そのための特別の委任が要る。
規則62条2項は、通知を受けるための特別の委任を受けた代理人があるときに限って代理人に通知するとしている。合筆の申請についての委任だけでは、この特別の委任にならない。
根拠規則62条2項規則63条1項1号平成20.1.11民二第57号通達 第3-(3)(登記識別情報の復号に関する委任条項)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Bは、土地の合筆の登記を申請した後、当該申請が却下された場合、却下処分に対し、Aの代理人として審査請求をすることができる。
解答:×
却下処分に対する審査請求は、登記の申請についての委任には含まれない。
行政不服審査法12条1項は審査請求を代理人ですることを認めているが、それは審査請求について代理権がある場合の話である。却下された後に処分を争うことは、申請を通すこととは別の目的の行為だから、合筆の申請についての委任からは出てこない。
根拠行政不服審査法12条1項このサイトで定めたルール(規定なし)
出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。