令和2年度・問3

土地家屋調査士 令和2年度 過去問・解答 問3

令和2年度土地家屋調査士試験の問3です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

肢 ア

R2-3-ア民法

他の土地に囲まれて公道に通じない土地(以下「袋地」という。)の譲受人は、袋地について所有権の移転の登記を経由しなくとも、その袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して、公道に至るため、囲繞地を通行することができる権利(以下「囲繞地通行権」という。)を主張することができる。

解答:○

囲繞地通行権は袋地の所有者に当然に生じ、譲受人は登記がなくても主張できる。

210条は通行権を袋地の所有者に与えている。所有権は売買の意思表示によって移るから、譲受人は登記がなくても所有者である。

根拠民法210条1項民法176条このサイトで定めたルール(規定なし)

出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

R2-3-イ民法

他の土地及び水路によって囲まれており、水路を通行すれば公道に至ることができる土地の所有者は、公道に至るため、当該他の土地を通行することはできない。

解答:×

公道に通じない土地の所有者は囲む土地を通行でき、水路に囲まれた土地も同様である。

210条2項は、池沼・河川・水路・海を通らなければ公道に至れないとき、崖があって著しい高低差があるときも1項と同様とする。水路を渡れば行けるからといって、通行権が否定されるわけではない。

根拠民法210条2項

出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

R2-3-ウ民法

自動車による通行を前提とする囲繞地通行権は、囲繞地の所有者の承諾がなければ成立しない。

解答:×

自動車通行を前提とする囲繞地通行権は総合考慮で判断され、承諾は要件ではない。

判例は、自動車による通行を認める必要性、周辺の土地の状況、囲繞地の所有者が被る不利益などを総合して判断するとしている。承諾があれば成立するという形の権利ではない。

根拠最判平18.3.16

出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

R2-3-エ民法

囲繞地について囲繞地通行権を有する袋地の所有者が、囲繞地に通路を開設するためには、囲繞地の所有者の承諾を要する。

解答:×

囲繞地通行権を有する者は、必要があるときは通路を開設することができ、囲繞地の所有者の承諾を要しない。

211条2項が通路の開設を通行権の内容として認めている。開設の場所と方法は1項により、通行権者に必要でありかつ囲繞地の損害が最も少ないものを選ぶという枠がかかる。承諾を要するとは書かれていない。

根拠民法211条1項民法211条2項

出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

R2-3-オ民法

共有物の分割によって袋地を生じた場合に、袋地の所有者が、公道に至るため、他の分割者の所有する土地について有する通行権は、当該他の分割者の所有する土地に特定承継が生じた場合であっても、消滅しない。

解答:○

分割や一部譲渡で袋地が生じたときは元の土地のみを通行でき、譲渡されても消滅しない。

213条の通行権は、袋地を作り出した分割という事実そのものから生じ、残余地に負担として付いている。残余地が譲渡されても負担は残る。

根拠民法213条1項最判平2.11.20

出典:法務省 令和2年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

この問題からクイズを始める 令和2年度の問題一覧へ 年度一覧へ トップへ