平成29年度・問2

土地家屋調査士 平成29年度 過去問・解答 問2

平成29年度土地家屋調査士試験の問2です。全5肢の問題文と○×の解答を掲載しています。

問題文・条件

不動産の物権変動に関する。A所有の土地をBがCに売却し、その後BがAから当該土地を買い受けた。いずれの売買契約にも所有権の移転時期や方法に関する特約はない。当該土地の所有権がいつCに移転するかが問題となっている。

不動産の物権変動に関する。Cが占有しているA所有の土地をAがBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた後、Cにつき当該土地の取得時効が完成して、Cが時効を援用した。CがBに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができるかが問題となっている。

不動産の物権変動に関する。A所有の土地をAがBに売却し、AからBへの所有権の移転の登記がされた後、AがBの債務不履行により当該売買契約を解除した。その解除後、BがCに当該土地を売却し、BからCへの所有権の移転の登記がされた。AがCに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができるかが問題となっている。

不動産の物権変動に関する。A所有の土地をAがBに売却したが、AからBへの所有権の移転の登記がされる前に、Cが権原なく当該土地の占有を開始した。BがCに対し、登記なくして当該土地の所有権を主張することができるかが問題となっている。

不動産の物権変動に関する。A所有の土地をAがBに売却した後、AからBへ所有権の移転の登記がされる前に、Bからその登記の申請を受託していたCが、Aから当該土地を買い受け、AからCへの所有権の移転の登記をした。BがCに対し、当該土地の所有権を主張することができるかが問題となっている。

肢 ア

H29-2-ア民法

BがAから当該土地を買い受け、かつ、AからBへの所有権の移転の登記がされた時点で、Cに当該土地の所有権が移転することになります。

解答:×

他人の権利を売買した売主がその権利を取得したときは、あらためて意思表示をしなくても、その時に権利は当然に買主に移転する。

BがAから買い受けた瞬間、あらためて意思表示をしなくてもCに所有権が移る。判例がそう述べているとおりで、AからBへの移転の登記がされたかどうかは関係がない。

根拠大判大8.7.5民法561条最判昭25.10.26

出典:法務省 平成29年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 イ

H29-2-イ民法

はい。Cは、Bに対し、当該土地の所有権を主張することができます。

解答:○

時効の完成前に登記を経た第三者に対しては、時効取得者は登記なくして時効取得を対抗することができる。

Bが登記を得た後にCの取得時効が完成している。Cは登記を備えていなくてもBに時効取得を主張できる。

根拠最判昭41.11.22

出典:法務省 平成29年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 ウ

H29-2-ウ民法

はい。Aは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。

解答:×

契約の解除の後に現れた第三者と解除をした者とは対抗関係に立ち、登記を備えなければ所有権を対抗することができない。

解除によって所有権はAに復帰するが、その後にBから買ったCも登記を得ている。二人ともBを起点に権利を主張しているので対抗関係に立ち、177条により登記を備えたほうが勝つ。Cが登記を得ている以上、Aは登記なくして所有権を主張できない。

根拠民法177条

出典:法務省 平成29年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 エ

H29-2-エ民法

はい。Bは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。

解答:○

無権原の占有者は登記がなければ対抗できない第三者に当たらず、明渡しを請求できる。

177条の第三者は、登記がないことを主張するについて正当な利益を持つ者に限られる。何の権原もなく土地を占有しているだけのCには、Bの登記の有無を問題にする資格がない。だからBは登記を備えていなくても所有権を主張して明渡しを求められる。

根拠大判昭2.2.21民法177条

出典:法務省 平成29年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

肢 オ

H29-2-オ民法

はい。Bは、Cに対し、当該土地の所有権を主張することができます。

解答:○

他人のために登記を申請する義務を負う者は、その登記がないことを主張することができない。

CはBから登記の申請を受託していた。不登法5条2項がこれを封じているので、Bは登記を備えていなくてもCに所有権を主張できる。ただし書が働くのは、Bの登記原因がCの登記原因より後に生じた場合である。本問ではAからBへの売買が先なので、ただし書には当たらない。

根拠法5条2項

出典:法務省 平成29年度 土地家屋調査士試験を加工して作成

解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。

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