AのBに対する売買代金債務を連帯保証したCは、Aの売買代金債務について消滅時効が完成した後にBから連帯保証債務の履行を求められた場合にはAの売買代金債務についての消滅時効が完成する前に自らの連帯保証債務を承認していたときであっても、Aの売買代金債務についての消滅時効を援用してBからの請求を拒むことができる。
解答:○
連帯保証人が自らの保証債務を承認しても、その効力は主たる債務者に及ばず、主たる債務の消滅時効の完成は妨げられない。
承認は458条が準用する事由に入らないから、Cが自らの連帯保証債務を承認しても、Aの売買代金債務の時効の完成は妨げられない。
根拠民法458条民法441条(相対的効力の原則)
出典:法務省 平成23年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aを抵当権者として先順位の抵当権が設定されている不動産の後順位の抵当権者であるBは、Aの先順位の抵当権の被担保債権について消滅時効が完成した場合であっても、その消滅時効を援用することができない。
解答:○
時効を援用できるのは正当な利益を有する者に限られ、後順位抵当権者や賃借人は含まない。
後順位抵当権者が持つのは配当額が増えるという期待であって、権利の消滅について正当な利益を有する者に当たらない。
根拠民法145条最判平11.10.21
出典:法務省 平成23年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
甲土地上に乙建物を所有しているAから乙建物を賃借しているBが、甲土地の所有者であるCから、所有権に基づき乙建物から退去して甲土地を明け渡すよう求められた場合において、Aの占有による甲土地の所有権の取得時効が完成しているときは、Bは、その取得時効を援用してCからの請求を拒むことができる。
解答:×
出典:法務省 平成23年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
被相続人Aの占有により甲土地の取得時効が完成していた場合には、Aの共同相続人の一人であるBは、甲土地の全部について取得時効を援用することができる。
解答:×
被相続人の占有により取得時効が完成していた場合でも、共同相続人の一人が時効を援用できるのは自己の相続分の限度に限られる。
援用の効果は援用した者との関係で生ずるから、Bが援用できるのは自己の相続分の限度である。
根拠最判平13.7.10
出典:法務省 平成23年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
Aに対する貸金債務を承認したBが、Aから貸金返還請求を受けた場合には、Bは、その承認の際に、その貸金債務について消滅時効が完成していることを知らなかったときであっても、貸金債務の消滅時効を援用してAからの請求を拒むことができない。
解答:○
出典:法務省 平成23年度 土地家屋調査士試験を加工して作成
解説は、条文・通達・判例の原典に当たって書いたものです。根拠として挙げた条文はリンク先でそのまま読めます。