建物の表題部所有者であるAの申請によりされたAを所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記が錯誤により抹消された場合には、その建物の所有者Bの申請又は職権により、当該建物についての表題登記を改めてすることとなる。
解答:○
表題部所有者自身の保存登記が錯誤で抹消されたときは登記記録の全部が閉鎖され、改めて表題登記をする。
通達は登記記録の全部を閉鎖するものとしており、閉鎖された以上、その建物についてはあらためて表題登記をすることになる。
根拠昭和36.9.2民事甲第2163号回答 77条2(錯誤による保存登記の抹消と登記記録の閉鎖)
問われ方建物の表題登記 × 申請情報・記録建物の表題登記申請情報・記録
出典:法務省 令和1年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
建物の表題部所有者の相続人を所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記が錯誤により抹消された場合には、登記官において当該表題部所有者が所有権を有していたことを確認することができるときであり、かつ、当該建物が現存するときであっても、当該建物の登記記録は閉鎖される。
解答:×
相続人名義の保存登記が錯誤で抹消されたときは、登記記録を閉鎖せず表題部の所有者の記録を回復する。
抹消されるのは相続人の名義でされた保存登記であって、表題部所有者が所有していたことまで否定されるわけではない。通達は、この場合には登記記録を閉鎖せずに存置し、表題部の所有者の記録を回復するとしている。
根拠昭和59.2.25民三第1084号通達昭36.9.2民甲2163号
問われ方建物の表題登記 × 申請情報・記録建物の表題登記申請情報・記録
出典:法務省 令和1年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
建物を新築する場合において、不動産工事の先取特権の保存の登記がされた建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、当該建物の表題登記を申請する必要がない。
解答:×
先取特権の保存の登記がされた建物の完成後は、その登記記録の表題部に表題登記をする。
規則162条1項が、建物の建築が完了したことによる表題登記をするときは、先取特権の保存の登記をした登記記録の表題部に表題登記をし、設計書による旨の記録を抹消するとしている。表題登記が必要であることを前提にした定めである。法87条1項が求める所有権の保存の登記は、これとは別の権利の登記である。
根拠規則162条1項法86条2項1号法87条1項
問われ方建物の表題登記 × 登記の選択建物の表題登記
出典:法務省 令和1年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合において、不動産工事の先取特権の保存の登記がされた後附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。
解答:○
先取特権保存の登記後に附属建物が完成したときは、所有権の登記名義人が遅滞なく表題部の変更の登記を申請する。
既に登記されている建物の附属建物が建ったのだから、新しく登記記録を起こすのではなく、既存の登記記録の表題部を書き換える。法87条2項がこの場合を分けて定め、所有権の登記名義人に遅滞なく変更の登記を申請させている。
根拠法87条2項
問われ方建物の表題登記 × 申請義務建物の表題登記申請義務
出典:法務省 令和1年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aが表題部所有者である甲建物と、Aが表題部所有者である乙建物の附属建物として登記されている丙建物とが、増改築工事により一個の建物となった場合には、甲建物と丙建物が一個の建物となった日から1月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記並びに合体前の甲建物及び乙建物についての表題部の登記の抹消を申請しなければならない。
解答:×
附属建物が他の建物と合体しても、その附属建物が属していた建物の登記記録は抹消されない。附属建物を分割する登記をしてから、合体による登記等を申請する。
合体したのは甲建物と、乙建物の附属建物である丙建物である。乙建物の主たる建物は合体しておらず残っているから、乙建物の表題部の登記を抹消することにはならない。丙建物は乙建物の登記記録に附属建物として記録されているので、まず乙建物の登記記録から丙建物を分割する建物の分割の登記をし、そのうえで甲建物と丙建物について合体による登記等を申請する。建物の分割の登記と合体による登記等は、一の申請情報で申請できる場合に当たらないので、別々に申請する。
根拠法49条1項法54条1項1号令4条規則35条
問われ方合体 × 登記の選択合体
出典:法務省 令和1年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。